コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 約束の剣〜デスゲーム〜
- 日時: 2015/12/26 21:22
- 名前: アウリン ◆gWIcbWj4io (ID: de3JMXRw)
第零章 プロローグ
———マッドサイエンティスト。
それがどれほど恐ろしい存在なのか、私はまだ知らなかった。
私は勇者と出会う『運命』であり、その中で死ぬ『設定』だった。
私は『いくつもの記憶』を持っている。そして何故か何度も時は戻り、同じ結末を招く。
変えることのできない運命。
それ以外にどんな言葉が当てはまろう?
そう、私は『作られたのだ』。始めは私も生きる事に必死だった。短い命だったから。それでも、運命は変わらなかった。だから、いつしか私は運命と、そう思い、諦めていた。
そしてそこに現れたのが『彼女』。
『彼女』は私が知らない人だった。
つまりそれは、何かが原因で運命の歯車が回り始め、自分の将来への道が開かれたのかもしれないという事。
私は希望を持った。そして、生きる事を感じた。生きているとそう思う事が出来た。
私のもとにやってくる勇者様達は少し特殊だ。
馬鹿も子供っぽい子も、男も女も、私のもとにやってきた。しかし、その容姿は全て似たり寄ったりで数パターンしかなかった。でも、『彼女』は今までの誰とも違う、お茶目な美少女だった。
「また、生きられる」
私はいつか死ぬのかもしれない。また、今までと同じように。
けれど、生きたい。今の私には護りたいものがある。
だから私は笑う。
———たった一人、主と決めた人のために———
☆目次☆
第一章 イベント1は奇跡? >>3 >>4 >>5 >>6
第二章 眠りの森の美女 >>7 >>8 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14
第三章 古代竜 >>15 >>16 >>19 >>20 >>21
第四章 増えた仲間 >>22 >>23
第五章 トランプの里 >>24 >>25
・キャラクター選挙☆ >>18
・物語設定 >>26 >>27 >>28
- Re: 約束の剣〜デスゲーム〜 ( No.10 )
- 日時: 2015/11/23 22:42
- 名前: アウリン ◆gWIcbWj4io (ID: L3qeerbj)
わーい!お友達ー!!
……ゲフン、ゲフン。あー、あー。……よし。
夏目さん、ぜひお願いします!!お友達ほしいです!
あ、あとスレが云々の話はありがとうございました。初心者ですので助かります♪
普通に話す時もここがいいですかね?
何度か「○○&☆☆専用」とかいうスレも見ました。友達専用とか、そんな風にするのもいいかもな〜……と、こ、これは勝手な妄想ですからっ////
えっと、よろしくお願いします。
よろしくね!
……ついでに小説も更新します……
———
第二章 眠りの森の美女
〜3〜
「あのー」
「———?なんですか?」
「酷く慌ただしいようですが、一体何があったんですか?」
私は声を落として近くに居た若い男性に問う。私は実際よりも2歳程年をとった姿だ、よって、若いのはこのアバターだけの可能性がある。
彼のレベルは9で、私は先ほどの戦闘でレベルがまた上がったからレベル11と二つ違い。背中には大きなバスターソードを抱えている。
「おや、ご存じないですか」
男性は南門のあった方向を見る。
「今、魔術師のプレイヤーが結界を展開しています。大勢のモンスター がこちらに向かって来ているそうなんです。このゲームはデスゲーム なので、誰も戦闘に出ようとはしないんですが、このままだといずれ 結界にモンスターが攻撃し始め、結界は壊れるでしょう。そうすれば ここにいる人たちは皆殺しです。当然、武器屋なども使えなくなるで しょう」
ありゃ、そりゃあ困った。
って、これは私も援護に行った方がいいのだろうか。魔術師だし、結界スキルはあったはず。
私が考えていると、男性はまた話し始めた。
「魔術師はソロには向きませんし、このゲームでは地雷職。なので、使 い手が少ない。結界はすぐに突破されるでしょう」
うわ、地雷職って言われた。
スキル屋のお姉さんも言ってたけど、本当に珍しいんだね……。
「私はあちらに加勢します。あなたはどうなさいますか?」
「そうですね……参加はしたいところですが……」
一応他の三人にも確認しておこう。
私とPTを組んでいるのなら、私の戦いに巻き込まれるかもしれない。
いまだに私はこの辺の事がよくわからない。
説明にはこんなこと書いてなかったし、あの三人いわく、大体こう言うのはオンラインや通信系のゲームしかないらしいから私にはまったく分からない。オンラインやらなんやらはした事がない。今までしてきたゲームは全部一人でやる渋いものだし。しかもこのゲームはもともと通信系ではない!パッケージ版だ!急に設定が変わったのだ。もはや設定が変わったなんて域を超えてるけど。
『ってことなんだけど』
『PTだからと言って巻き込まれる心配はありません。それに私たちもそ ちらに加勢したいですし』
『え、良いの?』
『もちろん!私たちもこのゲームのプレイヤーだもんねっ!』
「……えーっと、確認も取れたので、いったん南門に行って、私の仲間 を待ちませんか?」
「ああ、助かる」
私が一気にしゃべると男性は驚いた顔をした。
……あれ?私何かおかしな事でもしたかな?
