コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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Kanon*〜追走曲〜*
日時: 2016/02/25 19:10
名前: 菜帆 (ID: n1enhNEv)

はじめまして!菜帆です

恋愛ものを書いていきたいと思います

先生と、先輩と、幼なじみとの恋愛等々・・

逆ハーレムが苦手な方はお戻りください

コメント、リクエスト気軽にどうぞー!!



* 登場人物 *(随時更新)

朱峰 琴奈(あかみね ことな)
・2-A。国際科所属の図書委員長

柊 貴彦(ひいらぎ たかひこ)
・英語科の教師。26歳の独身

光雅 陽平(こうが ようへい)
・2-C。理数科所属のバスケ部
琴奈と奈緒の幼なじみ

里田 奈緒(さとだ なお)
・2-B。普通科の帰宅部
琴奈と陽平の幼なじみ


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Re: Kanon*〜追走曲〜* ( No.1 )
日時: 2016/02/25 19:53
名前: 菜帆 (ID: n1enhNEv)

一章 *ずっと一緒だったから。もっと一緒にいようね*

プロローグ 琴奈side

一緒にいるのが当たり前だった
彼氏にしたいとかそんなのじゃなくて、ただ一緒にいるのが日常だった
だから君の気持ちに気付かなかった
鈍感だよね。でも君の気持ちに答えて良いの?
私はこのままでいたい
少しでも踏み込んだら、壊れちゃう
この距離でいいんだよ

だから___ごめんね
私は恋はしないって決めた
あの日あなたは私を救ってくれた
傷は充分癒えた
だからまた傷つきたくない

所詮は自分の為なんだ。ずるいよね

Re: Kanon*〜追走曲〜* ( No.2 )
日時: 2016/02/26 21:24
名前: 菜帆 (ID: n1enhNEv)

一話 *恋は人を変えるんだよ?* 琴奈side

うーん、何かが違う。
高校生活も二年がたって、委員会にも入って、そこそこ上々の成績で、それなりに優等生になってたつもりなんだけどな
何か違う。別に間違ってはないと思うんだけどな
違うというか・・足りない?何か物足りないのかも
色々手に入れてきたはずなのに
まだ足りないものがあるのか

「それはずばり、恋だよ!」

私には何が足りないのか・・それが解決すればこの気持ちもスッキリするのかな
こんなんじゃ当分無理だな・・諦めも重要だよね
この生活もそこそこ満足してるもん

「だーかーらー。恋することだってー!」

別に充実してなくて良いか。今もすごく楽しいし
全部手に入れたらつまらないって本に書いてあった

「ちょ、琴奈?」

これでいいんだよ。これでいいんだ。うん

「あの。」
「ちょっと奈緒。今真剣に考えてたのに。」
「琴奈ひどくない!?ずっと話し掛けてたのに!」

涙目で訴えるのは友達の奈緒
茶色がかった黒髪を二つ結びしてる彼女はすごく可愛い
二個上の彼氏もいるんだとか
俗にいうリア充ってやつ。よくわからないけど
こうやってからかうのはいつものパターン
考えてたことは嘘じゃないけどさ
定番化してきているせいか、やられてる奈緒も心なしか楽しそうに見えてきてしまう

「で、何?鯉飼えば良いの?」
「違うってば!!恋をするんだよ」

恋?なにそれ?
とか言い出すまで私は天然ではない。恋ぐらい知ってるよ
絶賛青春中の奈緒と一緒にいたらそういう知識は嫌というほど入ってくる

「じゃあ経験はどうなのよ」
「それは・・その・・」

私がゴニョゴニョしてると奈緒は顔を近付けてきた
すごく近い。近い。良い匂いする。近い

「あのね琴奈。恋は人を変えるんだよ?」

Re: Kanon*〜追走曲〜* ( No.3 )
日時: 2016/02/26 23:19
名前: 菜帆 (ID: n1enhNEv)

一話 〜another story〜 陽平side

ずっと好きだった。
いや、今も好きかな
いずれ気付いてもらえると思ってたんだけどなあ
もしかして脈なし・・?
でも諦めきれないよね
俺の気持ちはもう戻れないぐらい大きいものになっちゃってる

