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絶対的温度差
日時: 2016/01/02 19:13
名前: 佑 (ID: pR7JxfSl)

「はーる!今度デートしよう!」

「…………無理。」


幼馴染はかなり冷たい。




閲覧ありがとうございます!

二人の話を読んでいただけるとうれしいです!

アドバイスなど、ぜひお願いします。

【登場人物】
*水沢 耀(ミズサワ ヨウ)
・高1、♂、陽と幼馴染み、男子バレー部
・前髪はあげていて髪は茶髪の爽やか系男子イケメン
・モテモテ、陽が好き。

*竹内 陽(タケウチ ハル)
・高1、♀、耀と幼馴染み、帰宅部
・性格がすごく冷たい。だが美人のため男子からモテる。髪は黒髪でストレート

*西村 透(ニシムラ トオル)
・高1、♂、男子バレー部
・耀と親友。耀と陽と同じ中学校だった。
・髪は薄い茶色でハーフアップをしている。性格が明るい。友達としてモテるタイプ
・由紀が好き

*戸田 由紀(トダ ユキ)
・高1、♀、帰宅部
・陽と仲良くなりたいと思っている。
・透はからかいがいがある奴だと思っている。

*原 誠(ハラ マコト)
・25歳教師。♂、陽のクラスの担任
・由紀の従兄弟。

*大槻 絋(オオツキ ヒロ)
・高3、♂、男子バレー部キャプテン
・慧太と親友

*榊 慧太(サカキ ケイタ)
・高3、♂、男子バレー部副キャプテン
・絋と親友

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★1 (黒い星=耀side) ( No.1 )
日時: 2016/01/01 14:38
名前: 佑 (ID: pR7JxfSl)

【絶対とは】

『他に比較するものや対立するものがないこと。また、そのさまである。』
                        (goo辞書より引用)