たぶん何もしていないと思う。
しばらく歩くと南門が見えてきた。
「ルーシー!」
ローズが元気よく手を振っていた。
「皆、早いね」
「うん。……その人は?」
かすかに「彼氏?」と聞こえたのは気のせいだ、きっと。そう、なんか最近、ローズの声の幻聴がよく聞こえる。まずい、そろそろ耳が遠くなってきたのか……。
「えっと、この人は……」
私は困ったように男性を見上げる。
名前を聞いていなかった。
私も名乗っていないから、相手も私の名前を知らない。
「シアンだ。よろしく」
「私はローズ!こっちは、マリアとアーナ。一応言っておくと、こっち はルーシーね」
一応言ってくれて、助かりました。
他の皆は私たちがお互いを知っている事前提だろうし、今更名乗るのもなんだか気が引ける。
「よろしくお願いします」
「よろしくです」
「よ、よろしく……」
二人は最後に音符マークでもつきそうな勢いでいう。
最後は私だ。今までよろしくの一言も言っていなかった私を恥じて何が悪い!声が最後の方は相手に聞こえていない可能性も大きいけど、話の流れできっと分かってくれるさ!是非とも分かってくれ!!
「君たちはPT?」
「はい。なかなかバランスがとれているでしょう?」
「ああ。剣士三人に弓士一人。なかなか良い組み合わせだと思うね。魔 術師も欲しいところだけど……」
剣士はマリアとローズ、弓士はアーナだ。
って、私がいない!?というより剣士として数えられてる!?
「えーっと……」
「ふふ、ルーシーは剣士ではなく、魔術師です」
「えっ」
男性は小さく声を上げる。
「この二刀流は彼女の趣味ですね。あ、でも、実際にも使いますよ?言 っておくと強いです」
「へ、へぇ……」
引かれた気がする。どん引きとはいかないけれど、かすかにシアンの顔が引きつった。思わず私は顔をそむける。
「え、えっと、私は皆の準備が整うまで、結界の援護に行ってきま す……!」
シアンの視線が突き刺さった私はその場を逃げた。文字通り逃げた。ローズが「あ、逃げちゃった」と言ったのも聞こえ……いや、あれはいつもの幻聴だ!きっと誰にも気づかれていない、は、ず……。
ちょっと落ち込み気味の私だったが、結界を一生懸命作りだしている女の子を見て、こんなんじゃだめだ、と自分を叱咤。私が加わっても魔術師は5人。ほんっとうに地雷職だったんだね。改めて実感。
「大丈夫?」
結界は思っていた以上に大変な作業らしい。
これまた私には特に大変というわけでは無かったのだが、周りの人は苦戦していた。
そして後で気づいたのだが、私は咏唱が必要ない。確認してみると、<結界>のスペルは恐ろしいほど複雑だった。
マリアたちとのスライムの戦闘の時はおそらく……レベルの違いか。
「お待たせ〜」
「待たせたな」
「ううん。大丈夫」
私は先ほどと何も変わっていない。
他の皆は何やら装備を整えてきたらしい。私はなるべく防御率、回避率が高いなどという基準で選んでいるため、相手によって変える、なんて事はしない。正直言うと、面倒くさい。
そう言えば、シアンがPTに入っている。おそらく臨時だろう。確かにこういう戦いのときは「PT仲間になんとか」という条件の魔法などが掛けやすい。団体用の魔法は大体がPTという文字が入る。
「それじゃあ、行くか」
シアンが言い、私たちは南門を出た。
———
アウリンです。頭の中は友達という文字でいっぱいです!幸せ♪
と、いけませんね、最後くらいは決めないと。(今までも決めてなんていませんが)
お知らせ……というような大層なものではありませんが、近いうちにチートなルーシーが暴走します。
あの子、本当は頭がいい設定———というより、ひらめき度数が高い設定なんです。
リアルでも通っているのは名門校ですし。ただ、使い道を間違えているのと、本人がめんどくさがり屋なのでほとんどそのスイッチが入らない……。
———そのスイッチが入るとき、悪に断罪が下される———
カッコよく言ってみました♪(まだ興奮が冷めていないようです。こんなんじゃ、本文ミスってるかも……)
- Re: 約束の剣〜デスゲーム〜 ( No.11 )
- 日時: 2015/11/23 23:02
- 名前: アウリン ◆gWIcbWj4io (ID: L3qeerbj)
第二章 眠りの森の美女
〜4〜
あの時と同じように、やはりモンスターは見当たらない。
「なんでだろう?」
「う〜ん……」
と、またモンスターに囲まれた。
