コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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心道。
日時: 2015/11/17 12:12
名前: 宇野沢千尋 (ID: bIwZIXjR)

久しぶりに小説を書きます。

ちょっとした趣味なので
文章はあまり上手ではありません。

この小説を読んで、
嫌な気持ちにさせてしまったらすみません。

主人公と私の名前が同じですが、
私の実体験ではありませんので!!!

主人公の成長を描いたお話です。
温かく見守ってくれたら嬉しいです^^

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Re: 心道。 ( No.2 )
日時: 2015/11/17 12:29
名前: 宇野沢千尋 (ID: bIwZIXjR)

ちなみにいうと、私の元彼。
あれは中学1年の夏休みだったかな。
私は吹奏楽部のホルンで、彼は野球部のピッチャー。
夏の甲子園で野球部の応援に行って、1年だからね、彼はベンチだったの。
特別上手いってわけでもない彼。
私の中では、クラスメートとガツガツ系の男子という印象しかなかったけど、彼にとって私は初恋だったらしい。
人って何だか分からない’イキモノ,だから、彼から、
「俺ってち、ちーの事好きなんだよね」
って言われた時はびっくりしちゃったけど、
ズバッと断る勇気もなく、実は男嫌いな私。怖くて断れなかったんだ。
まぁ、一度そういう経験をしたから、それ以来断れるようになったけど。

彼の名前は、高瀬広樹。いわゆる肉食系男子。
デートに行く時も手をつないで来たり、街中で急に抱きしめてきたり。
私そういうの無理。

ってか、そもそも広樹って何なの!?
私の事好きって言ってくれたじゃん……。
それなのに他の女子にさ、「○○大好きー!」とか、
すっごい女ったらし。

そして趣味が引く…。
オタクアニメの‘リンちゃん,のフィギュアが部屋中に。
前、広樹の家に行ったら彼女の私より‘リンちゃん,優先。
「リンちゃんフィギュア届いたんだー!!」
「一緒に写メ撮って」だよ?何それ?意味不明!!
広樹には毎度うんざりさせられた。
色んな女子のところに行ってさ、ネチネチしてる広樹見てさー
私ももう呆れが入ったわけ。

Re: 心道。 ( No.3 )
日時: 2015/11/18 12:42
名前: 宇野沢千尋 (ID: bIwZIXjR)

そんなある日の放課後、
忘れものに気付いた私は教室に戻ったの。
もう7時近くて辺りは暗かったな。
1年2組のその教室も真っ暗で、教室に入ろうとしたら、話し声…?
この低い声は、聞き覚えのある…広樹だ。
誰かと…女の人と話している。
恐る恐る電気をつけてみたら、そこにいたのは、
広樹と私より少し身長の高い女子。
2人はキスしていた。
…どうして…?
私たち付き合っているんじゃないの…?
「ちーの事好き」…って言ってくれたじゃん。
あれは…嘘だったの…?
私もびっくりしちゃったけど、それは彼らも同じで、
広樹は私に向かって、「ちーちゃん大好きー」って。
ハ!?何それ!?アンタバカ!?
もうさー、頭にきてさー、思いっきりビンタしてやったよ。
彼女の方にもさ、
「こいつ見ての通り女たらしだから、やめといたほうがいいよ」
そう言い捨て、私はその場から去った。
たった1回のビンタじゃ足りないくらい。
もう2発ぐらいやっとけばよかったな、って。

今今後悔している自分がいる。
やっぱり男の人って、人間って分からない。
人に心を開いてみようと思った私がバカだった。

その次の日から、広樹は1週間ほど学校を休んだ。
私に捨てられたのが、よっぽどショックだったのかな。
ショック受けるんだったらさぁ、
最初から2股とか最低な事するなっつー話だよね。
でもでも、そんな広樹に心を開いた私もどうかしていたんだと思う。
それ以来広樹とは一切口を聞いていない。
お互いさけてるって感じかな。
それから、何度か男子から告白されるものの、私は断り続けた。
もう、メンドーな事になるのはごめんだし。

Re: 心道。 ( No.4 )
日時: 2015/11/21 12:13
名前: 宇野沢千尋 (ID: bIwZIXjR)

そもそも、‘恋,というものは、何なんだろうね。
‘love,でしょ?‘like,と違うんでしょ?
私はメロンパンが好き。
外はサックリクッキー生地なのに、中はフワフワのパン。
あれが魅力的。
でもそれは、likeであって、loveではない。

友達とも家族とも上手くいっていなかった私。
ご飯を食べる気力さえなくなって、
どんどんやつれていった。
151㎝という小柄な身長に対して、その頃の体重は38kg。
もうさー、親が心配しちゃってさー。
何せ、大事な一人娘だもんね。
私は大丈夫って言ったんだけど、強制的に入院させられた。

