コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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私が知っている魔法少女と何か違う!
日時: 2016/02/19 23:03
名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)

ルーミャ作第3弾。まぁ、1つもまともに進められていないんですけどね。

ちょっとやり過ぎな部分もあるかもですが、気にしないで暖かい目で見てくださると嬉しいです。

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Re: 私が知っている魔法少女と何か違う! ( No.1 )
日時: 2016/02/20 00:11
名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)

「はぁ……」
帰り道、私は1つの紙切れを遠い目で見ながら溜め息をついた。
それはテストの用紙。中でも特に苦手な英語は、今にも赤点になっても可笑しくない程酷かった。
「あーあ、またやっちゃったぁ……」



「ただいまぁ〜……」
ガチャリと玄関のドアを開ける。
母「あら、まーたテストで悪い点を取ったの?」
母は何でも私の心を透かす。いや、私が分かりやすいだけなのだろうか。
母「ま、赤点取るのはいいけどせめて彼氏は作りなさいよ」
「余計なお世話」
リビングでくづろこうとボスッとリビングのカーペットに身体をぶん投げる。
その時、丁度テレビで魔法少女モノのアニメがやっていた。
史「やっちゃえー」
声を張ってアニメに向かって叫ぶのは私の妹、史である。
しばらく私も妹と一緒にアニメを見ていた。



私は二階の個室のベッドに飛び込むと、シクシクと涙で枕を濡らす。
「あーあー、私も魔法少女になって、町の平和を守れば勉強とかサボれるのになぁ」
叶うはずもない願望を、溜め息混じりに呟く。
「……勉強しよ」
むくりとベッドから立ち上がり、バッグから勉強道具を取り出す。そんな時、
「……君が、魔法少女になる事を希望している少女かい?」
「そうよ、馬鹿みたいでしょ? あー、魔法少女になれたらなー」
「へぇ……じゃあさ、なってみない? 魔法少女に」
「あー、うん。暇あったらその魔法少女ごっこに付き合ったげるけど、今勉強で忙しいのよ。分かる? もう赤点取りそうで危ないのよ」
「……いや、だから、魔法少女になってみない? 本物の」
「だ、か、ら! 私は忙しいって言ってるの! 大体何よ、そんな小さくてぬいぐるみみたいなのが偉そうに……分かってる!?」
なんと私の前に、ネズミのぬいぐるみが立っていたのだ。
「ちょ、普通反応おかしいでしょ。そこ驚くとこじゃない?」
「知ったことじゃないわよ! 今ムシャクシャしてるんだから!」
「あ、そうかい……てぇ、そうじゃないってば! 此方の話を聞いて!」
「〜♪」
あまりにもぬいぐるみが煩かったので、ヘッドホンを掛け、音量Maxで音楽を掛けて勉強に取り組んだ。



「はぁー、疲れた。ちょっと休憩」
「……まだ10分も立ってないけど、そんなことよりですね、僕の話を」
「……え、エエエエエエエ!!? ぬいぐるみ!? ぬいぐるみが喋った!?」
「反応遅すぎるよ! てかさっきまで普通に会話してたよね!?」
「……え、やだ。私ったら勉強のしすぎで夢見てるの?」
あー、何だろう、疲れてたのかも。
「あのさぁ……それで本題に入るけど、魔法少女に、なってみない?」
「え?」
思わずきょとんとした反応をしてしまう。
「嘘〜? 有り得ないでしょ? 流石に無理だとおもうけどなぁ」
「いや、僕自体が非現実な存在だとおもうけど」
「……ホント? 嘘ついてない?」
「嘘ついたら針千本飲んでもいいよ」
この自信から、嘘をついてるとは思えない。
「じゃあ私、可愛い服とかに変身出来るの!?」 
「……え、あぁ、多分なれるんじゃないかな」
何その曖昧な返事。正直怖い。
「さて、天界に案内する前に、君、名前は?」
「え? 私? 私の名前は……」

「甘奈。南条甘奈よ」





「……どんどん魔物が侵食してきてるなぁ、そろそろ本格的にここらの魔法少女を探さないと」
とある夕方の事だ。僕の耳にある言葉が聞こえてきた。
『あーあー、私も魔法少女になって、町の平和を守れば勉強とかサボれるのになぁ』
ふいっと声の先を探知する。……一般的な家だなぁ。ここの人はあんま稼げてなさそうだなぁ。と考えてるのを余所に、少女の元にワープした。