「あれ、どっかで……」
「これだったんだね……」
モンスターに突っ込んだ形の私たちである。
「とにかく、行こうか」
「だね」
そうして、また戦う。
戦う。
戦う。
…………。
『きりがないですね〜』
再びキレ気味のマリアに苦笑する。
『これはどこかにモンスターの核がいると考えた方がよさそうだ』
『なるほど』
『じゃあ、奥に進むの?』
『そうなりますね』
モンスターの核がいて、そいつを倒さない限りモンスターは生まれ続ける……って事?
そりゃ、きりがないわな。
とすると、そのモンスターの核が消えたら、増えすぎたやつらも消える?
『よし、さっさと倒しに行っちゃいましょう!!』
張り切って私は言う。
と、全員からの返事がなかった。
あら?
あらら?
何かおかしなことしたっけ……?
『えーっと、じゃあ、行くか』
『はいっ!』
またもや張り切って返事をする。
苦笑されたんだけど。
ドウイウコト?
それはさておき、とにかく私たち一行は森の奥に進んでいく。その間、モンスターにはまったく出会わずに。
しばらくすると、全く活気のない町があり、そこで二言三言交わした私たちは、ここはもう滅んだという設定なんだろう、と結論付けた。
悲しい事に、私は何もしゃべっていない。
そして、全員の動きが止まる瞬間がやってきた。
「えっと?」
「えー、これはおとぎ話、ですかね?」
全員が頭に疑問符を浮かべる。その疑問符には羽が———パタパタ、パタパタ———くっついているような気がする。
目の前には痛そうな蔦に絡まれまくった城が一つ。
音は何も聞こえない。
———まるで、そこだけ時間が止まっているかのように。
「入る?」
「それしか方法は無いですよ。私の考えだと、あれが核……おそらく、 この森のボス、そして異常なモンスターの発生を止めることのできる 何か……」
うわー、ってか、じゃあ戦うのは「眠りの森の美女」の美女とか!?
「え、美女と戦うの?」
「馬鹿が。そんなわけないでしょ」
ローズが聞くと、アーナが即答した。
「あの美女が戦えると思う?戦うなら———王子様よ」
「いやいや、魔女って言え、そこは」
シアンが慌てて突っ込む。
マリアはというと、すでに諦めたのか、こちらの様子を傍観している。
私も人の事は言えないが———何しろ馬鹿と言われたローズと同じ事を考えていたのだから———王子様を倒してはいけないと思う。
そんなこんなで一行は城の入り口まで向かった。
「開けるよ?」
アーナが言う。
私や他のメンバーは慎重に頷いた。
———
こんばんは、アウリンです。キリがいいところで切ったら短くなっちゃいました。
さて、いよいよ次回、ルーシー暴走!
ルーシーの暴走は時に残酷です……ww
- Re: 約束の剣〜デスゲーム〜 ( No.12 )
- 日時: 2015/11/24 00:21
- 名前: アウリン ◆gWIcbWj4io (ID: L3qeerbj)
第二章 眠りの森の美女
〜5〜
———ギギィ……
古そうな音を立ててドアが開く。
「じゃあ、行こう」
またもやアーナが言い、全員が頷く。
あたりを警戒しながらゆっくりと進んでいく。
とりあえず入ってから真正面には二階に続くきれいな階段が二つ。若干らせんを描いている。到着するのは二階。どちらを上っても終点は同じ。左右対称。まったくもって飾り。
二階に着くと廊下があり、奥へ続いていたので、そこを通る。
しばらく無言で真っ直ぐ進んでいると、今まで見た中でもより一層立派な両開きのドアが現れた。
「……いよいよだね」
「みなさん、準備はいいですか?」
アーナとマリアが全員の顔を見渡し、確認してから二人でドアを開けた。
「……きれい」
しばらくそこに唖然として立っていた私たちの中の誰かが口にした。
そこにはまさしく「美女」が眠っていた。
これはゲームのエフェクトかなんかかもしれないけど、きらきらしてるのよ、この部屋。
「えーと、シアン?」
「え?」
「ほらほら」
ローズがにこにこしながらシアンを美女の方へ連れて行く。
何事だろう、と私が考えていると、シアンがローズにつきだされ、眠っている「美女」の方へ飛ばされた。
その光景が、「好きな男の子に告白するか迷ってて、影から友達と見守っていたときに友達から突き出され、いきなり男の子に告白する事になっちゃった女の子」———あー、長かった……———と似ていて思った。
ローズ、もしやあんた、シアンを「王子」に仕立て上げる気なんじゃ……?
