コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 雨漏り傘。【短編集 完結】
- 日時: 2016/07/25 14:06
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)
———虹色の世界、キラキラ輝いて。
△▼△▼
* 小説開始日・終了日
2015.12月13日(日)〜2016.7月24日(日)
* 目次
「幸福に潜む不幸。」
(君は習慣、僕は願い)>>2
「桜色の傘の下。」
(私は君の後ろ姿しか知らない)>>3
「涙雨はやむことがない」
(君の声は世界を照らして)>>6
「砂利道歩けば音が鳴る」
(足跡辿って、歴史作って)>>7
「らぶorらいく」>>8 >>9 >>10
(あの、さっきコーヒー出しましたよ)
「一日一歩前進せよ」
(カメラの中に笑顔があった)>>11
「夏の向こう側」
(雨が降らなきゃ虹は出ぬ)>>12 >>13
* 注意点
1、更新不定期
2、コメント大歓迎。荒らし又はナリは禁止。
3、パクリ厳禁
△▼△▼
- Re: 雨漏り傘。【短編集】 ( No.9 )
- 日時: 2016/03/01 17:58
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)
「らぶorらいく 2/3」.あの、さっきコーヒー出しましたよ.
私の勤めている会社は、自慢ではないけど結構名の売れてる大きな会社だ。
だから部長用の部屋もある。まあ、社長があまりに優しすぎるというのも理由の1つだが。
それに、部長室は同じ空間の一番奥にあり、ガラスで仕切りを作っているだけ。
私は腕にその“ブツ”を抱え、空いている手でノックした。
そして一息吐くくらいの間で、イケボな返事が中から聞こえた。
「———どうぞ」
失礼します、そう言ってから遠慮なくドアを開け入る。
中でコーヒー片手にパソコンに顔を向けている、部長が顔を上げた。
顔を上げた瞬間、部長と目が合う。
(いけめん……かっこよすぎる……モデルさんみたい)
チョコレート色を程よく伸ばした髪、大きくて切れ長の瞳。
鼻筋が通っていて、笑った顔は超・可愛い、とOLの間で噂されている。
これでたったの5歳差だ。頭の中はどうなっているんだろう!
「如月さん? どうしました?」
きょとん、としてる顔もまた可愛い!
私の顔は今、きっと赤くなっていることだろう。
そして喋れなくなるのだ、私はイケメンを前にすると駄目になる。
「いえ、なんでも……これ、お願いします」
「……ああ。徹夜してよく頑張りましたね。
でもこれ、そんな急いでやらなくていい良い案件だったんですが」
「えっ。じゃあ何、先輩嘘吐いた……!? うわ許せない!」
その言葉で、何故か急にめまぐるしい力が働く。
怒り、というパワーは本当に凄い。こんなにも元気にさせる。
部長は私に笑いかけ、そしてこういった。
「これ、もう一度やり直し。それと、コーヒーお願い」
× ×
長くなった……!
読みにくくて申し訳ありません。
頑張って読んで頂けると、嬉しいです。
- Re: 雨漏り傘。【短編集】 ( No.10 )
- 日時: 2016/03/16 19:58
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)
「らぶоrらいく 3/3」.あの、さっきコーヒー出しましたよ.