僕がワープした先にいたのは、一つ縛りで長い髪を束ねた、白の制服を纏った美少女であった。思わず見とれてしまう。
と、そうでない。早速勧誘せねば。
しかし、彼女とは一切話が合わず、仕舞いには無視されてしまった。仕方無く辛抱強く待つこととした。
……10分も待たずして彼女は勉強をやめてしまった。この調子だと魔法少女になるのは難しそうではある。それ以前に人間としてよいのだろうか。その後すぐ、彼女は僕が話すのを見るなり、驚愕しまくっていた。なんて反応の遅さだ。僕が驚きたい。
そのあと、彼女を説得してこれからの相棒になると思うが、こんな彼女でこの町を守れるのだろうか、と一抹の不安がよぎった。

Re: 私が知っている魔法少女と何か違う! ( No.2 )
日時: 2016/02/27 14:01
名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)

甘奈「……貴方、さっき天界とかなんたら言ってなかった? 普通、最初はピンチの時に変身セットもらえていきなり変身することが出来たりするんじゃないの?」
すると、馬鹿にするようにネズミの人形が溜め息をついた。
「いや、それはアニメの見すぎなんじゃ……知りもしない人にいきなり変身セットあげて、スーツのサイズ合ってなかったらただ事じゃないでしょ。最悪女の子の可愛い……」
甘奈「警察に通報されたくなかったら、その口を縫いあわせなさい」
「僕は元々人形だから、そんな事を言われても脅しになんない……」
甘奈「中身の綿を抉り取る」
「すみませんでした。まぁ、簡単に言うと町を守る為に魔法少女になることを誓わせる、契約書を書いてもらうんだよ」
甘奈「うへぇ……そういうかしこまったのって、私苦手なんだけど。あと町の平和を守るのはあたり前なんだ」
「そそ、じゃあ天界行こうか」
甘奈「……天界って、天国? 私死ぬの?」
「え、何でそんな流れになったの? 違うよ、人に見られないように、魔法で隠してある場所だよ。そこが天界。君が言うそういうのとはちょっと違うよ」
何で天界……と、疑問に思う甘奈を無視して、ネズミは魔法を唱える。
「いいから。そろそろ行くよ」
甘奈「あ……うん。そろそろご飯だけど、大丈夫かなぁ」


天界。それは非常に長いただのビルのようであった。
甘奈「……え。ここが天界?」
「そうだよ。地下にしては良いところだろ? やっぱり地球は凄いよね」
甘奈「……まぁいいわ。さっさとサインしましょ」
ツッコミも疲れてきて、適当にそう言うと中へと入る。しかし、中はガランとしていて、人がいる気配は全くしない。
甘奈「……あの、誰もいないんだけど」
「そりゃ、日中誰かがサインしに来る訳じゃないからね。あとここは無人だよ。ほら、あそこに契約書あるから、書いていきなよ。数日後に変身セットと取扱説明書が届くから」
甘奈「……なんか、ショックだわ」
トボトボと歩いて契約書を取りだし、空いている席に座り、シャーペンを取りだし、サラサラと書き始める。
しばらくして目に着いたのが、
甘奈「ちょっと……」
スリーサイズの記入欄であった。しかも※必須とまで丁寧に書かれている。
甘奈「絶対ここの人、録な奴じゃないわ。きっと変態なジジイかおっさんよ! あーもう最悪……」
赤面し、グチグチと文句を言いながらも、きっちりと書く。
「嘘、書いてない?」
甘奈「書くわけないでしょ。で、書き終わったんだけど、何処に出せば良いの?」
「あそこにポストがあるから、出して終わり。早めに終わって良かったね。ご飯間に合うよ」
甘奈「それはどうも……」
ゲッソリしたように、低い声が出る。
「あーあの紙だけど、継続届も出さないといけないんだよね。スーツの新調の為にも」
甘奈「つまり、またあんなセクハラくさい事を書かされなくちゃいけないの? もう嫌〜」
最初から、イヤーな予感を仄めかせつつ、さらには魔法少女に幻滅をさせられた私であった。これからどうなるのだろうか。



この後……。
甘奈「そいえば、アニメ見たいなとか言ってなかった? アニメ見てるの? 人形なのに」
「まあね。あの勧誘術は僕も見習ってるよ。プリ●ュアとか」
甘奈「……それ、魔法少女関係ないじゃない」
「でも最近のは魔法使って戦うらしいね」
甘奈「あーはいはい、そうなんだ」
「まぁなんと言っても、一番の決め台詞は『僕と契約して、魔法少女になってよ!』かな。あれを言ってみたいな」
甘奈「言われなくて良かったわ……」
「それより、勉強しないといけないんじゃないの?」
甘奈「面倒くさーい」
「……本当にこんなんで務まるのかなぁ」

