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わたしのとなりに
日時: 2016/02/15 20:27
名前: sfp (ID: bUOIFFcu)

もし、自分のまわりに人を位置づけるとしたら。

わたしのとなりには、君にいてほしいんです。

***

こんにちは。初めまして。sfpと申します。
更新速度は時によってかなりのバラつきがありますが、それでも完結はさせたいと思っておりますので、どうぞ最後までお付き合いください。

目次
随時更新致します。

それでは。

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Re: わたしのとなりに ( No.1 )
日時: 2016/02/17 22:58
名前: sfp (ID: bUOIFFcu)

prologue

もし、自分のまわりに人を位置付けるとしたら。

わたしのとなりには、君にいてほしいんです。

***

世の中には男子と女子というものがあって、比率的にはほぼ一緒くらいの割合で生きています。

つまり、どれだけ避けたいと思っても、男子と女子が共存するのは必須のことであって。
どれだけ接したくなくても、それなりに接することは強いられてしまって。

結果、わたしには潜在的に男子を遠ざけるという特技がついてしまったようでした。

女子といる時にはなんともないのに、男子といる時にだけ変に緊張してしまったり、不自然にどもってしまったり。男性恐怖症とまでは言いませんが、おおよそ普通の状態ではいられないのです。

それがどうしてなのか、わたし自身わかっているのですけど、どうしても変えられなくて。

男子となんか接したくない、と思うのが普通だったんです。

…普通、だったんですけど。

どうやらわたしは、君に出会って、少し変わってしまったようでした。

Re: わたしのとなりに ( No.2 )
日時: 2016/02/25 18:16
名前: sfp (ID: bUOIFFcu)

1. わたしのまわりに

「ねえ、何組だった?」
「先生イケメンだといいなー」
「クラス一緒だったよー!」
「自分の名前見つかんねーんだけど...」
「9組かー、なんか場所遠そう」

騒がしい声が周りを包む。
今日は中学校の入学式...ここ、朝夷中学校の、入学式。
かくいうわたしも新入生で、今日から中学生。

中学生か...。
小学校の頃は、なんかパッとした思い出も無かったし、いい友達できるといいな...。

なんてぼんやり考えていると、後ろから掛けられる、声。

「桜、クラス一緒だよ!」
「さくちゃんと一緒なの、3年生以来だね〜」
「あ...鳴菜、里恋ちゃん」

同じ小学校から来た、鳴菜と里恋ちゃんだった。
可もなく不可もなく、みたいな人でよかったかな、なんて感想を抱いてしまう。一部の話が合わない人達と一緒になるのは嫌だけど、仲良しが集まってもつまらない。

ここ、朝夷中学校は、3つの小学校が集まる中学校だ。
櫻羽小、上乗小、品宮小の3校のうち、わたしたちの出身は品宮小で、1番規模の小さい小学校。よって中学のクラスの中でも人数は少ない。

そういえば何組だっけ、とクラスの一覧を見る。
鳴菜と里恋ちゃんが話しているのを聞きつつ、名前を探した。

(えーと、碧海、碧海...あ、6組)

6組の1番上に「碧海 桜」と自分の名前を見つけた。我ながら漫画か何かに出てきそうな名前だな...と毎回のように思う。
下にたどっていくと、確かに「霜野 鳴菜」「水川 里恋」の名前を見つけた。

「桜、そろそろ教室行こっか」
「あ、そうだね」

隣の人とか、どんな人なのかな...と、少しわくわくしながら教室に行くため歩き出した。

大きな桜の木から舞った桜の花びらが視界を悪くする中、校舎へと向かう。ありきたりな表現だけど、中学校生活に少しの期待と不安を寄せた。

Re: わたしのとなりに ( No.3 )
日時: 2016/03/19 23:10
名前: sfp (ID: bUOIFFcu)

「ここかぁ」

異常に長く感じる廊下を歩きながら、たどり着いた6組。

まだクラスにはまばらに人がいる状態で、全員揃うには時間がかかりそうだった。わたしの隣の人も来ていない。

(名前、葦杜 燈哉って言うのか)

読み方は、ももや?とうや?名字は更によくわからない。珍しい名前だな、まあ来たら聞けばいいか、と悠長に構える。

案の定クラスでの品宮小の割合は少なく、鳴菜と里恋ちゃん以外には品宮小の女子はいなかった。

そんなことを考えながらゆるゆると過ごしていると、案外あっという間にクラスには人がやってきて、9割は既に来ていた。

そして、全員が揃ったかのように見えたとき、はたと気付く。

隣の人がまだ来てない。

他の人たちはもう来ていて、席にも着いているのに、その人だけ来ていなかった。そしてその人が来ないまま、先生が来てしまった。

「皆さん初めまして、担任の嶋村 晴他です。中学校生活ではわからないことだらけかもしれませんが、全力で皆さんをサポートしていきますので、1年間どうぞよろしくお願いします」

きっちりした挨拶だったけど、先生の口調が柔らかくて、あんまり堅くは感じなかった。しまむら、はるた…しまむら はるた、しまむら はるた。よし、覚えたはず。

「それじゃあ、入学式の説明を…あれ?葦杜くん来てないのかな」

先生が来てないのに気づいた。
ていうか、「あしど」くんって言うのか…やっぱり変わった名前。

皆が葦杜くんの席を見ながらざわつく。入学早々に遅刻とは恐るべし…という会話が主なようだった。先生の「はいはい、静かに」という言葉で静まる。

「葦杜くんについては、先生がなんとかしますので気にせず。じゃあ、入学式の流れを説明します」

そしてそのまま、終ぞ葦杜くんは来ないまま入学式に突入した…。


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