コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- オレさま高校ふんとう記
- 日時: 2015/11/05 18:03
- 名前: キャッツアイ (ID: Z5cmkimI)
更新
櫻井は、アラブ人(高田)の家へ乗り込みます。そこで勉強を教えてもらうはずが、うっかり手料理をふるまいます。
櫻井とアラブ人の関係、はどーなるんでしょうか…?
(煽ってみました 笑)
1
俺は櫻井直人。今年の春に県で一番の難関にうかり、みごと高校生になった。
中学での成績が常に一番だった俺は、これからはじまる高校生活で、トップクラスの生徒として
周りの注目を集めるはずだった。
中学時代、俺は陸上選手としても何度か賞をもらった経験があり、勉強だけでなくスポーツにも相当自信があった。
何もかも活躍し、かわいい彼女も作ってバラ色の、俺の人生がスタートする、はずだった。
「中間テストが5月にあるのか?」
しかし、俺の希望は、たった1か月で崩れ去った。
「まさか、この俺が20点・・・???」
俺の期待は甘かった。県の精鋭が集まるこの高校で、頭一つとびぬけるには、適当な努力だけじゃだめだった。
テストの結果は散々だった。高校の勉強は恐ろしく難しかった。
俺は完全にやる気をなくした。今まで一番を保ってきた俺が、そのプライドをへし折られてしまった。
「トップになれなきゃ意味がない、この俺様が、20点なんて信じられない」
Page:1 2
- Re: オレさま高校ふんとう記 ( No.2 )
- 日時: 2015/11/05 18:00
- 名前: キャッツアイ (ID: Z5cmkimI)
伊久葉さんありがとう(^^)
ゆっくり読んでいってね
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2
掲示板には、テストの順位が張り出されていた
トップはうちのクラスの高田哲。
「どんなやつだろう?」
まだ全員の顔と名前が一致していない俺は、出席番号を便りに席を数えた
その席には、いやみったらしいまでに美形で、イケメンのメガネ男が、気だるそうに本を眺めていた
ヤツは眉毛と目の距離が近くて、ふたえでまつ毛のながいのは、まるで外国人だ。
俺は地理の資料集をめくり、あいつが似ている国をさがした。
「あった、これだ。」
そのページには石油の話が載っていた。高田の顔は、そこにのっていたアラブ人御曹司にそっくりだった。
「濃い顔だなあ・・・」
俺は、そいつをアラブ人と呼ぶことに決めた。
3
次の授業は数学で、教師はかなり、嫌なやつだった。
授業内容は分かりづらい。 彼はわざと俺を指名した。
「櫻井??おまえこんな問題すらわからんのか!?まぐれで入試に受かったんだな」
クスクスという失笑がおこって気を良くした教師は、その後も嫌味を連発した。
俺はクラスの笑い者になった。
悔しくて悔しくて吐き気がした。
どういう手段を使っても、あの教師を見返したいという思いが湧き上がってきた。
4
俺は復讐の方法を考えた
(教師の弁当にゴキブリをいれる?靴に画ビョウ?それとも奴の車のタイヤの空気を抜くか…?)
どれも素晴らしいアイデアだったが、ばれたあとに学校にいれなくなる案ばっかりだ。
ふと、実現不可能な案も思い付いた。
(俺がものすごく賢くなればどうだろう?)
教師の予想を遥かに越えて20点の俺が次のテストで満点をとれば?奴が俺様をバカにしたことを後悔させてその上クラスの憧れだ。
俺の脳裏には、ヒーローになって下克上をはたした自分の姿が浮かんでいた。
自己暗示で胸が熱くなった俺は、次にすべき具体的な策を考えた 。
(成績トップになるためにするべきはなにか?今すぐノートを見直し勉強しだす?、参考書を買いにいく?いや違う。)
そんな悠長なやり方では次のテストに追いつかない。俺にはそんなに時間がない。
「よし。まず賢いトップのアラブ人と仲良くなろう」
学年トップが友達ならば、点数を上げる極意がわかるはずだった。
5
アラブ人はクールだった
俺が彼に近づくと、読んでいた本をパタンと閉じて、
(なにか、用か?)
