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- *誇り高き竜騎士達へ*
- 日時: 2015/12/27 04:03
- 名前: 梅飴 (ID: I.inwBVK)
昔々、世界中のドラゴンがぱったりといなくなった。
人々は、なにか不吉なことの前兆だと、ざわめいた。
そして、ある日、世界が4つに割れた。
割れ目から出てきた悪魔や巨人、そして悪の力に染まってしまったドラゴン達が溢れ出てきた。
たちまち世界は真っ黒く染まって行った。
あと一歩。
世界が終わろうとした時、一人の男が純白のドラゴンを従えて、悪に立ち向かった。
たちまちドラゴン達の悪は吹き飛ばされなくなっていった。
最後、魔王を倒した男は命尽きてしまった純白のドラゴンを光に変え、大地の力の一部にし、自分も力尽きてしまった。
__帰ってこない父を待つ少年こそ、主人公のアーサー・ノア・フラメル。
彼が純白の大きな卵を拾ったことが、次の物語の始まりだった__
深夜テンションでやってまいりました、梅飴です。
ババくさい名前だなんて言わないでください。
知ってますから!
でも、梅飴好きなんです!美味しいですよね…?
梅飴。ちょっと書き続ける自信は皆無☆((……嘘です嘘です。
受験生なのに、何してんの?コラア。
わー、母の目線が刺さる!刺さって燃えてます!
いたあつって感じです。
長々とすいません。
更新は週一くらいです。きっと。多分。
よろしくです!
【目次】
*ドラゴンの卵と母の愛
>>01 >>02
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- Re: *誇り高き竜騎士達へ* ( No.1 )
- 日時: 2015/12/27 04:01
- 名前: 梅飴 (ID: I.inwBVK)
純白の大きな卵。
空から声がした。
「君がそれを育てなさい。一生の相棒だから大切に育てなさい。」
アーサーは迷いなく卵を拾うと、大切に抱きかかえ家にダッシュで帰った。
「か、母さん!見てこれ!すごいの拾った!」
ビックリして笑い出す母を期待したアーサーは、母の愕然とした表情を見てビックリした。
「どこでそれを拾ったの?」
震え声で聞く母は、倒れこむように椅子に座った。
「空から声がして、育てなさいって。一生の相棒だからって。」
それを聞いた母は、笑い出した。
「そっか」
机を見つめ、微笑む母はとても優しい顔をした。
「おいで、アーサー。その卵を水と一緒に鍋にいれて、暖炉に置いておきなさい。水は卵の半分よ。それと鍋はうちで一番大きいのを使いなさい。ゆったりとさせておきなさい。」
その通りに行ったアーサーは疑問をぶつけた。
「お母さん。なんで、そんなに詳しいの?」
母はまた微笑んだ。
「お父さんもアーサーと同じころに卵を拾ったのよ。一緒に一日中眺めてたわ。一週間後くらいに日々が割れたわ。あ、ここら辺は言わない方がいいわね。お父さんは生まれたドラゴンと一緒に戦ったのよ。」
「僕が生まれる前の世界終焉戦争?」
「そうよ。お父さん、世界が終わろうとした時、なんとか止めたんだけど、そこで死んでしまったの」
母はアーサーを膝の上に呼んだ。
座ると、頬を優しく撫でた。
「私は、お父さんを失ったけど、あなたがいたから頑張れた。あなたもいなくなってしまって、もし死んでしまったら、私は生きてはいけないわ。でも、きっとこれも運命よ。竜と共にある戦士は皆、天の声を聞いたと言うわ。お母さんはあなたを愛してるわ。たまには帰ってきてね。でも、まだ世界に旅立つには早いわ。修行しなきゃね」
パチパチと薪が燃える音がする。
そのすぐ隣で、卵がカタカタ動いていた。
- Re: *誇り高き竜騎士達へ* ( No.2 )
- 日時: 2015/12/27 04:02
- 名前: 梅飴 (ID: I.inwBVK)
それからアーサーは筋トレや体力をつけるのに、汗を流した。
もちろん、水汲みなど手伝いはサボらなかったが、遊ぶ時間がめっきり減った。
毎晩、母の膝の上でウトウトしながら、パチパチ燃える薪と炎で赤くなる卵を眺めて寝た。
それが一番至福の時だった。
汗を流して二週間。
いっこうに卵は割れる気配も見せなかった。
「おかしいわね〜」とつぶやく母を横に、アーサーは心配そうに卵を見つめていた。
「おーい!アーサー、お前ん家にドラゴンの卵があるんだって?どこから買ったんだよ?ドラゴンなんて高かっただろー?倍出してやるから俺に譲れよ。お前にはもったいねえ」
村のいじめっ子達がアーサーを取り囲んだ。
言っていないはずなのに、知っているのは家を覗いたのだろう。
「なー、親切に貧乏人のお前たちにお金出すって言ってんだからはやくしろよー。あ、もうしかして、もっと出せって?これだから貧乏人はやだよねー。お金お金。お前の母さん、どうやって働いてんの?まーさーかー、体売ってるとか?」
ゲラゲラ笑ういじめっ子達は、次の瞬間に笑みが拭い去られた。
ドカッ
「…ア、アーサーが殴った…?」
初めてアーサーが人を殴るのを見たいじめっ子たちは動揺を隠せなかった。
「お母さんを馬鹿にすることは絶対許さない!」
右手をワナワナさせながら、アーサーは泣き目になって叫んだ。
「いってえ!何すんだよ、この野郎!」
パンチをくらわせたいじめっ子だったが、一番身長が低いアーサーがビクともしない。
最近の筋トレがきいているようだ。
「覚えてろよ!母さんに言ってやる!」
捨て台詞を吐いて言ってしまったいじめっ子たちは、あっという間に見えなくなった。
一人呆然と立つアーサーは、右手を見つめていた。
初めて人を殴った、その右手は暴力をふるってしまったものの、どこかスカッとしていた。
沈むオレンジ色の夕日を見つめて、アーサーは家に走って帰った。
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