コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- おい、コラ、おんどりゃぁぁぁああっっっ!!
- 日時: 2016/03/24 18:35
- 名前: 累 (ID: R4l9RSpR)
うぃ。
どーも、皆さんゴキゲンいかが?
自分は累という者です。以後お見知りおきを!
これからちょいちょい出没すると思いますので(笑)
時間が有り余った時、暇で死にそうな時やぼーっとしてる時、皆さんに息抜きとして気軽にお手にとって読んで頂ければと思います。
*あらすじ
→主人公の西澤万里(にしざわ ばんり)は成績優秀、品行方正、眉目秀麗の、目のつけようがない優等生だ。表向きは。
そんなイイコなワルイコの万里は、ある日食べ残したおいなり寿司を、今は廃れてしまった御狐神社のお狐さまにポイッと投げつけてしまう。
その日から、万里の日常は非日常へと変わっていき………
*お客様
→ダークネス様
→湯桁のろま様
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- Re: おい、コラ、おんどりゃぁぁぁああっっっ!! ( No.1 )
- 日時: 2016/03/11 16:24
- 名前: 累 (ID: R4l9RSpR)
第一話 「神は俺に竹林を遣わした」
「はぁぁぁ…………」
俺は体中の二酸化炭素を出さんばかりに深く息を吐いた。
ったく……こんなもん渡されても困るだけだ。
俺はチラリと左手に持った弁当箱を見た。
「面倒なもん押し付けやがって……あンの女……」
思い出しただけでもイライラしてくる。
俺はピンクの小さな花模様の弁当箱にぎりぎりと力を込めた。
ちなみに、コレは俺のではない。
俺はこんな趣味の悪い弁当箱なんか持ち歩かないし、そもそも俺は学食派だ。
それなら、なぜ俺が持っているのか。
答えは簡単。コレは俺が名前も知らない女からもらった弁当だからだ。
まぁ、普通の人なら、見ず知らずの人間から得たいのしれない食べ物を渡されそうになったら、大抵は断るだろう。
だがな。自分で言うのも何だが、俺は外面がいいんだ。
いくら必要のないものでも、そこは貰っておくのが優しさってもんだろ?俺は笑顔で受け取ったさ。あぁ、受け取ったとも。たとえ、学食を食べ終えてしまったあとに渡されたとしても、だ。
「どう……するか」
俺は歩みを止めた。
弁当を貰ってしまったからには、明日、渡してきた女に感想と共に洗った弁当箱を渡さなければいけない。だが、俺は今は腹は満ちている……。
感想は適当に言うとして……弁当の中身をどう始末するかが問題だ。
さすがに、食べ物を粗末に扱うのはもったいない。
「何か……この弁当を始末してくれるもんはねぇかなぁ……」
ただなんとなく、周囲を見渡してみる。
すると、見慣れた通学路の少し離れたところに、見慣れない竹林を見つけた。
……竹林……なんて、あったか……?
そんな素朴な疑問が浮かんだが、俺はその疑問を心のダンボールに詰め込んだ。
ナイスタイミングだ、竹林。ナイスだ、神様。
これでこの弁当の中身を捨て……土に還せる。
俺は駆け足でその竹林に近づいた。
- Re: おい、コラ、おんどりゃぁぁぁああっっっ!! ( No.2 )
- 日時: 2016/03/19 13:24
- 名前: 累 (ID: R4l9RSpR)
第二話 「神は俺に神社を遣わした」
「……んだよ……ここ……」
息を切らせながらもたどり着いたその竹林は、かぐや姫が出てきそうな普通の竹林ではなく、妖怪の出そうなおんぼろ神社だった。
それも、狛犬のごとく佇んでいるお狐様は、かつては対でだったんだろう。
今では一体のお狐様しかいない。盗まれたんだろうか?
とにかく、人っ子一人いなく、この神社だけポッカリと忘れられてしまった空間のようだった。
「土とかねぇし……神社じゃん、ここ」
小さくつぶやいた俺の言葉は、竹に吸い込まれるようにして消えてしまった。
これじゃあ、弁当の中身を土に還せないじゃないか。
おい、神様……俺に竹林を遣わして、俺を救ってくれたんじゃないのかよ…………
…………ん?
ちょっと待てよ?
ここ、神社だよな。
お参りするのって、アリだよな?
「お供え物って……アリだよな?」
ってことは、弁当の中身をお供え物としてここに捨……ゲフンゲフン置いておくのはいい事だよな?
俺の口の端がにんまりと歪んでいく。
神様、俺にお供え物をしろって、そう言いたいんですね?そうなんですね!!
「ふっ……なんか今日の俺ツイてるな」
俺はそそくさと弁当を出した。
弁当の蓋を開けると、中には太陽の光を浴びて黄金色にキラキラ光るいなりずしが綺麗に収められていた。甘いじょっぱい香りが鼻腔を付いて、少し食欲が出てきた。
「……これ、学食食べる前に欲しかった」
お供えするには少しもったいないが、今は仕方が無い。俺が弁当箱を持って、1歩、踏み出した時だった。
何かが、つま先に当たった。
ただそれだけの事なら、特に気にするようなことでもないだろう。
だけど実際は、高スピードでつま先をなにかにぶつけたのだ。
俺の体位は一気に崩れ、弁当箱は俺の手から飛び出した。
あっと声を出す間もなく、俺の手から飛び出した弁当箱はいなりずしを手放した。
手放されたいなりずしは、ふわりと空中浮遊したかと思うと、次の瞬間には、一つのお狐様の頭に激突した。
「あ」
声が出た時にはもう遅かった。
全いなりずしは一つ残らず無残な姿となってお狐様に降り掛かっていた。
…………。非常にまずい。これは掃除するのは面倒だぞ。
俺は勢いよく振り返った。
誰もいない。
左右も見たが、やはり誰もいなかった。
「…………」
俺は、こんな時、どうするのが最善か知っている。
「よし、ずらかろう」
「おい、コラおんどりゃぁぁぁああっっっ!!待やがれ!」
逃げようとした俺に、突然少女の声と鈍い衝撃が俺の背中に降り掛かってきた。
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