と目力で聞いてきた
「アラブ…じゃなかった、高田くん、順位表みたぜ、一位って、すげえよな」
「 ありがと」
「 どこ中、出身?」
「東中」
「 そっか部活は?」
「決めてない」
「 俺陸上なんだけど一緒にやらね?」
「考えてみる」
「今度高田くんち行っていい?」
「構わないけど…」
下心みえみえの急接近作戦に、少々引かれたようだったが、とりあえず俺は約束を取り付けた。
「じゃ、明日一緒に帰ろうや」
「…」
その沈黙はおそらくイエスの意味だった
- Re: オレさま高校ふんとう記 ( No.3 )
- 日時: 2015/11/05 18:06
- 名前: キャッツアイ (ID: Z5cmkimI)
俺はその日陸上の練習をサボり、ぶきみがるアラブ人と無理矢理一緒に下校した。
「どこまで付いて来る気だよ?」
「家まで」
「 嘘だろおい…」
道中、俺はあらかたの説明をした
「 …というわけで、成績良くなりたいんだ!!俺に、勉強教えてくれないか?」
アラブ人は何だか迷惑な顔をした
アラブ人の家はマンションだった。俺は部屋までついていった。
まさかまさかのワンルームだ。
「 なあ。高田君もしかして独り暮らし?」
「そうだよ驚いた?」
「驚いたさ、親はいないの?死んだのか?」
「まさか」
アラブ人は笑って、実家はちゃんとあるよと言った。
「ただ此処からは遠いんだ。」
部屋はきちんと整理され、ベッドとパソコンラックとミニテーブルのみのシンプルさだ。
「 一人暮らしは珍しいかな?でも、うちの高校に通いたくてワザワザ引っ越すやつって、俺以外にもたまにいるぜ?」
「そうなんだ…まるで大学生だ」
大人だな。俺は感心した。アラブ人はなれた感じて麦茶をだしてくれた。
「で?お前さ、良い点とりたいんだろ? 点数悪くて落ち込んでんだ?」
アラブ人は俺の弱みを握ってにやにやした。
「数学の教師を見返したいの?」
「そうそう」
俺は、勉強を教わりたいと素直にお願いした。
アラブ人はいやではないようだ。
「櫻井君の目的が、陸部に誘うほうじゃななくてホッとしたよ」
アラブ人は言った。
「なんの目的もなくなん十キロも走らされるんはごめんだからな」
「なんだと?」
「陸上ってただ走るだけだろ?腹が減る分損だ」
「わかってねえな。走ってるときのあの爽快感を」
そういいながらもアラブ人はさっきより楽しそうに喋っていた。リラックスした俺は、部屋をあさりだした。冷蔵庫を見ると、あんまり何も入っていなかった。
「しかし…勉強教わるつもりだったんだけどさ。腹減ったなーーーなんか食っていい??」
「いいよ。なんにもないけどな」
俺は、まず、パンを焼いてマヨネーズを塗った。
そのうえに、玉ねぎの薄切りを3枚のせ、カツオブシをふりかけた。
醤油とニンニクをいれて卵焼きをささっとつくり、それを最後に一番上にのせた
「できた」
冷えた麦茶と一緒に食べた特製トーストはうまかった。
「食う?」
俺はアラブ人にも勧めた。
「 うまい!マジでうまい!おまえすげえな。」
アラブ人はなぜかえらく感動したようだった。
「なあ、俺さあ、ただで勉強教えるからさ、お前料理作ってくれん?」
アラブ人がそんな事を言い出した。
「おやすいごよう」
交渉は成立した。
俺たちはその日、パンを食いながら宿題を仕上げたのだった
- Re: オレさま高校ふんとう記 ( No.4 )
- 日時: 2015/11/06 16:35
- 名前: キャッツアイ (ID: Z5cmkimI)
俺は、その日から、まず学校へ行き、
陸上部の練習に参加し、その後アラブ人の家により、そして自宅へ帰る、というものすごく大変な生活を始めた。
もちろん、そんなハードスケジュールがこなせるわけもなく、俺は3日で辛くなった。
「ね、ねむい・・・」
しかし、陸上部をやめる事はいやだった。部活も辞めないで、圧倒的に時間がないのだから、何処かを削らなければならない。
そう思った俺は、高田家に寝泊まりすることに勝手に決めた。