それに気付いたらしいマリアがローズに歩み寄り、半眼でげんこつをくらわす。
「アホか、このアホが」
なんか、とっても不思議なセリフを聞いたような気がする。
「アホさんって誰?あ、山の名前?アホ山」
ローズが言った。
……。
ボケなのか、地なのか。どの道、リアルに戻ったら精神病院へ直行してくれ。
ローズ、可哀想に……デスゲームになっちゃって頭がおかしくなったのね!
と、私がそんな馬鹿な事を考えていると、下の階からものすごい音がした。
———グオオオォォォォォッッ!!
「なっ!?」
「何!?」
私たちは腰を低くして後ろを振り向き、構える。
「ははは!私はこの城を永遠の眠りに就かせた魔女、そう、悪い魔女 さ!」
グット・タイミング!説明ありがとう!
下の方からくぐもった声が聞こえてきた。
「これはもしや」
ローズがうきうきを抑えずにシアンを見る。その目の活き活きしている事……。
すかさずマリアの鉄拳が下されたのは想像に難くないだろう。
「魔女め、姫はどこだ!」
王子らしき人の声が聞こえた。
残念。プレイヤー参加型イベント「王子様、カモン!」のフラグが消えてしまった。
魔女がそのあと何かを言ったみたいだけど、ドラゴンらしき何かの声によって全く聞こえなかった。
「行こう!」
私は皆を振り向き、先頭を突っ走った。
———
さて、ルーシー暴走しませんでしたね。すみません、そうすると字数が……。字数の調整をいろいろしてたのですが、諦めました。
ルーシー、次回こそ暴走するので!
今ですか?深夜ですよ、それが何か?
暗闇の中、パソコンの画面を見つめております。確実に目が悪くなる……。もう悪いですが。
※よい子の皆さんは真似しないでください。
ちなみに、親には内緒、です♪
ばれないようにキーボードを打つのは大変です。私が使ってるのは古いノートパソコンなので、キーボードがカタカタ言うんです。
まあ、パソコン使えるの!?になるかもしれませんが、これも「※よい子の皆さんは真似しないでください」なので。
さすがに長時間やり続けるのはきついので、これからは小説を「読んで」いきたいと思います。
では、さようなら〜。
- Re: 約束の剣〜デスゲーム〜 ( No.13 )
- 日時: 2015/11/24 22:32
- 名前: アウリン ◆gWIcbWj4io (ID: H/64igmC)
第二章 眠りの森の美女
〜6〜
私は皆を振り向き、先頭を突っ走る。
そして、あの階段のところまで来た。
あ〜れ〜?
なんか王子様、押されてる?
「うわ、負けそー」
私が思わずつぶやくと、皆が頷く。
「思ったんだが……」
「?」
シアンが言い、皆の注目が彼に集まる。
「もしかして、これは俺たちがこの城に入る事によって起こるイベント か何かで、王子を助けておとぎ話の通りに事を進めろ、とか……」
「え、もしそうだとしたら、私たちの存在自体ダメじゃない?」
「うーん……」
確かに、シアンが言った通りの事も考えられる。
しかし、もしそうだとすると、「私たちの存在自体が物語を変えてしまう」のである。
「ま、ごちゃごちゃ考えずにドラゴン倒しちゃおうよ。考えてても切り が無いし」
「そうだね」
「確かに」
「切りがないのは……そうですね」
「じゃあ、私はここから狙うね」
それぞれが返事をする。アーナは弓士……アーチャーだ。そのため、高いところから狙わなければならない。よって今はここが一番攻撃の場所に適しているのだ。
「俺たちは下に降りよう」
「はいっ」
大きい獲物———物理的に———との戦闘は初めてだ。
王子が躓いてよろけ……コホン、王子様がすきを突かれ体勢を崩された。
相手のドラゴンはファイヤードラゴン、真黒で、核は恐らくあの魔女。
ドラゴンが息を吸い込み、再び王子に向かって炎を吹こうとした。
私はその直前に躓いてこけた……オッホン!コホン!えー、まあとにかく、王子の前に回り込み、防壁を気付きあげる。
炎を吹くときはゴーゴー煩いけど、その直後は静かになるんだよね。
そのため私は特に声を張り上げるわけでもなく、普通の声の大きさでしゃべった。
「おやめなさい。これ以上悪事を働いてはいけません」
「は?何を言っておる?お主などに我は止められぬ!そなたは我の敵で もないわ!」
なんか和風?洋風なのを期待していたんだけど。
「我が下部となれ!」
ねえ、おかしくない?