〜6月〜 

「おっはよー!はーる!」

朝、水沢 耀(ミズサワ ヨウ)、高校1年、男子バレー部に所属している俺は幼馴染の家の前で今家から出てきた幼馴染に声をかける。

「いやー。相変らず6月は雨ばっかで嫌になっちゃうねぇー?」

傘を持ちながら話しかける俺に幼馴染ー

竹内 陽(タケウチ ハル)はあからさまに顔をしかめた。

「なんで耀がいるの?部活は?」

酷く冷たい目で見てくる陽は、その目で人一人殺せそうだ。

「いやー、雨だからさ?」

「は?バレーは関係ないでしょ。」

ふざけた返事も容赦なくぶった切る。

相変わらずの冷たさだ。

「ジョークだよ、ジョーク!もともと今日は朝練ないんだよ。」

俺の前を通り過ぎてく陽について行きながら話しかける。

「ふーん。どうでもいいや」

返事はいつものように冷たいが俺は一方的に話しかける。

「陽!デートいこう!」

「無理。」

「なら、一緒に放課後勉強しない?」

「しない。」

周りが惨めだなこいつ。とでも言いたそうに俺を見つめてくる。

「陽ー。」

「………」

「優しくしてよー」

「無理。」

「ひど!」

「ウザイ。」

そんな会話(?)をしているとすぐに着いてしまう学校。

ほんともっと遠くにあったらよかったのにと思う。

陽ん家から徒歩10分、俺ん家から徒歩15分。

まぁ近いとこを選ぶのが陽らしいっちゃ陽らしいんだけどね。

「じゃあ陽、部活終わるまで待っとけよ!」

一方的に約束をして陽と別れ、教室に行く。

陽には一方的ぐらいが丁度いいんだ。……………多分ね。

ガラガラッ

教室のドアを開け、自分の席についた時、

「今日も見事な振られっぷりだなぁ。」

同じ部活の中学からの親友、

西村 透(ニシムラ トオル)が笑いながら話しかけてきた。

「うっせーよ。透みたいに存在すら知られてないよりはマシだよ。」

「うっわー。言っちゃいけないやつ、それ。」

顔を手で覆いながら叫ぶ親友を笑いながら見つめた。

透は同じクラスの戸田っていう女子を好きになって、距離を縮めようと放課後外で話しかけたらしい、が。

『やっほー?よろしくね、戸田ちゃん。』

『え、と。あなた誰か聞いてもいいかな?』

2か月同じクラスなのに名前すら覚えられていなかったらしい。

ドンマイとしか言いようがない。

そんな奴よりはましだと心底思う。

「ま、これからだ!耀よりは可能性あるからな!」

「は。どうだか。」

「幼馴染みがうまくいくとは限らねぇんだよ!」

「うまくいく確率は幼馴染みの方が高いけどな。」

「かぁー!むかつくわぁー!」

足をバタつかせながら叫びだす。

………にしても、陽に会いてぇなぁ。

side耀 end

☆1(白い星=陽side) ( No.2 )
日時: 2016/01/01 18:21
名前: 佑 (ID: pR7JxfSl)

「おっはよう!はーる!」

朝、家の前にいた耀に普通に驚いた。

それと同時にすごく困った。

私はいくら冷たくしても離れていかない耀に正直戸惑っている。

何で離れていかないんだろうって、何で傍にいてくれるんだろうって。

どうせ離れていくんだから最初から離れて、私を嫌ってしまえばいいのに。

耀は、何もしらないから。

私が……………ことなんて。

知れば離れていく。

なら……

耀と分かれた後そんな事を考えながら教室に入ると、

「はーるちゃん!」

後ろから誰かに話しかけられた。

「今日も水沢くんと登校だねー?」

「……、戸田さん。」

「堅苦しいなぁ。由紀って呼んでよ!」

ギュウッと抱き締めてくる彼女を冷たく見つめる。

戸田 由紀(トダ ユキ)、耀と同じクラスの女の子。

「そんな怖い顔しないの!」

入学式の頃からやたらと絡んでくる。

「戸田さん。迷惑だから。うざい。」

「またまたぁ!今日もツン100%だね!」

彼女に何言ってもこんな風に軽く流されてしまうから彼女は苦手だ。

『なにあれ。戸田が話しかけてあげてんのに酷くない?』

『ほんと何様ってかんじー。』

周りの声が嫌でも耳に入ってくる。

『耀君もなんであんなやつといるのかわかんなーい。』

『なんかあいつがおどしてんじゃないのぉー?』

何かと耀の話に繋がる奴等に吐き気がする。

そんなに私が耀といるのが気にくわないんなら耀に私に近づかないよう言えばいいじゃない。

耀はふつうにカッコいいし、性格もいい。

だからモテる理由ぐらいわかる。

だからってなんで私が言われる訳?

ギュッと拳を握りしめた時、戸田さんが口を開いた。

「……ねぇ。」

低い声に辺りがシーンとする。

彼女は周りに聞こえるように大きな声で

「私はあんなぶりぶりしてる奴等よりは、陽ちゃんみたいに正直な子が好きなんだー?」

そう言った。

「裏でこそこそとさー。感じ悪!そんなんだから水沢君にも振り向いてもらえないんじゃない?」

……彼女は思っていたよりも恐ろしい子だった。

いつものクリクリとしたぱっちり二重の目は細められていて人を殺しそうな眼光を出している。

誰一人としゃべらない。

何分間そうなっていただろう。

「戸田ー、自分の教室もどれー。」

ドアから入ってきた担任の声にはりつめた空気は一気に和らいだ。

「あ、原ちゃん!」

「先生と呼びなさい。」

気がつけば戸田さんの声と目はいつも通りに戻っていた。

「遅刻になるぞ、戸田。」

「うっそ!やば!じゃあね、陽ちゃん!」

バタバタバタ

戸田さんが教室を出ていっても教室内にはまだ気まずい雰囲気が漂っていた。

「じゃあ、ホームルームはじめんぞー。」

担任の声で皆が席につく。

私は今感じた気持ちを隠すように席についた。

………友達なんて、いらない。

side陽 end

★2 ( No.3 )
日時: 2016/01/01 20:21
名前: 佑 (ID: pR7JxfSl)

バンッ、バシッ!

