コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 吠えろ!!ホルン
- 日時: 2016/01/30 21:32
- 名前: 栗おね (ID: AtgNBmF5)
プロローグ
私が・・・必ず
あなたの願いを叶えます。
皆を普門館に連れて行きます。
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- Re: 吠えろ!!ホルン ( No.1 )
- 日時: 2016/02/23 20:39
- 名前: なずな (ID: AtgNBmF5)
第1章
登場人物紹介1
【篠原 琴子 sinohara kotoko】
結城中学校2年3組
吹奏楽部・新部長
三つ編みの栗色の髪型が特徴的。
気が弱くて大人しめだが仲間思いで
責任感は強い。若干天然。
名前、間違えてますねw
なずな、ではなく栗おねでーす
- Re: 吠えろ!!ホルン ( No.2 )
- 日時: 2016/02/05 19:56
- 名前: 栗おね (ID: AtgNBmF5)
登場人物紹介2
【清宮 八重 kiyomiya yae】
結城中学校3年1組
吹奏楽部・旧部長
責任感強く頑張り屋。姉御肌
気安く優しい。
黒髪のロングが特徴で美人
- Re: 吠えろ!!ホルン ( No.3 )
- 日時: 2016/02/23 21:24
- 名前: 栗おね (ID: AtgNBmF5)
第一話「約束」
コンクール
結城中学校吹奏楽部
結果は、銀賞
・・・全国に行けなかった
結果発表の時
結城中学校銀賞と響いた時
胸が何か少し違和感を覚えた。
結果が気になって興奮していた
気持ちが解かれた安堵。
銀賞という微妙なワードからくる
自分の努力の評価。
本当にこれでよかったのか疑問。
何ヶ月もの練習が砕かれた1秒。
何もかも不愉快
涙が自然と頬を伝ってうつむく。
髪が顔にかかる何時ものことも
腹が立つ。どうにもならない時に
感じる気持ちが胸を打った。
しばらくして顔を上げても
結果は変わらなかった。
金賞を取りたい。
この気持ちは、きっとみんなにある
私は、周りを見渡した。
泣いてるみんな。でもさぁ
本気で取りたかった?
金賞
泣いてる皆の涙は、頑張った自分を褒めたい酔いしれた涙じゃない?
腹立つよ?
自分頑張ったから悔しいの、
じゃない?努力の評価でチヤホヤ
されたいんじゃない?
何それ
「で、でも本気じゃなかったし」
は?
「本気出せば金賞余裕だよ。来年がんばろ?」
3年は、ないんだよ
毎度毎度、来年にかけて来年、私は最後だよ。来年なんて言うの?
「でも、頑張ったから結果はいい。大事なのはそれまでの過程だよ」
言い訳でしょ、それ
ふざけないでよ
大事なのは結果なの
「今日ねっ帰ったら遊ぼ?なんか買おう?だから泣かないでっ!」
自分にご褒美欲しいだけ
「私・・・本気だったよ〜!加奈子〜辛い・・・最悪だよ、金賞取りたかった・・・」
は?
何言ってるの?
は?は?誰かな?
練習サボりまくって
リードミスばっか
今日もほら?何回した?
緊張でごまかし?ふざけんな。
口から出まかせ。
本気は、全部行動に出る。
私は、横にいるそいつをただ
軽蔑の目で見つめた。
手が自然にそいつの喉に向かった。
足が自然にそいつに近づくように
立ち上がる。
もうだめだ。
タガが外れそう。
そしたら、ゆっくりしながらも
威圧的な私の体を何かが引き止めた
その感覚でハッと我に返った。
太ももにくる圧迫感。
誰かが私のスカートを引っ張る。
私は、そっと振り返ると
先輩が顔を伏せたまま
私のスカートを強くつまんで私を
引き止めた。
「・・・先輩?」
「ダメ・・・我慢して」
先輩の少し詰まったような鼻声。
少し覗ける腫れた赤い目。
私は、感じた。
本気で悔しんでるのを。
先輩が立ち上がる。
ボサボサに乱れてしまった前髪からは、顔はあまり覗けなかった。
「トイレ行く・・・」
入り口に向かう先輩を
追いかけずにはいられなかった。
どうしても何か言いたかった。
そうしなきゃ自分がどうにか
なりそうだったから。
「先輩!八重先輩!!」
入り口で叫んだ。何回かな?
