コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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宝探しは愉快な仲間と
日時: 2015/12/20 11:24
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

この世界のどこかに

究極のお宝が眠っている。

海の中かもしれないし
高い山の頂上かもしれない。

でも、きっとどこかに

あるはずなんだ。

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Re: 宝探しは愉快な仲間と ( No.1 )
日時: 2015/12/20 11:39
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

俺は海が好きだ。

船乗りだった祖父に
「碧(あおい)」と名付けられ
山に囲まれた村で15歳になった俺は
兵士になるために王国の首都へ向かい
初めて本物の海というものを目にした。

祖父から聞いた話のまま、
青くて広くて気持ちいい眺め。

首都である城下町の兵士宿舎は
部屋の窓から大きな港が見える。

カモメが空を舞い、
風が帆をたなびかせる。

俺は海が好きだ。

Re: 宝探しは愉快な仲間と ( No.2 )
日時: 2015/12/20 15:59
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

17歳になって3ヶ月ほどたった。

「碧。呼び立てて申し訳ない。
 ・・・お前に一つ頼みがあるんだ。」

春の日差しが暖かいある日、
俺は軍隊の隊長直々に呼び出された。

「頼み、ですか?」
「そうだ。
 王族とつながりのある
 城下町の貴族からの依頼だ。
 詳しいことは依頼人である彼女に
 聞いた方が早いかもしれんな。
 ・・・今から家に行き依頼人に会え。
 それからどうするか決めよう。」
「な、なぜ俺が依頼を?」
「依頼人の父親の頼みでな。
 できるだけ若くて機敏な者を
 連れてくるようにとおっしゃった。」

で、その貴族の家に着いた。
豪邸というのがふさわしい広さで
倉庫が俺の実家より大きい。

依頼人の父親?に出迎えられ、
やはりだだっ広い応接間に入った。

「紅葉(くれは)。連れてきたぞ。」
「はい。」
ソファに座っていた少女が立ち上がって
俺に向かって丁寧に一礼した。
長い黒髪に赤いドレス、そして顔つき。
俺と同じ年齢なのに凛としていた。

「俺は王国軍第9隊 兵士、碧です。」
「私は紅葉。早速本題に入るけど
 今日は君にお願いがあるんだ。」

——宝探し、したいんだ。

こいつはふざけてるのか?

Re: 宝探しは愉快な仲間と ( No.3 )
日時: 2015/12/20 16:23
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

「宝探し、ですか?」
「うん。この間、掃除中に
 かなり古い手紙と地図が
 倉庫から見つかったんだ。」

あ、さっきの

俺んち<倉庫

の倉庫から?

「手紙によると、
 この地図の場所に
 私達の先祖が隠した
 物凄ーいお宝があるんだって。」

物凄ーい・・・。
あのさ、その地図、
ボロボロ過ぎて読めない。

「危ないから旅は禁止だ、って
 父上が言い張ったんだよ?
 じっとなんて出来る訳ないのに。
 でも毎日何度も頼んだら
 条件付きで許可してもらえたんだ。」
「そして、その条件が
 同行者を募ることなのだ。」

「お願いします、私と一緒に
 宝探しの旅をしてください。」
「いや、俺は別に良いけど
 本当にあるんですか、宝は。」

「・・・この世界のどこかに、
 きっと究極のお宝がある。
 (地図読めないけど)
 それは海の中かもしれないし
 高い山の頂上なのかもしれない。
 でも絶対どこかにあるはずなんだ。
 ・・・そう考えた方が
 ワクワクしてくるでしょ?」


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