「スパイク!」

「「「うす!」」」

バレー部キャプテンの指示が体育館に響く。



「あー!彼女ほしい!」

そんな中榊先輩が叫び出したのは休憩の時だった。

「どうしたー、榊。」

すかさずキャプテンの大槻先輩が話しかける。

「だってよー、帰りが男だけなんて耐えられねぇよ!」

「今さらかよー!」

「榊先輩、そんな事言わないで俺らと帰りましょうよ!」

わいわいと盛り上がる中、ふと榊先輩の視線が俺に向いた。

「そういや、耀は、あの美人さんといつも帰ってるよなぁー?」

榊先輩が俺の隣にいた透に聞く。

「そうなんすよ!………それに!」

透はお構いなしにペラペラと喋り出す。

「それに!今日女子にまた話しかけられてたんすよ!」

バッ!

そんな効果音がするんではないかというぐらいに皆が一斉にこっちを見る。

「…………………耀。」

キャプテンが近づく。

「なんすか。」

「お前、今からスパイクカットな。」

「えっ!ちょ!待ってくださいよ!」

「お前、あの美人ちゃんだけでは物足りないってか!?」

「キャプテンにコテンパンにされてこい。」

「これは仕方ねぇな、耀。キャプテンのスパイクはいてぇよー?」

背中を押されコートに入れられる。

その時に透を睨んだが、こればかりは許してほしいね。

……にしても透が言ってたのはあの時の事だろうな。


今日、戸田が珍しく遅刻寸前に教室に入ってきた。

まぁ、それは別にいいんだが昼休みの時だ。

「水沢君、ちょっといい?」

戸田が俺に話しかけてきた。

「いいけど。」

視界の片隅で透がこっちを凝視してるのがわかる。

「あのさ、今日陽ちゃん放課後私と帰るから!」

戸田は一方的にそう告げて去っていったからなんもなかったんだが、透はこの事を言ってたんだろう。

それに

「なんで耀の名前はしってんだよ!俺の名前は知らねぇのに!」

そう何回も言われたからな。

それ意外考えられねぇ。

でも透はバカだよなぁ。

戸田の友達に聞けば一発でお前の名前を知らないわけねぇってわかんのに。

『なぁ。戸田ってクラスメートの名前って覚えないタイプなの?』

『え?そんなことないよ!由紀は1週間でクラスメートの名前は覚えてる子だよ!』

ほんと馬鹿だねぇ?

まぁ、透には教えてやらねぇけどな。

しかし、陽と戸田が仲よくなったなんて意外だな。

バシッ!

キャプテンの強烈スパイクをカットしながら俺はそんな事を思った。

side耀 end

★2-2 ( No.4 )
日時: 2016/02/12 20:59
名前: 佑 (ID: pR7JxfSl)

*

部活が終わった時、仕方がないから今日は透と帰った。

「あれー?耀、先帰られちゃったの?」

ニヤニヤしながら話す透に少しイラつく。

「うるせぇよ。は。透なんて相手にもされないもんな。一緒に帰るなんて夢のまた夢だろ?」

そう言えばうぅ、と唸りだす透。

「ちっ。なんで透と帰んなきゃなんねぇーんだよ。」

イライラは収まらずに透をにらみつける。

「なぁ!今日お前機嫌悪くねぇか!?なんだ!あれか!陽ちゃん不足かって、いってぇな!」

「は?誰の許可とって陽の名前呼んでんの?殺すよ?」

思いっきり透の頭を打ったたけば

「…すいません。」

顔を引きつらせながら謝ってきた。


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