必死だった。気持ちが乱れていて
よくわからなかった。
早歩きの先輩を追いかけた。
名前を読んで。しばらくして
誰もいないトイレ前で
先輩は、突然足を止めた。
「琴子ちゃん・・・」
「先輩・・・っ」
先輩が体ごとこちらを向いた。
長い綺麗な輝く透き通った髪が
乱れて悲しい顔を隠した。
「どうだった?今日・・・」
「演奏ですか・・・」
多分きっとそう。
でも、何故か続きが言えなかった。
いいものじゃないのくらい
見え透いてたから。
練習が中途半端で終わったのに
まだダメなとこあるのに
皆のこれまでの努力の成果
出そう!!大丈夫!そんなことで
まとめて・・・・。
演奏後の舞台裏でも
今までで一番いいだとか最高とか大丈夫とかで変な空気作って
「最悪だったね」
先輩の唐突で、でもハッキリとした
真実の言葉がいきなり頭の中を
流れて私の胸が飛び跳ねた。
どう言ったらこのどうしようもない
空気を和ませれるだろうか
そんな気まずさが流れた。
「リードミスは、多いし強弱も全然なってない!!トランペットはびゃーびゃーうるさい!フルートはカスカス!!チューバは、手入れがなってなくてピストンもロータリーもカチカチうるさい!!トロンボーンは
音汚い!サックスは走り過ぎ!パーカッションはリズムズラすし!
頭に来る!」
「・・・」
笑う以外の誤魔化しって人間には備わってないんだなとかよく分からない単語が頭を巡った。
完全に私が私じゃないみたい
色んな事が起こりすぎて別の私が私の体を使っているのを別のカメラで
見てるみたい。
そしたら、咄嗟に飛んでもない言葉が口に出た。
「ホルンは・・・どうでした?」
「・・・・っ」
先輩は、困った顔をした後
考え込んだ。
そしてしばらしくし、小さく
口を開いた。
「グリッサンドもタイミングバラバラ・・・・」
「・・・そう・・・でしたか」
私も、先輩も自分の事
みつめてるように黙り込んだ。
私、あんなに皆を罵倒したけど
私も・・・私だったな
きっと今自分で考えて先輩も同じ気持ちになったのかな?
「琴子ちゃん・・・」
「っはい!!」
「琴子ちゃんはさぁ・・・」
先輩が今にも消えそうな声で問う。
「これからの部活どうしたい・・・?」
「へっ!!あぁ・・・」
「金賞取れるような部活
感動できる部活
かっこいい部活」
何もかも図星だった
「皆の理想なのに・・・どれも当てはまんないね私ら・・・」
先輩とその時初めて目があった。
腫れた赤い目にまた涙が薄っすら
浮かび上がった。
「なりたいです!!」
私の口からその言葉が出るのを
先輩は、わかってるみたいに私に
笑ってくれた。
そして言った。
「お願いできる・・・?」
「・・・へっ?」
私の口から拍子抜けな声が出た。
頭の中を色んなものが流れた。
「私の大事な部分の仲間なの。後輩なの。もう、悲しませたくない」
その顔は、全ての責任を背負った
辛くも美しいものだった。
この先輩を私はもうこれ以上
悲しませる理由はあるだろうか。
「はいっ!!」
「・・・ありがとう・・・皆を
絶対・・・普門館に連れてってね」
先輩が少しだけ笑った。
腫れたその目を見ると私も
涙が浮かんできて気づくと先輩の
胸に飛び込んでいた。
つづく
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