しかもよりによって、精神科。
え、精神科って頭いかれている人がいるところなんじゃないの?
私の友達もさ、よくバカなことをすると、
「お前精神科行って来い」って言うの。
まさか、私がこんなところに来るとはね。

思っていた通り、頭がいかれている人がたくさんいた。
自分の名前を叫んでいる人。
ベッドに鎖で繋がれて、拘束されている人。
廊下をうろうろしている人。
病室でひたすら泣き続ける人。

私がお世話になる病室は4人部屋で、
老婆のようにガリガリに痩せた40代のおばさん。
「助けてくれ、助けてくれ」と叫ぶ白髪のおばあさん。
もう一人は私より少しお姉さんなんだけど、
この人がすごいやんでいて、ストレスで髪の毛を抜くものだから、
お部屋中髪の毛が散乱している。
だから若いのに薄毛で…
毎日泣いて看護師さんを困らせてる。

どうにもやっていけないこのお部屋。
40代のおばさんは潔癖なものだから、
しょっちゅう床にしゃがんでは、髪の毛を拾っている。
おばあさんの助けを求める声は止まないし、
お姉さんの泣き声は、毎晩遅くまで続く。
お陰でストレスがたまる一方よ。
私の病名、‘栄養失調,も悪くなるばかり。
私、こんなところにいるべき人間じゃないよね?場違いじゃね?

Re: 心道。 ( No.5 )
日時: 2015/11/22 11:51
名前: 宇野沢千尋 (ID: bIwZIXjR)

毎日クタクタの生活をしていて、
私の身体にも限界がきたある日、
私は廊下にある、たった一つの窓から外を眺めていた。
そう、あの人と初めて会ったあの日の空は、
青くって、私の大好きなメロンパンのような雲が、
ゆっくりと動いていたのを覚えている。
「久しぶりにメロンパンが食べたい」
そう呟いたときだった。
「メロンパン好きなの?」
それが、彼の初めて聞いた声。
爽やかで落ち着いた声、スラリとしたスタイルに、サラサラの髪の毛。
ついつい見とれてしまうほどだった。
「宇野沢…千尋さん、ですよね?」って。何で私の名前知ってるの!?
どうやら彼は隣のお部屋の方で、
看護師さんから名前を呼ばれているのを耳にして、
私の名前を知ったのだそう。

彼の名前は、‘若月光,
第一印象は、爽やかな青年。
彼は、頻繁に起こるか呼吸で入院しているらしい。
私はこの精神科でも、人とは関らないつもりだったけど、
彼の不思議な魅力に惹かれ、日々会話するようになった。

19歳だという事を教えたら驚き「19歳には見えないね」って言われた。
対して彼はというと、1つ上の20歳。
正直、もっとお兄さんなのかと思った。
「‘若月,なのに大人っぽく見えるね」
光君は長身だから、23歳くらいかなって思っていた。

歳も近いという事で、
高校の時の話や携帯の話、
偶然にも彼も吹奏楽部でフルートを吹いていたらしい。
「今度退院したら、千尋のホルンと光君のフルートでデュエットしよう」そう約束するほど仲良くなった。

Re: 心道。 ( No.6 )
日時: 2015/11/22 12:01
名前: 宇野沢千尋 (ID: bIwZIXjR)

‘若月光くん,不思議な男性。
私が今までに出会ってきた男子とは、全然違う。
とっても優しくて、悩み事があったら、
一緒になって一生懸命に考えてくれる。
私は…そんな彼に…少しずつ、少しずつ、気になっていって…

光くんと話しているときは、とても幸せだった。
そして次第に、自分の気持ちに変化が出てきた。
光くんと話していると、胸がキューっとなる。心臓がドキドキする。
今までにない、この感覚…これが恋というものなのかな…?
それって、好きっていう事…?
私がメロンパンを好きというのとも違う。
これはlikeじゃなくてloveなのか…
これが恋愛というものなのか…!?

ある日、同じ部屋のお姉さんの泣き声に悩まされていた時、
光くんは私の頭をポンポンと撫でてくれ、
「大丈夫、大丈夫」って励ましてくれた。
その頭ポンポンは…ヤバいってーーー!!!
私は勢いで言ってしまったのだ。

「私、光くんが好き。」

あまりにも突然の告白で、言った側の私も、
言われた側の光くんも困ってしまった。
無言が続く…。気まずい…。
しまった、自分の感情が抑えられなかった。言うんじゃなかった。

自分で自分が分からなくなった時、
沈黙を破ったのは彼の方だった。

「ごめん。」

彼はやっぱり困っていて、
表情が曇っていた。


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