コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 俺が、ボクが、全てなんだよ
- 日時: 2016/01/30 13:44
- 名前: れいめあ ◆WTkSZHjrL. (ID: 6CQeuKIE)
俺は確かに邪魔者かもしれない。
でも、俺は特別な存在なんだ。
だって、俺は独りじゃない。
俺には、「ボク」が、「私」が、いるんだから。
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- Re: 俺が、ボクが、全てなんだよ ( No.1 )
- 日時: 2016/01/30 14:24
- 名前: れいめあ ◆WTkSZHjrL. (ID: 6CQeuKIE)
俺は「影山 零」。
西ヶ丘中学校、2年1組のごく普通の生徒だ。
いや、そんなに普通でもないな。
俺は二次元にしか興味がないし、なにより一人称が「俺」だ。
何故こうなってしまったのかは、俺にも分からない。
そんな俺だが、女子力がゼロな訳ではない。
俺は美術部に所属しているし、広報・図書委員会にも入っている。
絵や、小説を書くのは好きだ。
基本、二次元関係のモノしか書かないが。
そんな訳で、俺は学校ではボッチと化していた。
友達がいない訳ではない。
小学校の頃からの友達と、運よく同じクラスになれた。
ゲーム機の分解などが好きで、機械類に詳しいのに科学部の樹と、
俺と同じくらいゲーム廃人で数学が得意な技術部の健太
ちなみに健太も広報・図書委員会に入っている。
それと、小学校は同じだったが中学校に入ってから仲良くなった孝典。
孝典は4人の中で、唯一運動が得意でバドミントン部で、頭もいい。
いわずもがな俺達の仲がいいのは、俺達がオタクと呼ばれる存在だからだ。
- Re: 俺が、ボクが、全てなんだよ ( No.2 )
- 日時: 2016/01/30 16:52
- 名前: れいめあ ◆WTkSZHjrL. (ID: 6CQeuKIE)
あの日も、いつも通りのくだらない日常のハズだった。
…悲劇が起きるまでは。
『火災が発生しました。生徒の皆さんは先生の指示に従って避難してください。』
3時間目、避難指示のアナウンスが授業の静寂を破った。
直ぐに教室は騒然となった。
俺は隣の席の孝典に話しかけた。
「今日、避難訓練なんてあったっけ?」
「いや、ないはずだけど…。」
孝典の言う通り、今日は避難訓練なんてないハズだ。
この学校では、避難訓練を突然やるような事はしていない。
…本当に、火災が起こったのだろうか?
まあ、そんな事ある訳ないよな。
「あれ見て!」
クラスメートの1人が窓を指差す。
窓の外からは1年生の教室が見える。
この学校では1年生の教室は別棟にある。
いつもと変わらない光景…イレギュラーな、赤い炎を除けば。
瞬間、悲鳴と叫び声が聴こえ、次々とドアからクラスメート達や先生方は逃げて行った。
2年1組の教室に残ったのは、俺と樹と健太と孝典の4人。
「…なんで逃げないの?」
俺が3人に問いかければ、ファイルや本を残して逃げれないという3人の返答に思わず笑ってしまった。
俺が逃げないのも、3人と同じで、アニメのファイルや本を残して逃げるなんて出来ないからだ。
それに、死んだらどうなるのか興味がある。
なんて考えてる間に、炎は教室に近付いて来る。
「樹、太ってるからよく燃えるんじゃないw」
「確かにww」
なんてくだらない話しを4人でしていると、教室に炎が入り込んで来た。
「本格的にヤバくない、これw」
なんて笑いながら健太が言う。
このメンバーの中では1番マトモな健太らしくない言葉。
きっと、怖いんだろう。
「まあ、このメンバーなら大丈夫じゃない?」
何が大丈夫なのかわからないが孝典がそう言う。
「炎の中で死ねるなんて、アニメみたいじゃんw」
と俺が言うと、
「確かにww」
と3人から笑い声が漏れる。
熱い…息が苦しい。
それでも、このメンバーと一緒なら、何も怖くない。
酷く息苦しいと思いながら、4人で手を繋ぎながら、俺達の意識は薄れていった。
- Re: 俺が、ボクが、全てなんだよ ( No.3 )
- 日時: 2016/01/30 17:25
- 名前: れいめあ ◆WTkSZHjrL. (ID: 6CQeuKIE)
…目が覚めると、一面が花畑だった。
俺は…炎の中にいたハズなのに、身体には火傷の跡は勿論、傷や痛みが一切なかった。
此処は…どこなのだろうか?
此処が天国なのか?
まあ、俺は天国に行けるような人間じゃないと思うが。
「目が覚めたんですね、アリス!」
いきなり後ろから声がした。
ふりむくと、綺麗な紫の髪のネコミミがついた男性がいた。
「貴方誰ですか…!?」
謎の超展開に頭がついていかない。
なんでこの人はネコミミなんだ?
今、俺の事をなんと呼んだ?
俺は何故此処にいる?
目の前の男に聞きたいことはたくさんあるのに、急に目の前が暗くなる。
強烈な睡魔が襲ってきて、俺は目を閉じた。
目が覚めると、ベッドに寝かされていた。
まるで、王女様なんが使うような豪華で美しいベッドだ。
ベッドに見とれていると、先程の男性が部屋に入って来た。
「お目覚めですか、アリス。」
男性はそう言って、俺に微笑みかけた。
「…貴方は誰ですか。」
勇気を振り絞り、男性に問う。
「私はチェシャネコのジョーカーと申します、アリス。」
「チェシャネコ…?」
意味が分からない。
チェシャネコっていうのは、紫色の、あの意地悪なネコの事だろう?
それに、俺はアリスじゃない。
「レイはアリスですよ。」
俺の考えを見透かしているように、ジョーカーは言う。
「此処は愛に飢えた子供の為の美しく優しい世界。」
「少女も、少年も此処ではアリス。」
「惨めな子供は此処にはいない。」
「レイはアリス。」
「ミンナに愛される、可愛いアリス。」
「私達が愛するアリス。」
狂気染みている、そう思った。
愛に飢えた惨めな子供は、死んだら此処へ来るらしい。
それなら、きっと、樹達は此処へいない。
だって、愛されないのは俺だけだから。
なあ「ボク」そうだろう?
『キミは疲れてるんだ、ゆっくりお休み。』
「ボク」の声を聴きながら、静かに俺は眠りについた。
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