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Up to you
日時: 2015/12/26 22:52
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

——あなたが

  どんな日々を過ごすかは

  あなた次第です。


私が入学した高校には
見た目も性格も物凄くイケメンで
女子生徒に大人気な先輩がいます。


・・・先輩、女の子なんですけど。

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Re: Up to you ( No.3 )
日時: 2015/12/27 01:01
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

「黒崎ぃ〜。」
「陽平?どうしたの?」

教室に向かう廊下で
クラスメイトの神野陽平に
大声で呼び止められた。

「挨拶。噛むと思ったのにな〜。
 何で噛まねえんだよ。
 俺期待してたのにさぁ。」

「へへ、完璧だったでしょ?」

「完璧過ぎてやになるわ。
 この優等生が(笑)」

結構緊張したんだゾ。
あんなに大勢の前で・・・。

「大勢に見つめられてたもんな。
 ・・・特に女子生徒から。」

「わー!止めろ!」

認めたくない事実!
私は女ですって!

「見た感じイケメンだもん。」

「・・・陽平君。
 君はどこ見てそんなことを
 ズケズケと仰ってるんですか?」

「え、そりゃあ黒崎の
 有ると言うほど無いむグハッ!?
 俺を殺す気か、お前は!?」

「ごめん、足が滑った。」

Re: Up to you ( No.4 )
日時: 2015/12/27 13:53
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

下校中。
私は考え事をしながら
家へ向かっていた。

私はどうしても
男(イケメン)に見えてしまうのか?

私はMUNEが無いから
こんなに男と間違えられるのか?

「姉さん!」

大体陽平のやつ、
そこまではっきり
言わなくても良いじゃないか。

無いのは

無いのは

無いのは

分かりきったことじゃないか!

「「姉さん!」」

「うわっ!」

「何ボーッとしてんの。
 それより挨拶お疲れさま。
 1年教室に帰ったら
 女子生徒がキャーキャー
 うるさかったよ?
 生徒会の人カッコいいって。」

「黙れ。」

・・・コホン。
これは私の弟、黒崎翔。
この高校に入ってきた新入生。

「黒崎ぃ〜。」

「姉さん、あれは?」

走ってくる先輩を
あれ扱いする我が弟。

「あれはね、バカっていうんだ。
 かなりレベルの高いバカ。」

「おい、まてぇ!」

「何、バカ?」

「バカぁ?
 ・・・ん?それ誰?」

「これは弟。翔って言うの。
 翔、こいつは神野陽平。」

「先輩、よろしくお願いします。」

「うわ、真面目!
 こりゃいじりがいが有りそう!」

「止めろ。」

こうしてワイワイしながら
家路につく私達だった。

(あ!イケメンの先輩が!)
(黒崎君の彼氏だったの?)
(隣に変な人も付いてるよ?)

私は女です。泣

Re: Up to you ( No.5 )
日時: 2015/12/27 15:33
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

この学校では
毎年5月に体育祭がある。

「キャー!黒崎先輩!」
「翼ちゃーん!」
「こっち向いて!!」

リレーのスタート位置にいる
黒崎先輩に女子生徒からの
猛烈なラブコールが送られる。
学年を問わず、1年から3年まで。

(なんで女にモテるのかなのぁ?)

本人はというと
集中しているのか顔が険しい。

「位置について。ヨーイ、」

バンッ!

女子生徒達の声に耳を押さえながら
先輩の走りをみ・・・速い。

先輩、足が速いんだ。

額の汗を拭う仕草もカッコいい。

「美月、次出番だよ!」
「あ、うん。今行くよ。」

友達に呼ばれてその場を離れた。

Re: Up to you ( No.6 )
日時: 2015/12/27 21:16
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

「美月、お疲れさま。」

その声に振り返ると
先輩の弟の翔が
ニコッと笑っていた。

私は親の都合で中学三年生の時に
翔の中学校に転校してきて
彼とはクラスも違ったから
あまり話したことは無かった。

高校に入って同じクラスになり
話す機会が少し増えた。

なかなか面白くて明るい人だ。

「先輩、足速いんだね。」

「先輩?あぁ、姉さん?
 弟の俺が言うのも何だけど
 何でも出来るからなぁ。
 いーっつも比べられて
 たまに嫌になるけどな(笑)
 そっか、美月は中学時代、
 姉さんに会わなかったから
 あまり知らないか。」

「お、翔。ナンパしてんの?」

あ、この人は黒崎先輩の隣の人!

「あ、陽平さん。
 違います。話してただけですよ。」

「こら、陽平!
 あまり後輩をからかわないの。
 翔は良いけどこの子が可哀想でしょ?」

「姉さん、何気に俺のこと
 バカにしてるよな?そうだよな?」

「さーて、お弁当たーべよ。
 君、ほら、行こ!」

そう言って黒崎先輩は
私の腕を掴んで走り出した。



Re: Up to you ( No.7 )
日時: 2015/12/28 12:51
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

「わ、私、有岡美月です。」
「私は黒崎翼。翔は弟なんだけど
 仲良くしてやってね。」
「は、はいっ!」

勢いで連れてきちゃった。
美月ちゃん、翔の友達なのかな。

「姉さーん、美月ぃー!」
「あ、いたぞ、翔。」

翔と陽平が走ってくる。

「美月、びっくりしただろ?
 姉さん、気を付けてよね。」

「はは、ゴメンゴメン。」

「そーゆー強引なとこが
 女らしく無いんだと思うけど
 ・・・ヒギャアッッちちょ、黒崎!」

「翔、呼んでる。」

「姉さん、それ俺じゃない。
 姉さんの事だと思うよ。」

「何で?」

「あの、神野先輩が
 死にかかってるんですけど。」

美月ちゃんに言われて
ハッと手を離した。
あ、陽平の首を絞めてた。

「はぁ、はぁ、
 有岡ちゃんが言わなかったら
 俺は死んでたんだろうな。」

よく分かってるじゃん。

「・・・いつも先輩達はこうなの?」
「そうだと思うよ。」

翔と美月ちゃんが
呆れた顔をしていた。


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