例の変身セットが届くのは、また別の日の話。

Re: 私が知っている魔法少女と何か違う! ( No.3 )
日時: 2016/06/28 13:34
名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)

甘奈「ふあーぁ……ん? 何この箱」
「ああ、それは今日変身セットが届いた物だよ」
ネズミの人形は箱を開けて、一冊の小さい書物を私に渡す。
「説明書。読んでおいてね」
甘奈「わかったわよ……ええと? えれめんたりー……何て読むの?」
「え……?」
私が目に通している書物をネズミがいきなり覗き込む。
「何だって……これは凄いよ。かなり凄い。エレメンタリー・ウイッチは本当に選ばれた者しかなれないんだ! 嘘だろう!?」
甘奈「いや、流石にそれはないでしょ」
チラッと、箱にある物を見る。
甘奈「ん……? それは」
「魔法のスティック。それで魔法を操るんだろうね」
甘奈「……普通」
木彫りされているように見える不格好な棒を手にする。
「あ、それは世界樹の一部だから気をつけて扱ってね」
甘奈「世界……」
神話上の中にしか存在しないはずの名前を聞いて呆気にとられる。私はそういう、歴史の話は大好きだが、この棒がその世界樹の一部とは。
「さて、そんなことより早速実践だね。かなり上級魔法が多いから気をつけてね」
甘奈「う、うん……ところで、変身方法は?」
「魔法はね、心の底に反応して使われるから、変身したいって思えば出来るよ」
甘奈「口上は?」
「どっちでもいい」
しばらく私は悩んだ。これは今後使われる口上であるだろうし、しっかり考えなくちゃ。そして考えた結果がこれである。
甘奈「変身、スーパーカンナ!!」
「……ダサ……いいんじゃないかな。いい味出てるよ」
甘奈「聞こえてるわよ」
ギリギリとネズミの顔を締め上げる。恥ずかしくてこっちの顔は真っ赤であった。
甘奈「はぁ……難しいよ」
「説明書読んでない? 確か君の名前が乗っているはずだけど」
甘奈「えー? どれどれ……コードネーム……『感情』。ん? え? なに感情って……」
何度も目を擦って見るが、その文字は変わらない。
「いいじゃん。魔法少女『カン・ジョー』」
甘奈「肉弾戦得意そうな名前ね。もっとかっこよかったり可愛い名前ついてるんじゃないの?」
「何度も言うけどアニメとかじゃないから……あと、どうしてもセリフ入れたいんだ」
甘奈「魔法少女だから」
結局口上が決まらず、一日が経った。
甘奈「……」
ハラリ。和英辞書を捲る。そして、やっと見つかった。見つけた答えは。



「え? まだ口上の事諦めて無かったの?」
甘奈「そそ、でも結構いいセリフだと思うよ……さて、いくよ!」
私は深呼吸をすると、棒を掲げる。
甘奈「『女神よ、この私に力を授け、力を捧げよ! トランス……て、あれぇ!?」
しかし、呪文みたいな言葉を唱えている間に既に変身は終わっていた。
「長いよ」
「えー……てか、これただの制服じゃ」
フリフリしてみるが、ただのセーラー服である。しかし、数段に動きやすい。
甘奈「今ならどこにでも行ける気がする」
「行けるよ、魔法少女だから……ところで、最後は何て言おうとしたのさ?」




甘奈「魔法少女、『フィーラ』。私の名前と、感情の英語、『フィーリング』を合わせたのよ」












あれから、しばらくが経った。特になにも無い学校生活が続く。そんな訳が無かった。
「……これは、魔物の気配だね。そろそろ準備しといた方がいいよ」
甘奈「え? 私初めてだよ? 出来るかな」
現在授業中。ネズミは、バッグのアクセサリーとして置いている。大きすぎるけど。
「出来るさ、あれだけ練習を重ねたんだ。さぁ……来るぞ!!」
ダアアァァン!!!
爆発音が校舎内に大きく響く。悲鳴が大きく聞こえ、避難が指示される。
甘奈「あ、私はトイレに……」
教師「後でです! 今したいのなら漏らして下さい!」
酷すぎる。とは言え変身したいだけなので、ここは強引に突破させてもらう。
甘奈「私は後で行くんで……我慢できなーい」





甘奈「あれが……て、でかい」
想像通りなのだが、やっぱり緊張が走る。



甘奈「トランス、【フィーラ】」


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