ハブラシと少しの着替えとを持ちこんだ合宿に来たような俺を見てアラブ人はわめいた。
「おまえ、ほんき??俺んち狭いのに」
俺は手土産の、ほんものの黒毛和牛やきにくをアラブ人の口に突っ込んだ。
アラブ人はあまりのうまさに感動して、なにも反対しなくなった。
その日の宿題と予習を終えて、俺は本気で疲れていた。
しかし、疲れ過ぎてピークを越えてしまった俺は、何故か神経が高ぶって眠れなかった。
なれない人の家という環境のせいもあったかもしれない。
「なあ、アラブ人、死ぬほど疲れてるのに眠れない事ってあるか?」
「ない」
「物凄くつらいんだぜ?」
「俺はそんな事はない」
まったく冷たい奴だった。アラブ人は、なにかのCDを持ちだした。
「眠れんときに、俺のとっておきの睡眠法をおしえてやるよ、まあ横になれ」
アラブ人はそういって、俺をベッドに転がした。
「なんだ、なんだ」
彼はCDコンポを持ってきて、古いタイプのCDのスイッチを入れた。
「シャーロックホームズ。緋色の冒険・・・・・。」
「なんだこれ?」
CDからは、ダンディな男性の声でホームズの物語の朗読が始まった。
古いなー、探偵小説か—渋いなー。そう思いながら俺は静かに聞いていた。
ワトソンが事件を持ってきて、ホームズが調査に出かけたあたりのシーンで、俺はうとうとしはじめ、気持ちよく眠ってしまった。
次の日の朝
「おい、櫻井!いい加減おきろや…」
「ぷ……ぷはあ!苦し!!」
俺は口と鼻を同時に塞がれて息が出来なくて飛び起きた
「苦しい!」
「あ、やっと起きた」
目の前にアラブがいた
「寝坊しすぎ、遅刻だよ」
俺は寝ぼけていて状況がいまいちわからなかった。
奴が俺を起こしたのか?
「 今何時?」
焦って時計をみるともう授業の始まる時間を過ぎている
「嘘だろ、なんでもっと早くに起こしてくれないんだ?」
「起こしたさ」
アラブ人は言った。
「あんなことやこんなことしてもお前起きないからさ」
「どんなこと?」
「 耳元に目覚まし鳴らすとか頬をバチバチ叩くとか、からたをゆさぶるとか」
言われてみれば顔がいたい…
「だからて死ぬかと思た」
「うん、俺もお前が永久に眠るかと 」
アラブはすでに制服だった。おれはまだジャージだ。
「着替えろよ、学校いくぞ」
アラブ人はコーンフレークにどばどはミルクをかけぞぞ〜とかきこんだ
「 俺の分は?」
「ない」
即答だ。
「 コンビニでかえよ、時間ない。 寝坊したお前がわるい」
「くそー」
急いで俺は学ランに着替えた
にげんから揃って登校した俺たちのことなど、クラスメイトは気にもし
なかった。
ただ同じ陸部の夏目爽だけがきついたみたいだ、
「あれ、お前ら2人揃って遅刻に登校??」
「うん、昨日実は止まったんだよ」
俺は事情説明した。
「 へー仲良かったんだ知らなかった」
「 いや、仲良くない」
、アラブが間髪いれず否定しやがる。こいつ、ほんとに可愛くねえな。俺はひそかにそう思う。
- Re: オレさま高校ふんとう記 ( No.5 )
- 日時: 2015/11/07 15:07
- 名前: キャッツアイ (ID: Z5cmkimI)
なんか楽しそう俺もまぜてよ]
爽のやつが、ついてきたいと言い出した。
「え、ただでさえ狭いワンルームなんだけど」
アラブ人は渋っていた。
「お願い夕飯作るから」
俺のその一言で、アラブはあっさり承諾した。
俺たちはその日も一緒に宿題をやった。
「すごい集中力だな」
爽が感心したが、アラブ人が厳しい
「あたりまえ。だってまだ5日目だろ。」
「この問題わかる?」
爽は余裕でやっていた。
「当然」
とアラブ人。
「くそいやみだなーさっぱり分からん」
俺は一人取り残された気分だ。
「いーからごちゃごちゃいわずに暗記しろ」
「無理」
「なあお前のこと陸上の女子の澤山がタイプて言ってた」
爽が関係ない話を始めた。
「うそ。まじかよめちゃ可愛い子だろ?」
