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pure
日時: 2015/12/18 16:24
名前: 佐々木 (ID: 3NNM32wR)




 どこまでも、pureで、清くて、そして———脆かった。
 これは僕の青春の物語。

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Re: pure ( No.1 )
日時: 2015/12/18 16:57
名前: 佐々木 (ID: 3NNM32wR)



 「……ウチは咲子に真弓に遼平!三人も子供がいるのよ。しかも真弓は中三、遼平は高三よ!そんな時に関わりもない弟の子どもなんかに……」
 「アタシなんか五つ子なんだからね、おねーちゃん!夕衣・麻衣・祐太・翔太・啓太!ギャーギャーギャーギャー、うるさいったら……」
 「俺ぁ無理だぞ、足に腰に目に鼻に頭、病気ばっかりだ」
 

 ———父さんと母さんが死んだ。
 夏休み、あと半分くらいはまだ、残ってたのに。交通事故だったらしい。俺は一人で宿題してた。運が良かった、なんて言葉は聞きたくなかった。
 親戚は誰も、俺のことを引き取ろうとしなかった。
 多分、父さんも母さんも親戚とは仲が悪かったんだ。父さんは、親戚の話を一度もしなかったし、母さんもごくたまに悪口を言うくらいだった。


 「でもさぁ、保険金とか入ってくんじゃないの?アタシ引き取……」
 「いや、あいつら保険入ってないらしいから」
 「えー、茅子姉ちゃんつっまんなーい。死んだだけ、って感じ」


 そんな失礼なことを軽々と口にする金髪のギャルを睨みつけた。
 最低だ、と思った。こんな奴らの誰にも引き取ってほしくないと思った。
 

 「皆さん。俺の意見も聞いてください」

 
 親戚たちがざわざわする中で、俺はなにも構わずに言った。


 「俺は、一人で暮らします。時々近所のおじさんの家に泊まったりして、生活保護でも受けて、なんとか暮らすのでご心配なく」
 

 父さんの兄らしき人物がゲラゲラ笑った。品の悪い笑い方だった。「お前、十歳だっけ。そんなチビが一人で暮らせるわけねえだろ」そう言ってまた笑う。俺はこのおじさんの笑い方が嫌いだ。


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