コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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カワルミライ
日時: 2016/02/07 21:39
名前: むつ (ID: HSAwT2Pg)

≪もしも……もしも過去や未来を改変出来るとしたらあなたはどうする?≫


東海 功 >>1 >>2 >>4 >>5 >>6

長谷川 虹那 >>7 >>8 >>9

その他 >>3

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Re: カワルミライ ( No.1 )
日時: 2016/02/07 16:14
名前: むつ (ID: HSAwT2Pg)

 ここは、東京のお隣の県にある中心街近くのマンションの一角。
 そこは、私の城であり、家である。
「よし!」
 そんなところで私、東条神楽(とうじょう かぐら)はあるものを玄関の扉に掛けながら言った。
 それには《【カワルミライ】やってます!》とかいてある。この【カワルミライ】とは、私がやっている店の名前だ。
 主な仕事は・・・・・・説明めんどくさいな。うん。まあ、いつか分かるでしょ! だから今はいいや!
 そんなことを私が思っているとコツンコツンと誰かが歩いてくる音が聞こえた。
 あ、お客さんかな?
「あんたがこの店のやつか?」
 中年のおじさんの声が聞こえた。私は声がしたほうに振り向く。そこにいたのは、とても関わってはいけないような雰囲気を漂わせているおじさん方だった。
 うわー。イカツイオジサン方が来たー!全員で・・・・・・6人か。でも、お客さんなんだよね。だとしたら接客しなきゃだな・・・・・・うん。
「そうですけど」
 私はできるだけポーカーフェイスを心がけて接客する。
 しかし、オジサンは私のことを信じてくれなかった。だってこう言ったのだ。
「そうなの? お嬢ちゃん嘘ついたらいけないよ?」
 と。しかもかなりの真顔これは普通に傷つく。だから私は即座に否定する。
「いや、本当ですけど」
 しかしオジサンは信じてくれない。
「いやいや、そんなことないでしょ?第一お嬢ちゃん何才?」
「18才ですけど」
「そうだろ? だかr・・・・・・ってえ?今何才って?」
 オジサンはキョトンとした顔で言う。どうやら思っていた年齢と違うらしい。私が童顔で低身長だからだろうか。だとすると少し心臓に矢が当たった程度の精神的ダメージを私は負うことになりそうだ。
 私は偶然持っていた私の写真が張ってある、身分証名称を取り出して指で生年月日をさし、わかりやすく見せながら説明してあげた。
「ほ・・・・・・ホントだ・・・・・・」
 いかついオジサンは目を点にする。
「だから言ったのに」
 私はため息をもらす。
「で?」
「は?」
 オジサンは、私の言葉の意味にきずかなかったようなので、言葉を足してもう一度言葉を繰り返す。
「で? 依頼というのは何ですか?」
 それで分かったらしい。おじさんは「ああそうだった。そうだった」と言って頭をかく。どうやら忘れていたらしい。忘れるぐらいならどうでもいい依頼なのだろうか?
 そう思いながら私はあることを思い出した。
「あ! そうだ。すみません、その内容を聞く前にとりあえず中にお入りください。ここだと、見知らぬ方に依頼を聞かれかねませんので」
「そうだな。じゃ、中に入れてくれ」
  秒速で肯定してきた。この人には少し遠慮の文字が足りないな。

 

Re: カワルミライ ( No.2 )
日時: 2016/02/07 16:37
名前: むつ (ID: HSAwT2Pg)

 しかしそれは私には関係の無いことだ。それに早く仕事終わらして遊びたいし。でも、私のとっては仕事も遊びの内に入るからな・・・・・・。あれ?矛盾してる? まあ、いいや。
「それじゃあこっちです」
 私は自分の家の扉を指で指す。そして玄関の扉をいかついオジサンにお先にお入りくださいとお通しする形で開け、中に入れた。
 私の家は仕事部屋と生活するための部屋を分けるためいくつかの部屋が存在している。そして仕事をする部屋イコール今このイカツイおじさん達を案内する部屋は玄関から一番近い部屋だ。ちなみにそのほかの部屋は一応防犯のため施錠してある。
「ここの部屋に入って近くにある椅子にお座りください。あと、紅茶かコーヒー飲みますか?」
 私は玄関から一番近いところにある扉を開ける。いかついオジサンは総勢5人ぐらい引き連れていたけどそれぐらいは座れるように椅子は用意してある。ちなみにお客は一番多くて10人グループでこられた事があった。あの時は本当に困った。
 私の質問&誘導にオジサンがたは「わかった。それで何飲む?」「俺、紅茶」「俺も」「俺コーヒー」などと言っている。みんな同じにしてくれると嬉しいんだけどな・・・・・・。そういうわけにもいかないのか。そうこう思っているまに言い合いが終わったらしく、1人のいかついオジサンが
「そんじゃお嬢ちゃんみんな温かいコーヒー4つと紅茶2つよろしく」
 と言ってきた。・・・・・・微妙な数だな。まあ、作るけど。
「わかりました。それじゃあ作ってきます。あと、部屋にあるものは触らないでくださいね!」
 そう私は言いおいてキッチンへと歩いていった。
 