「よーへー。」

隣を向けばいつもの彼女の顔
軽く上目遣いをするのがあざといけど、自然体なんだろうな
風に靡く黒髪もはにかむ顔も素敵だ

「ん?」

無邪気で天真爛漫な彼女は誰でも惹き付ける魅力がある
モテるらしいし、幼なじみなのに別次元の人って感じ
俺とつりあうのか心配になるときもしばしば

「一緒にいてもう8年だね」

もうそんなに経つのか。
年月が過ぎるのは早いような、遅いような

「ああ、そうだな」

これからも一緒にいられるのだろうか
一緒の高校行けただけでも奇跡に近いのに
この先どうなるか分からない
それが凄く怖い

「10年経ったらお祝いしようか」

3年前の5年記念にもお祝いしたっけな
ケーキ買ってたくさん喋って・・楽しかったなあ
3年前は彼女のこと、どう思ってたっけな
忘れてしまった

「良いね。やろう!」

また良い思い出をつくりたい
そう思うようになったのはいつからだったかな

「あ、でも無理かもしれないね」
「え?」

俺が首を傾げると彼女はうつむいた
何を言われるかわからないけど、その姿に心がチクッと痛んだ

「陽平もいずれ彼女できちゃうしさ」
「・・・」

彼女はお前だよ
__なんてカッコいいこと言えたら良いのに
一生無理かな。俺には合わない

「私には関係ないけどね」

やめろ。関係無いなんて言わないでくれ
彼女なんてつくらないでって言ってくれ
嫉妬してくれ
__なんてわがままだよな
ほんと、カッコ悪い

「お祝いはしよう、約束な」

だから俺は、まだこんなことしか言えない

Re: Kanon*〜追走曲〜* ( No.4 )
日時: 2016/03/14 17:55
名前: 菜帆 (ID: n1enhNEv)

二話 *少しの違和感* 琴奈side

「お、朱峰」

昼休み。図書室から教室に戻る私を呼ぶ、少し鼻がかった声がした
生徒から慕われてて親しみやすい、悪く言えばチャラい先生

「こんにちは。柊先生」

柊貴彦先生は英語の先生。私が入ってる図書委員会の担当でもある
少し茶髪っぽくて今どき(?)っぽいおしゃれな服を着ている
今日も高身長を活かした黒いジャケットに水色のシャツ、地味すぎず派手過ぎずに着こなしている

「ちょうど良かった。明日の委員会のことで打ち合わせしたいことあるんだけど、放課後あいてる?」

少しフランクな感じがするのはいつものこと。これも接しやすいと生徒には評判らしい
先生に接しやすさとか求めてない私には分からないな
今日も特に用はないので打ち合わせにはちゃんと参加しないとね

「大丈夫です。副委員長にも伝えておきますね」

私がそう言うと、柊先生は少し慌てた様子で制した

「あ、いや。朱峰だけでいいよ」

私はその言葉に多少の違和感を感じた
先生の声色は明らかに焦っているように見える
いつもなら私と副委員長の茜、一年の柚夏ちゃんの三人で打ち合わせをしているはずなのに・・

「分かりました」

いや、気のせいだよね・・
詮索深いのは私の悪い癖だな
何か重要なことなのかもしれないし

「よっ。何やってるんだ?」

ぼーっとしてる私の顔をまじまじと見つめる陽平。私の幼なじみです
バスケ部に所属してて運動神経抜群
いつも周りに人がいるような人気者がこんな人気のないところにいるものなのか?

「考え事かな。よーへーこそ何してるの?こんなところで」

陽平は少し頭を掻いて後ずさった
なんか隠してるな・・
目線が泳いでる。鈍い人でも怪しいってことはじゅうぶん分かる

「へへっ、内緒!」

そのまま陽平は屋上の方へ走っていった
屋上に何かあるのかな?行ってみようかな
いや、さっき余計な詮索は良くないと思ったばかりではないか

放課後。

「琴奈、一緒に帰ろ!」

左右に結ばれた髪をぴょこんと揺らして奈緒がやって来た
一緒に帰りたいのは山々だけど、あいにく今日は用事があるんだった
悪いけどまた明日一緒に帰ろう

「ごめん。今日委員会の打ち合わせが・・」
「それって貴彦先生いる?」

珍しく奈緒は私の言葉を遮った
なんで貴彦先生?
奈緒は国際科じゃないから貴彦先生とは関わりがないはず

「うん。いるよ」

奈緒は顎に手をあてて少し考えるような仕草をした
少し。いつもと違う表情をしている気がした

「そっか・・。琴奈、私教室で待ってるから」

それはダメだ、申し訳ない
委員会の打ち合わせは最低でも30分はかかる
友達をそんな時間まで待たせておくわけにはいかない

「そんなの悪いって。先帰ってて」

私はそう言ったけど、奈緒は少し首を振った

「ううん、私が待っていたいの。そのかわりさ・・」

少し俯きがちだった奈緒の顔は紅に染まり、満面の笑みを施して言った

「ちょっと寄り道して帰ろ」


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