俺は最高にうれしくなった。
「付き合えるかも最高テスト満点とったらこくりなよ」
「なんだかやる気わいてきたー」
「簡単な奴だな」
とアラブ人
- Re: オレさま高校ふんとう記 ( No.6 )
- 日時: 2015/11/14 01:50
- 名前: キャッツアイ (ID: BoGAe/sR)
ぐるぐるぐる、と爽太の腹が鳴った。
育ち盛りの高校生は、3時間に一度は腹が減るのだ。
俺は勉強を中断し、今夜の晩飯を作ることにした。
「なにそれ超うまそー」
キッチンにアラブ人と爽太がやってきた。
「カレーだよ。だけど 肉とルウにこだわってみた」
俺様特製カレーには、市販のルーを4種類ブレンドしたうえ、
さらにクミンとターメリックとミックススパイスを加えてあった。
肉はアラブ人の金を使って、一番高いのを買ってやった。
鍋の中には、玉ねぎを丸丸3個いれていたが
細かく刻んで煮込んだために、ルウに溶けて見えなくなっていた。
玉ねぎとは逆にごろごろ大きめに切ったニンジンとじゃがいもは、
中まで火が通ってホクホクに出来上がっている。
肉だけでなく、野菜からも、カレーのうまみを引き立てるコクが沢山溶け出ていた。
50種類以上のスパイスによる、食欲を刺激する香りが、
部屋中にひろがるだけでは飽き足らず、換気扇をとおって外へももれだした。
「お前、料理の才能あるなー」
アラブ人はルウを味見して唸った。
「めちゃくちゃうめえ」
アラブ人の顔を見ればカレーの出来栄えが十分わかった。
俺はそれだけで満足だった。
「よし、完成」
「いや、ちょっとまて」
俺が、皿にご飯を盛りつけようとすると、アラブ人はその手を制した。
「盛りつけるのは、2つで良いから。」
「は?なに、どういう事?」
中途半端に手を止めたので、俺のしゃもじからご飯のかたまりがポタッとこぼれた。
「だから、俺と爽太の分のカレーだけで良いんだよ。」
なんだ、どういうことだ、新手のいやがらせか?だって、このカレーは俺が作ったんだぜ?
突然のことに俺が混乱していると、アラブ人は続けていった。
「櫻井、おまえ本気で成績上げたいんだろ?
いまのままじゃ完全に無理だ。だからこれからペナルティを与える。
問題集11番の、問の1から5ができるまで、お前のカレーはおあずけだ。」
なんだと!そんなルール、きいてない!顔いろをかえて俺が反論する隙もなく、
「おー良いアイディアだねー」と爽太が割り込んできてカレー皿を一枚隠しやがった。
俺はその新たなルールに従わざるを得なくなってしまった。
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「あーこれうまい。まじでうまいわー」
爽太はそういって三杯目のお代りをした。
必死で数式をノートに書きながら、俺はあわてて爽太を止める。
「お代り禁止!だめ!それ以上食べるな!俺の分がなくなる!」
俺はその日、たらふく食べる二人の前で、
スパイスの香りをかがせられ生殺し状態にされながら、
空腹のまま地道な問題集と1時間ずっと格闘するはめになったのだった。
「問いの1から3に答えよ。」という問題文の接続詞「から」の文字までが、「かれー」に見えてきた。
ルートの記号はスプーンのマークに見えた。
ルート16分のルート5ぷらすルート29イコール、、、、
たくさんのスプーンが並んで、ノートの上でカレーはまだかまだかと踊っている。
腹が減った、今すぐ食べたい!
それしか考えられなくなってペンの止まってしまった俺に、アラブ人からのカツが入った。
アラブ人は丸めたノートで俺の後頭部をひっぱたき、
「終わらないなら俺はもう一杯お替りするからな!それでもいいのか?」
と言い放った。
「くそうー。」
俺は奴のいうとおりにするしかなかった。
アラブ人に家庭教師を頼んだことを俺は早くも後悔しだした。
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