「え、なんで!?」
部長の口から出た言葉は、衝撃も衝撃であった。
確かに私は新人だが、そんな悪くない出来のはずなのに。
なぜかよろめき足が崩れかけたが、踏ん張り両腕でバランスをとる。
やり直し……その言葉に、私の寝不足が増す気がした。
部長は、浮かべた笑みを崩さす補足として説明をくれた。
「質問にお答えすると、ただ一つ。
———如月さん、字が汚いうえに涎が書類についてますよ」
×
「ふ、ふはははは! 如月おまえ……っよだ、ははははは!」
「笑いすぎですよ先輩……私の身にもなってくださいよお……」
「お前の身って……俺は部長に同情するけどな。
誰が好きで、お前の涎のついた書類見たいんだよはははっ」
机に伏せる私に、先輩は横目でその姿を見ながら失礼極まりないことを言った。
ちゃっかり出た涙を指で拭き取りながら、大きな手の平で頭をポンポンと叩く。
きっと、イケメンな男の人がやるなら胸がときめくのだろう、この動作も。
取り敢えずコーヒー出せ、そう先輩に言われ、私はショック半ばで立ち上がった。
×
なんだか、ここに来るのも嫌になってきてしまった。
そう、部長室。———やる気のない右手を持ち上げ、2回軽くノックする。
3秒間ほど間が空き、中から変わりのないイケボな甘いボイスの返事が聞こえた。
「失礼します———コーヒーお持ちしましひゃっ!」
最後まで言葉が続かなかった。
ドアを開けるとそこには部長の姿があり。
ドアが閉まると同時に降り注ぐ、柔らかい“何か”。
理解するのに数秒を有した。そして気づく。———キスをしているのだと。
「如月さん……またあとで、コーヒーを持ってきてください」
耳にそうささやかれ、思考が停止する。
この世の女性だって、この状況下に置かれると頷く他あるまい。
部長の腕の中に収まる私は、今日、幾度も部長室を訪れることとなった。
× ×
あー長い(笑)
3話に分けたものの、終わりが難しかったです……((+_+))
コーヒー一体、どうなったんでしょう(笑)
- Re: 雨漏り傘。【短編集】 ( No.11 )
- 日時: 2016/04/24 17:35
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)
「一日一歩前進せよ」.カメラの中には笑顔があった.
春の暖かな陽気に身を包まれ、僕は玄関の扉を開けた。
上を見上げれば、真っ青な青空が僕を見下ろす。
空気を思いっきり吸い込み、「行くぞ!」と気合の声を出した。
3段ほどの階段をリズムよく降り、思い切り道に出る。
(よし、この調子だ)
意外と心が怯むことなく出られ、なんだか拍子抜けするが。
地面を靴で蹴り進みながら、青空の下を僕は走り抜けた。
×
(あ……どうしよういざ入るとなるとめっちゃ怖い)
目の前にそびえ立つ学校が、僕にはものすごく大きく見えた。
いや、大きいのだが。そりゃ大きいに決まっているけども。
僕をすれ違う人が、学校が、僕の方を見て笑っている気がするのだ。
妄想もここまでくると笑ってしまう。そう、所詮僕の妄想なのだ。
——じゃあ、なんで校門をくぐれない?
手汗が出てくる。一歩、足を動かせないことが勇気のなさを表していた。
高校2年から着ていなかった制服に、なんか違和感を感じる。すると、
「あれっ、満也(maya)? うわ満也じゃんモノホンだあ!」
「今どきモノホンなんて言わないだろ……。久しぶり」
「そういう涼(ryou)は、昭和歌謡曲好きだよね。お久、満也」
後ろから聞こえる声に、なぜか心をくすぐるような懐かしさがこみ上げた。
お笑いを見ているような、言葉がポンポンと飛ぶ声が聞こえて。
後ろを振り向けば、そこには——
「……っ!」
——僕が、この世界で一番大好きな彼らが変わらず立っていたんだ。
同時に、僕が避け続けていた彼らが。僕を心配し続けていてくれた彼らが。
……神様、もし1つだけ願いをかなえてくれるなら。
(一日一歩でもいい。前に進む力を与えてください——)
× ×
久しぶりの更新です。一か月ぶり、でしょうか。
文の可笑しさには目を瞑っていただけると幸いです。
私の大好きな、友情物語。(後々、恋愛になるかもですが)
1つお知らせ。今年から、作者は受験生となります(高校受験)
ですので、更新は2か月に一回のペース……もっと遅くなるかも。
ご了承ください:
- Re: 雨漏り傘。【短編集】 ( No.12 )
- 日時: 2016/06/26 19:30
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)
「夏の向こう側 1/2」.雨が降らなきゃ虹は出ぬ.