「はい。できましたよ。ちなみに砂糖はここに置いときますので、セルフでお願いします」
 私はちゃっちゃとコーヒーと紅茶を作っていかついオジサン達に持って来た。もちろんコーヒーはインスタントだ。てかインスタント以外家に置いてないし。私コーヒー飲めないし。まあ、そんな感じだ。
「お、お嬢ちゃん早かったね。この砂糖どれだけ入れていいの?」
 いかついオジサンは私に確認を取るように言った。因みに砂糖は角砂糖だ。なんか嫌な予感がするな。
「何個でも入れていいですよ」
 でも、縛る必要性は無いのでそう答えた。
「それでは、ご依頼の内容は何ですか?あと、お名前と年齢は」
 私は紅茶を少し飲んでからその話をきりだした。そして依頼主であるいかついオジサンは最終的に角砂糖を5個入れ、それを普通に飲み干してから話し出した。勇者だと思った。
「ああ、そうか。名前をまだ名乗っていなかったな。俺の名前は東海 功(とうかい いさお)、歳は49だ。依頼の内容とは、この前ある事件で仲間の一人が死んでな。そしてその場に俺もいてその仲間は俺の目の前で死んでいったんだ。だから後悔というかなんというか・・・・・・まあ、罪悪感だな俺だけ助かっちまったんだから。そんな時にお嬢ちゃんの店の張り紙を見つけてここに来たんだ」
そう言った後、イカツイおじさん—功さんは下を向いた。多分もの凄く自分を追い詰めているのだろう。なんともいえない表情になっている。
 でも今回の仕事は少し辛いな。何しろ生死が関わってる。まあ、しょうがない。これも仕事の内だ。
「そうですか。でも、大丈夫ですか? もしあなたの思い描いた事が現実になったとしてもあなたが思っているようには行かないかもしれませんよ? もしかしたらあなたが死んでしまうかもしれない」
 私はあえて問い詰めるような口調で訊く。確認のため。でも功さんはこう答えてきた。
「ああ。わかってる。だが、望みがあるならそれを実現してみたいんだ。もしかしたら成功して俺とあいつはこの時間に生きているのかもしれないから」
 もの凄く真剣な顔で言われてしまった。どうやら二言は無いらしい。
「・・・・・・わかりました。この依頼受けましょう」

Re: カワルミライ ( No.3 )
日時: 2016/02/07 16:45
名前: むつ (ID: HSAwT2Pg)
参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode=image&file=3689.jpg

*注意*

これからグロ描写があるかもしれませんので、よろしくお願いします。


*ついでだからどうでもいいこと*

作家プロフィールというところになんか書いてあります。
見た人がいたらどうだったか聞かせてくれたりすると嬉しいです。
というか、参考にしたいです。

 この小説は依然違うスレッドに書いていたものを復刻し、書き直し、書き足している小説です。ご了承くださいませ。

↑のURLはまゆの様に書いていただいたこの物語の主人公である神楽ちゃんのイラストです。いつみてもかわいい。あっ鼻血が……

Re: カワルミライ ( No.4 )
日時: 2016/02/07 17:11
名前: むつ (ID: HSAwT2Pg)

