コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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感情屋
日時: 2015/11/08 13:40
名前: *゜○チェリー○ ゜* (ID: tVX4r/4g)



森の奥にある—感情屋。

そんな不思議なお店に今日もお客さんが迷いこんできました。

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ようこそ ( No.1 )
日時: 2015/11/08 13:46
名前: *゜○チェリー○ ゜* (ID: tVX4r/4g)



カラン、コロン。

心地よい春の香りがドアの間から鼻をかすめる。
それと同時にカランコロンと鐘の音をたて、ドアが小さく開く。

『あら。久しぶりのお客さんじゃない。』

飲みかけのレモンティーが入ったカップをユックリと置き、イスから立ち上がる。

『いらっしゃい。どうぞ入って。』

戸惑うお客さんの手をひきながら、私:《栗雪 柚(くりゆき ゆず)》はニッコリと笑うのだった。

ココアの香り ( No.2 )
日時: 2015/11/08 22:02
名前: *゜○チェリー○ ゜* (ID: te9LMWl4)


『ねぇ!何ティーがいいかしら?
レモンティーとココアとジャスミンティーがおすすめよ。』

戸棚をガラッと開けてお客さんに笑顔で質問する。

『え、えと、ココアで!あ、あのぉ…どこにいれば…?』

『そこのテーブルの所へどうぞ…ってあら!
イスが1つしかないわね、もうやになっちゃう!』

ブツブツと言いながらパチンと指を鳴らす。
するとバフンっと煙がたち、そこからイスが現れた。

『わぁっ…!すごい!』

お客さんは目を輝かせ、『じゃあ』とイスに座る。

『そうかしら…久しぶりだから綺麗にはできなかったけど。』

ココアの元を取り出し、カップにそそぐ。
甘い香りが春の香りをかき消し、部屋全体を甘くさせる。

『どうぞ。』

私も向かいのイスに座り、ココアを差し出す。

『あ、ありがとうございます!…あのぉ、どうやってやったんですか?』

『魔法よ。』

レモンティーをそそぎながら静かに言う。

『!?』

『冗談よっ、今は知らないままがいいわ。』

うふふを笑みを浮かべながら私が言うと、お客さんは『なんだぁびっくりしたんですよぉ』と肩を落としホッとした表情を見せる。

『そろそろ本題に入りましょう。』 

静かにとげた私の言葉にまたココアの香りが重なった。








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