7月に入り、夏だと感じることがより一層増えた気がする。
蝉(セミ)の鳴き声、真っ青な空に入道雲、ぎらぎらとした太陽。
昼間のむわっとした暑い空気に、自然と流れ出る大粒の汗。
ばあちゃん家で、俺は縁側で足を広げ、うちわをパタパタと仰いだ。
「あっつー……」
微力な風が顔に当たる。ちりん、と頭の上にある風鈴が揺れた。
額から頬にかけ、また一筋の汗。乱暴に腕でごしごしと拭く。
この時期になると、嫌でも思い出す。———2年前の、出来事を。
「てゆーか! ばあちゃん遅くねえ!? スイカ買うのにどんだけ時間かかっとるんじゃあ!」
ぐわあっ、と何かを吹き飛ばすようにいきなり大声を上げた。
掛ける相手なんて、いやしない。傍から見たら、きっと変人だろう。
まあ、俺は昔から天才だったし? 天才イコール変人って決まってるし?
あー困ったなあー。天才って……つらたん!(プラス星が3つほど)
×
スイカを食べ終わった後、ばあちゃん家から近くにある海に行った。
ここには、思い出があった。一生忘れることのない、思い出が。
鼻につく海の匂い。砂浜の熱さ。時折現れる、波の音。
——全てが、あの頃と重なっていた。
手を伸ばせば、視線の先にいる1人の——少女。
柔らかな手の感触は、今でも覚えている。言葉だって。
耳をくすぐるソプラノの声。ひまわりのような、あの笑顔。
住んでいる場所は、遠かったけれど。
一緒にいた時間はとてつもなく長くて。
もしも、神様がいるなら——俺は、尋ねたい。
(なんで———……)
× ×
- Re: 雨漏り傘。【短編集】 ( No.13 )
- 日時: 2016/07/24 18:24
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)
「夏の向こう側 2/2」.雨が降らなきゃ虹は出ぬ.
後悔したって、何も始まらんよ。
ばあちゃんの言葉が、頭の中で響く。
そんなこたぁ分かってる。と、あのときそう言った。今もそう言いたい。
分かってるけど、俺みたいな天才はそうは上手くいかないんだ。
何であのとき——って、反省ばかりしちまう。時は戻らないのにな。
「あーあ……つまんねえ」
波が立ち、ズボンの裾が濡れる。
君と出会ったのも——確か此処だったね。
皮肉なことに、一生会えなくなったきっかけも此処だけど。
風みたいにいつの間にかいたと思えば、風みたいに突然去ってしまう。
不思議で儚くて、なんだか壊れそうな君。
コロコロ笑う声と、常に絶やさない優しい笑みが心地いい君。
——「そんな君が、大好きだったよ」
そのとき、1つの風が頬を撫でた。
目を見張る。まるであのときの後悔を溶かすようだった。
気のせいかもしれない。気のせいなのだと思う。
けど、そうは思いたくない。君だから。
今、何か言うとしたら。僕はこう言いたい。ありが——
「こらあああ勉強せい北斗(hokuto)! さっさと戻れやあほんだら!」
「ばあちゃんタイミング悪すぎんだろ!? 今すげえ良いとこなのに!」
「タイミングに良いも悪いもあるかい!」
……天才ってつらたん……(星を5つくらいつけたい)
× ×
題名と中身合ってないよー! そろそろそう言われる気がする、洸です。
突然ですが、この話をもちましてここを閉めようかと思います。
本当に急でごめんなさい。
これを含め7つのお話しを、書くことができました。
虹は7色。だから7つの物語。そんな安易な考え。それが私。
今までこの小説を読んで下さった皆様に、感謝です。
まだ完結していない、泡沫少女。そっちも頑張ります。
ありがとうございました!
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