 私の言葉を聞くと、功さんは嬉しそうに言った。
「そうか、ありがとう」
 功さんは目に少し涙を浮かべていた。それを見て私は少し切なくなった。
 でも、その感情を押し殺して私がやることをやる。そして今のことには関係ないけどこう思った。お付の人は、何か意味あるのかな・・・・・・。と。でも聞かない事にした。
 今からやることには関係のだから。
「それでは、この紙に手を置き、あなたがどう過去を変えたいのかを正確にしたいのかを思い浮かべてください」
 私は功さんに紙を差し出した。紙を渡された功さんの顔はみるみる険しくなっていく。
「これにか?」
 まあ、そう言うのも仕方がない。紙といっても《見るだけでは》何の変哲もない紙だ。ペラペラの髪切れた。真っ白いA4のコピー用紙だ。
「まあ、一応やってみてくださいよ」
 でも、功さんは信じずに怒ってくる。
「いい加減にしろ! 俺のこの話をバカにしているんだろ!! そして、俺の話を聞いてあざ笑っていたんだな! そうだと思ってたんだ! 怪しいって! もうs・・・・・・」
「だったら、帰っていいですよ。まだお金もおらっていませんし。でもすごいですね。そんなお店に勝手に足を運んできたのはあなただというのに。【勝手に】被害者ズラして」
 私は功さんの言葉を遮った。ムカついたから。それに・・・・・・。
「それに、そんなことを言うのはまず、やってみてから言ってください」
 これが私の本音だ。私と功さんの間を隔てる机にバンッと激しく紙を置く。机の上に置いてあったディーカップの中身はみんなほとんど飲み干していたので飲み物はなにも零れなかった。お付の人が功さんに「彼女の言うとおりでは・・・」と恐縮ながら言葉を促す。怖そうな人だが、結構いい人なのかもしれない。
 それを聞いた功さんが、怒りを抑えるようにしながらコクリとうなずき、言った。
「わかった。やってみよう。ただし、何も起こらなかった場合は、わかっているな」
 凄く怖い顔で言われた。ドスが少し聞いていた。そして私はうなずく。
「わかっています。では、手を紙の上にのせてください。全て思い浮かべるまで、目を閉じて、絶対に紙から手を離さないでくださいね」
「うむ」
 功さんは頷き紙に手を置いて目をつぶる。その瞬間、紙にあることが起こる。それを見たお付の人は驚愕の表情を浮かべた。それもそうだろう。功さんが手を置いている紙は、今、光ながらあるものを綴っているのだから。
「な、なんだこれ」
 功さんのお付きの人が呆然とその光景をているなか私は真剣にその様子を伺っていた。その光景は私にとっては見慣れたものだから。
 でも私も、最初この光景をみた時には驚いた。けれど今は驚かない。
 私がお付の人たちの反応を見ているうちに功さんは全部思い浮かべ終わったらしく、「よし」と言って目を開け、紙から手をどかした。
「!!」
 そして驚いた。こんな光景も見慣れている。言うならばこの店の恒例みたいなものだ。
「それでは、大丈夫ですね。では、この紙もらいますね」
 私は彼から紙をもらう。そうしている間も功さんたちは呆然とその紙を見つめている。でもそんな功さんたちの視線を無視し、私はその光っている紙を見る。
 そこに描いてあるのは手を置いた人物がどういうことを改変したいのか、そしてどのような感じにしたいのかが文章と動画みたいな感じに描いてある。
 要するに把握するのだ。これから私が起こそうとしていることを。
 だが今回は、いつもを違うところがここにはあった。いつもこれを見ている時は無表情で少し動揺をしても隠せていた。しかし今回の私は動揺を隠せなかった。
「うそ・・・・・・」
 そこには見覚えのある顔が1つあった。名は彩穂 徹(さいほ とる)。
この前やはり過去を変えたいといって来た、かつての依頼人である。
「こんな事ってあるんだ・・・・・・」
 光る紙を見ながら驚いている私を見て、顔を少し青くしている私を見て、功さんは心配そうに声をかけてきた。
「お嬢ちゃん? どうした? そんな驚いた顔をして」
「いえ、あの・・・・・・」
 私は言おうかどうしようか迷う。それもそうだ。このことは偶然起きてしまった、絶対あってはいけないことだ。言ってしまえば禁忌だ。
 私が過去を変えたせいで依頼した人は死に、その依頼した人が生き残って欲しいと願った人は生き残った。そして今は、その生き残った人が、かつての依頼人である人を一緒にこの時代で生きたいと願っている。なんか怖い。自分にはあまり関係ないなんていうことはわかっている。
 ただ、無限ループになりそうだから。怖いんだ。この人たちの願いを私は弄んでいるような気がしていやなんだ。私はどうすればいいのだろう。そう思いつつ、功さんたちの顔を見ると、私のことを心配そうに見ていた。
 私のことを“心配”してくれているのだろうか?
「お嬢ちゃん? ほんとに大丈夫か?」
している感じたなこれは・・・・・・。どうしよ・・・・・・。でも、言わなくちゃいけないよね。
 私は、一応確認を取るために功さんに少し低いトーンでこう言った。
「私が驚いた事を言っても、驚きませんか?」
 その言葉を聞いた功さんは頷いてくれた。コクリと。何も言わずに。
「そうですか——。では、あなたが今、助けようとしている人は、この前にここに来ました。あなたを——助けるために。あなたを——生き返らせるために」


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