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宇宙のうみの眠り姫
日時: 2015/11/14 19:05
名前: くらげ (ID: BoGAe/sR)

午前4時。まだ誰も起きていない時間に僕が目を覚ますと、

その女の人は窓からいきなり部屋へ入ってきた。

「だれ?」

あまりに突然の出来事に、泥棒だと思ったが声が出なかった僕を、

女の人はいきなり立たせて、窓から外に落っことした。

地面にぶつかる直前に、リニアが飛んできて僕をキャッチした。

「どういうこと?」
「説明する暇はないわ」

僕は女の人に誘拐された。

リニアに一緒に乗っていたのはドラゴンに似たロボットで、

だけどしゃべりかたが変だった。

「おっはよーてるる!ちゃんとねむれたあー?シャキン!」

語尾にふざけた顔文字がついているような、女子高生のラインの様な

姿に似合わない喋り方だ。

「ああ、この子はAI.女子高生調の口調がインプットされてるの。

最初はひくけどすぐなれるから。」

全身バイクスーツの女の人は、リニアを乱暴に運転しながら層叫んだ。

「時間がないから、簡単に説明するね。私の名前はシーア—ラ。君には今からうちゅうにいってもらう!」

「何、どこに行くって?」

「宇宙だよ、宇宙。」

ああ、宇宙か。え?宇宙?

「シルバニアファミリーの姫君が、魚にとらわれて眠らされてるの。助け出すには君の力が必要よ」

僕たちはそうやって一時間以上もエアラインをすっ飛ばして何処かへ向かった。

太陽が昇り始め、僕は朝焼けをエアラインの下に見た。真下にある雲は、その光を反射して黄金にきらめいていた。

「もうすぐつくから!」

シーア—ラはそういうと加速した。メーターを見るとすでに時速200キロ。圧力でペチャンコになるかと思った。

僕たちは大きな施設についた。

「ここよ。ロケット発射台。」

ロケット?乗るの?ほんとに宇宙に行く気なの?

シーア—ラは沢山のセキュリティー口をカード一枚でさっさと通り、

僕たちはすぐにロケットの乗り込み口までやってきた。

「まじきンチョ—するー!りんな、ロケット始めて-!」

と、ドラゴンロボットが言った。

「さあのって!」

僕はシーア—ラに背中を押されて乗り込んだ。乗り込むとすぐ、発射カウントダウンが始まった。

5,4,3,2,1 GO−−−


僕は宇宙に飛び出した。

-----

ロケットの窓から外を眺めると、そこには沢山の星雲が流れていた。

死んでしまった星の死体もあった。

海のように魚たちが泳いでいた。魚はカラフルで、赤や黄色や、そのほか言い表せない様な色のものがいた。

「あれは太陽魚、直接見たら目をやられるから、気を付けて。」

シーア—ラはそう言って、自分のと同じサングラスを僕に渡してくれた。

そのメガネを通してみても、太陽魚は強烈で、光が行ったり来たりしているのが見えた。

宇宙サメがロケットを襲いにきた。

ロケットの二倍はあるかという大きさのその宇宙サメは、長い鼻の下の、開けにくそうな口を器用にあけて、
僕たちのロケットを横からかじろうとした、

「ちょっと何かにつかまってて!!」
シーア—ラはそう言って、運転席に座ると乱暴に回転飛行をし始めた。

僕はロケット内のすべての角に体中をぶつけてあざだらけになった。

それでも宇宙サメをかわすと、サメは悔しそうにして代わりに太陽魚にかみつき、

そのかみついた部分から光の粒子がサメに流れ込んで暴れたために、あっけなく死んでしまった。

「もうすぐつくよーん。ワット君、準備はいいー?」

ふざけた口調でAIドラゴンが言った。

「みてちょーあの星だよ。ツタが絡まってるあの星!」

僕が見ると、緑の生物が複雑にその枝を絡み合わせて、全体を覆ってしまった星が見えてきた。

「え?あの星に着陸するの?」
「そうだよーん。あのなかに、おひめさまがねむってるの」

AIはそう言って、いきなりロケットのハッチをでていった。

「シーア—ラ?ドラゴンがいっちゃったよ?」

僕があせっていると、シーア—ラは

「だいじょうぶ、まあみてな。」
と言ってくれた。

ロケットの外に出たドラゴンは、緑の星がちかづくと、大きく息を吸い始めた。

そして星が射程距離に入った瞬間に、

お腹の中のガスを存分に利用して、

火を吹き始め、

緑のからみついた草や木やツタを全て焼き払い始めた。

ごおおおおーーー

「いいながめだねえ。ファイヤー!」
シーア—ラが楽しそうに言った。
僕はびっくりしてそれどころじゃなかった。

ロケットは力ずくで緑の星に到着した。

草と樹とツタの中からは、小さなガラスのお城が出てきて、

その目の前にロケットがとまった。

「さあ、いくよ」

シーア—ラが言って、僕の手を引っ張った。

ガラスの城にはいると、階段の奥の部屋に

一人の金色の髪のお姫様が眠っていた。

僕と同じ年ごろか。

「さあ、王子様、姫にキスを。」

僕はもう、何が何だか分からなくて、言われるがままにキスをした。

お姫様がその瞬間、大きな瞳をぱっちり開けた。

「助けに来てくれたのね」

こうして、眠れる星の姫を僕は永遠の眠りから目覚めさせた。

横でドラゴンが嬉しそうに踊っていた。

「任務完了、さあ帰ろう」

シーア—ラは僕とお姫様を引っ張って、ロケットに戻った。

僕たちは手を取り合って、仲良く金星に帰っていった

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