コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- となりの魔王さま
- 日時: 2015/10/30 18:06
- 名前: クレープ (ID: 5kDSbOyc)
こんにちは、または、こんばんは。
はじめましての方ははじめまして。
クレープと申します。
書けるところまで書いていきますー。
【目次】
その1・魔王襲来 >>1
その2・魔王隣人 >>2
その3・魔王とそば >>5
Page:1 2
- Re: となりの魔王さま ( No.2 )
- 日時: 2015/10/27 22:14
- 名前: クレープ (ID: 5kDSbOyc)
その2 魔王隣人
私の家はけして裕福ではないが貧しくもない、これといって特徴のない民家である。
強いて特徴をあげるとしたら、建っているのが辺境の山奥の村ということだ。辺境の村だから人が少なく、家と家がかなり離れている。自然が多いといえば聞こえはいいが、鹿や熊と出くわすなんてしょっちゅうであるし、回覧板を隣に渡すだけで三十分かかるため、けして良い特徴とは言えない。
父はふもとの街に出稼ぎへ行っているため、私と母の二人暮らしだ。
その母もいかにも主婦といったいい意味で平凡な人、私も特筆しようのない女子高生だ。ちなみに高校にかようのに一時間半かかる。
さて、これでわかってもらえただろう。
私はどこにでもいる女子高生、そして我が家も平凡な民家である。
けして私は勇者ではないし、住んでいる時代は中世でなく平成で、家も普通のセキスイハ○スなのだ。
———魔王が隣に引っ越してくるなど、
「あるわよ」
「あるんだ。あっちゃうんだ」
「だってここ、昔から魔王様とゆかりのある地じゃない?」
「ゆかるんだ。ゆかっちゃうんだ」
魔王襲来から一時間半後——————ふもと町へ買い出しに行ってきた(相変わらず大量である)母へ、魔王の事を一気にまくしたてると、母はこともなげにそう言った。
魔王様とゆかりのある地って。
魔王様のゆかりって。
この十六年間の人生の中で、自分の住んでる場所がそんな場所だなんて、はじめて聞いたんだけど。
てか、魔王様が実在したって事から知らなかったんだけど。
「そうかー、魔王さま来たんだ。ユミ、あとでごあいさつしてきなさい」
「え゛」
「お隣さんになるんだから、顔見知りになったほうがいいでしょ」
「お隣さん!?」
あら、魔王さま本人がいったんでしょう。
母は不思議そうな顔をして、きょとんと続ける。
お隣さんになる? そんなこと・・・。
・・・。
「・・・もしかして『余の隣に生をすえる者か』?」
「そうそれ」
えー、つまり・・・。
『そなたが余の隣に生をすえる者か・・・・・』
は、
『あなたが私のお隣さんですね』
で、
『よい・・・恒久の仲となるであろうそなたに、証としてこの糧を与えん』
は、
『となりの魔王です、よろしく。これからお世話になるので、これよかったらどうぞ』
か。
・・・現代語訳必要な隣人って。
————てなわけで、魔王さまがお隣に住むことになりました(自転車で三十分弱の)。
- Re: となりの魔王さま ( No.3 )
- 日時: 2015/10/27 22:27
- 名前: 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM (ID: M0NJoEak)
- 参照: ちほりん→とらじ、澪羽、*織*→夏目織、桜里、リザ
初めまして!
魔王という単語にひかれて見に来た夏目です!
あと、題名からして面白そうだなぁーっと思ったので…!
文章がとても読みやすくて、話もまだ始まったばかりだけどとても面白かったです!
現代誤訳必要で菓子折り持ってる魔王樣ですか…私ならいつでもウェルカムですけどね←
更新頑張ってください!応援してますので!!♪ヽ(´▽`)/
またコメントしに来ますね♪
- Re: となりの魔王さま ( No.4 )
- 日時: 2015/10/28 22:51
- 名前: クレープ (ID: 5kDSbOyc)
夏目 織さん、コメントありがとうございます。
はじめまして、クレープと申します。
文章力に自信がないので、そういってもらえるとうれしいです!
これからも精進いたします<(_ _)>
魔王さまの性格は割と几帳面です。
お引越しのご挨拶はしっかりと! です。
応援ありがとうございました!
期待にそえられるよう頑張ります。
- Re: となりの魔王さま ( No.5 )
- 日時: 2015/10/30 18:01
- 名前: ・スN・ス・ス・ス[・スv (ID: 5kDSbOyc)
その3 魔王とそば
菓子折りの中身はお饅頭だった。
文字なのか文様なのかくねった線が押されている。
「おまんじゅう」
台所で誰となしにつぶやく。
にしても、純洋風の魔王が純和風の菓子折りを持ってくるとは。
なにか、私の中で魔王がゲシュタルト崩壊していく。
「あらあ、おいしそうね」
母が入ってきた。時刻は間もなく4時、夕飯を作るのだろう。我が家の夕飯は早めなのである。
最近の夕食にはもっぱらツナが入っている。
カレーにツナ、サラダにツナ。ご飯に、煮物に、お味噌汁にもツナ。マグロのサラダにツナなんていう強行もあった。
なんてことはない、母がツナ缶を買いすぎたのだ。それも十五缶。
なんでもお徳だったのだというが、量が量なのでプラマイゼロどころかプラスではないかと思う。
呆れる私をよそに、母は同じくお徳用で買ったそばを取りだし始めた。
おい季節感。
母よ、今は冬の入り目だぞ。
———と、思ったのもつかの間、母はそのそばを袋に入れ始めた。
「・・・な」
「ああ、ちょうどよかったわ、」
「ねえその先は私聞かな」
「ユミ、」
「あー、あー」
抵抗するも無残。
耳を塞ぐ手の隙間から聞こえたのは、にっこり笑う母の声。
———魔王さまんとこ、御挨拶行ってきなさいね
さては母よ、遠いお隣に行くのが面倒になったな。
さて魔王宅前。
ぱっと見普通のお家だが、初日に見た黒い靄が取り巻いている。
今日の私の服装は白いTシャツにショートパンツ。片手にそば。
魔王城に乗り込むには軽装すぎる。が、行くしかないのである。そう、ミッションはこのそばを魔王に渡すこと、渡したら即帰ること。
生唾を飲み込み、私はインターホンを押す。うーわー、魔王城にインターホンがあるよー、現代日本の文化ー、わー。
なんて思ってたらドアがあきました。
「ふぉあ」
「・・・隣の娘か」
「あふ」
「あふ?」
「むあ」
「むあ?」
いかん、急すぎて思考がフリーズした。
「あふ、むあ・・・とは、日本語であるか?」
「い、いえ、日本語じゃないですすみませんあのこれよかったらどうぞそばですあのこれからもよろしくございですますじゃっ」
「お、あ、待て娘」
ダッシュで逃げるつもりだったのに、腕をむんずとつかまれた。
やばい、冷たい。生き物じゃないみたいだ。
———生き物じゃないのか?
おそるおそる見上げると、魔王は表情をかえずに立っていた。おしつけられたそばを持って。
その姿はいささか奇妙である。
「娘」
「ななななんでしょう」
「この枯れ木は———この地ではどう扱う」
木枯らしが吹く。
真っ赤な落ち葉が地面を舞って行く。
魔王さま。
それそばです。
魔王はわりと世間知らずであるらしい。
生きていくのに必要ない知識を、一つ知った。
- Re: となりの魔王さま ( No.6 )
- 日時: 2015/10/30 18:04
- 名前: クレープ (ID: 5kDSbOyc)
名前ー! 文字化けしてるーん。すみませーん。
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