弱いんだったら下部にしても意味無いと思うんだけど。
「あなたはそれで良いのですか?……あなたにも、まだチャンスはある はずです」
おお、我ながら、かっこいい!
やってみたかったんだ。ほら、ピンチに陥ったところに現れた、謎の冷静沈着な少女。出来れば「美」少女にしたいのだが、私ではそれは叶わない。そしてコツは、ミステリアスで、声はおとなしく抑えて……。そしてその少女は例え相手がだれであろうとも、救いの手を差し伸べる……!
「はん!消え失せろ!!」
私の「正義の味方」を演出するための一人芝居はその一言によって終わり———これもちゃんと考えてやったんだよ!こうすれば、なんとなく物語っぽくなるでしょ!?……かなり身勝手なところがあるのは否定はしないけど———全員が武器を構えた。
『アーナは直に魔女を狙って。他は魔女の動きをなるべく固定、できれ ばアーナの存在を気付かせないで!マリア、この作戦で良い?』
『もちろんです!さすがルーシー!』
『了解した。お前は自由に攻撃してくれ!』
「お前」じゃあ誰か分かんないじゃない。まあ、私を見てたから私だとは思うけど。
わざわざ自由に攻撃、というからには「ポジションを」自由にしてくれ、という事か。
私は前衛と後衛、両方をこなせる珍しいタイプだ。そして、今までソロでやっていたから、「全てをひとりで」やれる。
『……了解!』
ちょっと調子に乗りすぎたかなあ、などと考えていた私は、快くこの案が受け入れられた事に安堵する。
私はとりあえず、王子に話しかけた。
「大丈夫ですか」
「え、あ、ああ……」
「仲間がいますから、ご安心ください。あなたの安全は確保します」
今更言うのもなんだが、この王子はなんていうか……ドジ?
今立ち上がろうとして、顔面からずっこけた。大丈夫〜?
もちろん心の中だけですとも。顔には出さない。心の中では何を思っても無実だ!例え、「こいつって馬鹿?ドジすぎだろ」とか思っても!
だってだって、あんなおっきい奴に装備が紙みたいなのに一人で挑んで、作戦も正面から斬りかかるっていう……勝ち目はゼロ。勝てたら超人。
———ヘラクレス(英雄)?
———いや、それ以上。
馬鹿って言っても良いよね?
もう一言余計に言うと、弱い。
「……もうそろそろ終わらせようか」
私は剣ではなく杖を手に持ち、頭上に掲げる。
杖は魔術師である私が本来持っているはずの武器だ。基本は魔法の発動体である。私は何故か必要ないが。
おそらく、このゲーム音痴が幸いしているのだと思う。私が読んでいる本とかでは、杖を発動体とするものも多いが、それ以上に自らの魔力を練り、それを自分の掌とか、体のどこかから魔法という「形」にするものが多かった。そのため、私は「イメージのみ」で魔法を発動させる。つまり、「杖というイメージする能力を補助するための道具」はいらないのだ———と、勝手に考えている。
思い込み最高!思い込み様様である。
杖を普段持たない私が杖を持っているので、他のメンバーはどんな大技を繰り出すのか、見守っている。
……カッコよく見せたいだけだから、気にしないでね?
何故か魔女までもが私を驚愕の表情で見ている……いや、「私の杖」を。
この杖、普通にアイテムとして入ってたよ?モンスター討伐クエスト報酬として。珍しいもんでも何でもないと思うけど。
カッコよく見せるための作戦、その二。魔法陣!
魔法陣、バンザーイ!
