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- happy*spring!【短編集】【リク、お題募集中】
- 日時: 2016/02/27 16:51
- 名前: しろの (ID: HT/LCIMm)
今日はしろのです。
ここで春の話を一つ。
春ってものすごくワクワクしますよね。
桜が満開よりも、ちらほら柔らかく色づいてきたくらいが好きです。
あと、通学が電車なのですが駅につくまでのふわっと
見え隠れする春の匂いだとか。
あ、でも夜の星に見栄えする春の月とか・・・
もう好きなものをぎゅっと詰め込んだようなキラキラ。
それが私にとっての春なのだと思いますね。
ということで今回は春をテーマにたくさんの恋をぎゅぎゅっと
つめて皆様が少しでもきゅっとしていただければと思います。
二月27日午後。青空越しに春を見つつ。
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- Re: happy*spring!【短編集】 ( No.1 )
- 日時: 2016/02/27 16:44
- 名前: しろの (ID: HT/LCIMm)
≪ハルマチ。
体を包む風が柔らかくなった。ふわふわして、幸せにな気持ちになり
私、許斐のはらはふふっとその風に笑いかけてみる。
その時だった。私のあたまをくしゃっと撫ぜたのは、大好きな先輩。
そして、そして・・・私の想い人でもある。
「おはよっのはら。お前なんでそんな笑顔なんだよ。」
「おはよございますっ。ええ〜?春の花とか見たからですよ〜」
先輩に会えたから、なんて言えない。
この片思いももう終わりだから。
そう、先輩は卒業なのだ。
「やっぱ、大学は地方の方、ですか」
「んー、まあでもちょくちょく帰ってくるし。」
できれば、その言葉を信じて甘えていたい。
けど、新しい環境に行ったらそこで馴染んでしまうことを
知っているから。
私は、滲む視界をどうにか保ちながら曖昧に笑う。
先輩はいつもから考えられないぐらい優しく目元に指をあてると
軽く拭い取った。
その指は、躊躇った後唇に当てるとそこに自分の唇を乗せた。
至近距離の指越しのキス。
唇じゃないのになぜか、熱と甘みは唇に移った。
ゆっくりと先輩は言葉を紡ぐ。
「俺は、あっちでやりたいことがある。でも必ず帰ってくる。」
私はぽろぽろと溢れ出す涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら
うん、うんと頷く。
「だって、お前は待っててくれるんだろ?」
そういって取り出したのはきゃしゃで可愛い桜の花びらのキーホルダー
だから、待ってて。小さく呟くと先輩は走って行った。
立ち尽くしたまま私は何のけなしに可愛いキーホルダーの裏を見る。
そこには油性ペンで好きだよ、の文字。
私は幸せで心が満たされるのを感じながら胸いっぱいに
春の匂いを吸い込んだ。
私は春を待っている。
spring
end
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