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- いつかまた、どこかで
- 日時: 2016/03/02 18:22
- 名前: 月影樹野 (ID: MKQiWlnd)
【登場人物】
名前/読み:朱霧光/あかぎりひかる
性別:男
性格:短気で負けず嫌い。わがままと思われがちだが優しい面もある。
備考:紅国の仮王子。輝と顔がよく似ている。
名前/読み:(本名)朱霧小夜/あかぎりさよ (偽名)月影小夜/つきかげさよ
性別:女
性格:真面目で自分の仕事に責任を持つ。実はかなりの策士。
備考:光に仕える召使い。光の双子の姉だが周りには隠している。普段は偽名を使う。短髪で男と間違われることもしばしば。
名前/読み:紅霧輝/あかぎりひかる
性別:男
性格:大人しく内気。でも行動力は凄い。
備考:紅国の本当の王子。光と同姓同名で顔もよく似ている。
名前/読み:宮久野海斗/みやくのかいと
性別:男
性格:優しくて面倒見が良い。信頼も厚く好かれやすい。
備考:未来の兄。紅国の軍隊に所属している。剣術を得意とする。
名前/読み:宮久野未来/みやくのみく
性別:女
性格:明るく天真爛漫。サボり魔で遅刻の常習犯。
備考:海斗の妹。王宮に仕えるメイドで小夜とは親友。
名前/読み:竹中和葉/たけなかかずは
性別:女
性格:厳しいがとても優しい人。母親のような存在。サボり魔の未来に手を焼いている。
備考:王宮の召使いとメイドをまとめる待女長。光と小夜の関係を知っている。
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- Re: いつかまた、どこかで ( No.1 )
- 日時: 2016/03/07 12:19
- 名前: 月影樹野 (ID: MKQiWlnd)
【プロローグ】
昔々、紅国という国があった。その国の郊外、北の草原に幼い声が響いていた。
「光君どこ〜?」
黒髪の5歳位の少女が声を張り上げる。
「小夜ちゃん、こっちこっち!」
ひょこっと姿を現した少年。摘んでいたのだろうか。小さな手に一輪の花を持っている。
「これ、あげる!」
少女は目を輝かせた。
「ありがとう!この花、何ていうの?」
「カミツレだよ。『くらやみのなかのひかり』っていう花言葉があるんだって父さんが言ってた。」
「ふぅん。どういう意味なんだろうね。まあいいや。カミツレってすっごく可愛いね!」
「うん!そうだね」
少年はにっこり笑った。
ガサッ 突然、背後で草を踏む音。振り返ると男の人が立っている。
「父さん!どうしたの?」
少年が首を傾げる。
「光、小夜。大事な話があるんだ。家に戻ろうか」
「分かった。行こう、小夜」
「うん」
家に帰ると数人の男の人が玄関に立っていた。
「君が光君だね?」
「そーだよ。僕、朱霧光!おじさん達は誰?」
男達は父親に向かって言った。
「紅国の王が失脚した。その為、息子である王子は身を隠している。この子と王子は同姓同名だ」
男達は少年に目を向けた。
「この子は王子とよく似た顔立ちだ。他人なら誤魔化すことも可能だろう」
男の次の言葉で、二人の未来は引き裂かれた。
「光君を王子の身代わりとして連れて行きたい」
父親が息を飲む。
「身代わりとは、どういうことでしょうか」
「表向きの仕事、つまり、国民に顔を見られるような仕事は全て光君にやっていただきたいということです」
父親は思わず食ってかかった。
「光はまだ5歳ですよ!?そんなこと出来る訳無いでしょう!」
「ご安心下さい。私達が手引きします。それに身分を隠した輝王子の命令に光君は従っていれば良いだけです」
「それで……光は帰って来れますよね?」
父親が心配そうに尋ねた。
「輝王子の王権が復活し、無事に王子になれたら光君は戻れますよ」
「なれなかったら?」
「……貴方に断る権利はありませんよ。これは王家からの命令です。では、私達はこれで失礼させていただきます」
男は少年を抱え上げた。
「待って下さい!光は私の息子です!」
「行きましょう、光君。いや、輝王子」
「嫌だよ!僕、行かない!小夜ちゃんと一緒にいるんだ!」
「光君、行かないで!」
男は強引に父親を押し退け、少女は突き飛ばすような勢いで歩いて行く。
「光は私達の家族だ!私達から光を取り上げないでくれ!」
「光君を放して!お願い!」
その声は届かない。男達は王城の方へ行き、やがて見えなくなった。
「光君……行かないで……」
少女の手からカミツレの花が落ちた。花は少女の心を表すかのように風に煽られ、花びらを散らした。
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