普通、魔法を起こすのには魔法陣は必要ない。必要なのは転移の時だけ。
……もう分かったかな?
転移するときに魔法陣が必要。つまり、転移するときには例外として魔法陣が現れる。
……じゃあ、転移させれば魔法陣出るの?
そう言う事。
もうすでに実験済みである。
まだ皆と出会う前、ソロの時に遊び半分で。今も遊び半分……いや、遊びほとんどでやろうとしてますけど。
待て待て、お前は何を転移させるつもりだ?
よくぞ聞いてくれたぞよ!
転移させるのはもちろんでっかいモンスター……ではなく。
———空気♪
空気を召喚しますっ!
私の目論見を最後まで話そう。
まず、杖を掲げる。
その次、私を中心に魔法陣が出現。(下に巨大なのが一つ。サイドに三個。計四つ)
最後、戦いにおいて一番重要な攻撃。台風を起こす予定。
最後の台風にもちょっとしたお遊びを入れるつもりである。
(空気、召喚)
これは召喚スキルね。
魔法陣が四つ出現!順調!
さあさあ、皆の者、ご覧あれ!驚いて固まってるその場一同よ!
「大いなる神に導かれし者、ここにあり。今、風の神よ、我に祝福を! 禁じられた力を解放せよ!!」
表向き、顔は穏やかに笑っていて。心の中では、やった、成功!と大笑い。
得体のしれない圧倒的な力を持つ者には、恐怖倍増!
しかも、私の仲間であるはずの子達の反応も含めて、これが笑いごとではない事は分かるのだよ。
まあ、表向きは遊びではなく、「合図」にしておこう。私は広域魔法をほとんど使わないからね。
それと、魔女さんごめん。遊び過ぎたかも。顔が青いよ、いや、白いよ。
———グガアアァァァァァァ!!
とうとう、ドラゴンと魔女は光の粒子となって消え去ったのだった。
———
こんばんは、アウリンです。リアルでひと段落したので、一話投稿しました。
雑談をすると、今日は学校の方で合唱祭がありまして、私のクラスが見事、優勝しました!
実はクラスは変わりますが、去年も優勝したんです。二連続ですよ!
「目指せ、三連続優勝っっ!!」
これ(↑)が今の私の意気込みです。いつ萎むかはわかりませんけどね!
- Re: 約束の剣〜デスゲーム〜 ( No.14 )
- 日時: 2015/11/25 00:34
- 名前: アウリン ◆gWIcbWj4io (ID: H/64igmC)
第二章 眠りの森の美女
〜7〜
〜情報収集用のスレ・2〜
シシル:急にモンスターが消えた
誰か理由を知らないか?
名無しさん:モンスターが?
ローズ:あー、それなら私たちのおかげだよ!
シシル:本当に?
マリア:すみませんこいつは関係ありません失礼します
ローズ:舞って待って待ってよ!
アーナ:漢字変換ミス
注意するように
ローズ:あ・・・
シシル:あー・・・説明してもらえないだろうか?
名無しさん:私もモンスターの異常発生がなぜ急に止まったのか、気になります
シアン:それはルーシーだな
あいつの広域魔法一発で決まった
アーナ:私たちの攻撃は全く効かなかったのに、何で?
マリア:レベルの違いですかね
私たちと彼女では、かなり実力に差があります
シアン:無意識に広域魔法は使えないと思っていたのだが・・・
アーナ:割と普通・・・いや、それ以上だったね
私たちよりもはるかに優れた発想力と創造力、あれには驚いたわ・・・
シシル:そこまですごいのか?
ローズ:ルーシーはこのゲームでの最強プレイヤーだよ!絶対!見た目的にも!
名無しさん:そう言えば、ルーシーって、あの子?
シシル:二刀流の魔術師だったか・・・
くえくえ:mjd!?
ルーシー!?是非そいつの居場所を教えてくれ!!
名無しさん:危ないから教えない方がいいと思うw
シシル:同感だww
———
アウリンです、戻ってきました☆
今回は章の最後には必ずある掲示板でした。特に意味のない会話になることが多いので、やはり何かストーリーに必要なものを投入したいところですね……。
次章は短めです。実は、後にも新キャラ登場しますが、そんなことを言っていたら一向に進まない気が……。
なので、今出ているメンバーで、もう選挙したいと思います!
・本編メンバー
ルーシー
マリア
アーナ
ローズ
シアン
・チャットメンバー
くえくえ
名無しさん
シシル
この中から誰か一人を選んでください。
何か要望があれば言ってください、お願いします♪
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