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Liar girl
日時: 2016/03/10 20:15
名前: もーこ (ID: eXW3SRJt)


*Liar girl 1

気づけば、冷たい風がつらぬく12月になっていた。
あいつと話さなくなって、もう9ヶ月もたったんだ。
あたりまえのことを今さら思い出し、ため息がこぼれる。
いい加減、話しかけてくれたっていいのに。

「糸月(しづき )!」
ポーンとボールが飛んできた。
「あいよっ」
わたしはそれをキャッチして、相手の体に向けて思いきり投げた。
「ピーッ!」
相手に当たったときに鳴る、先生の笛の音が体育館に響く。
「よし、いいね! 2人連続だよ」
「へへっ、まあちょろいもんだよ。うわっはっはー!」
大口を開けて豪快に笑うわたしだけど、本当はこんなこと思ってないし、こんなのわたしじゃない。
「ちゆっ、ナイスボール!」
「ありがとっ」
親指をたてて明華(めいか )に向かって笑う。
でも、全部こいつが悪いんだ。わたしが変わったのも、毎日楽しくないのも。
「次もがんばれよー」
「わかってるよ!」
大嫌いな明華に、またわたしは笑った。

もともと、明華のようにクラスで目立つ存在ではなかったわたしは、中学生になって、初めて女子をこわいと思った。
少しでも気に入らなかったら徹底的に嫌がらせをする明華。
授業でふざけてうるさく、先生にも屈しない明華。
自分と同じように性格の悪い人には優しくし、嫌われないようにする明華。
そんな人たちと一緒にいる明華。
初めてこんな人に出会った。どうしていいかわからずに、ただただ、嫌われないようにとしているうちに、いつしかわたしは変わって、昔の友達を裏切り、明華たちに笑顔でふるまい、明華と同じことをして、明華と同じ立場になった。
クラスの半分の女子は、わたしを嫌っているはずだ。もちろんその中には、小学校のころからの友達だっているんだろう。
もう迷いはなかった。ここまで来たならいっそのこと、明華のもとで一年を過ごしたって構わない。たとえ嫌われていたって、今さら戻ることはできない。
わたしは、自分に嘘をついて、自分を守っている。大嫌いな明華にも笑うことができる。

「いてっ」
「おいちゆ!あたってんじゃねーよ」
「ごめんごめん!」
そう笑いながら、心の声は明華に対する怒りでいっぱいになった。当たったっていいでしょ、なんであんたに言われないといけないの、男みたいな言葉づかいやめたら?そう言えたらいいのに。
体育館中に響くボールの音や、パス!、とさけぶ男子の声を聞きながら、外野へ歩いた。
ずっと作っていた笑顔も、ここでは必要ない。
安堵のため息をついた。
「あ…」
内野の線から出てちょうど外野に来たとき、すぐ目の前に一人の男子がいることに気づいた。
背が高くて、特徴的なえりあし。
急に心臓が激しく打ち出した。
そして、わたしはそいつから離れようと歩きだした。
話しかけてみようかなんて考えても、そんなことできるわけないって、知ってるから。
さけるために味方の方に一番近い端にきたはずなのに、残念ながらそれはできなかった。
「ヒュウ、パス!」
「っ!」
片手で投げたのに遠くまで飛んでいくボール。すぐ目の前でそのボールが通っていく。
すぐに外野にいる別の男子が受けとり、投げ返した。
「急にこっちに投げんなよな!」
外野の男子は笑いながら言う。
「ごめんごめん」
ヒュウは照れたような笑ったような変な表情で、それにこたえた。
「っ!!」
だれかがわたしを呼ぶ声がした。
でもそんなことにも気づかないくらい、うつむいて考えていた。
何が理由でこんな壁ができたんだろう。
どうすればよかったんだろう…。
「千優(ちゆう )っ!」
パッと顔をあげると、目の前にはボールが飛んできていた。
飛んできたほうを見てみると、そこには明華がいた。
バンっ!!
「…いったぁ…!!」
左腕に真っ直ぐ飛んできたボールは、それから跳ね返って、ヒュウに当たった。
「ごめーん、ちゆっっっ!!」
あー、うるさいな。
「だいじょーぶ!!こんなのへーきだって!」
そうだそうだ。みんなわたしのことなんて気にしないで、早くドッジボールを続けなよ!
「保健室行ったほうがいいんじゃない!!?」
「糸月ー、大丈夫かー?」
明華についで、先生まで…もう!!行けばいいんでしょ!?
「うーん、やっぱそうだね!先生!保健室行ってきます!」
「おう。一人で行けるか?」
「はいっ、大丈夫ですー!」
体育館には二つ出入り口があるけど、保健室に一番近いのは、コートを真っ直ぐに横切ったところにある出口だ。
「すみません〜…」
通らせてください、的なジェスチャーをしながら真っ直ぐにむかっていく。
と、そのとき、足元がぐらっと揺れ、わたしは足をひねった。
「うわっ?!」
倒れるかと思ったとき、近くにいた誰かが支えてくれた。
「ごめんっ、ありがと…っ」
痛む足首なんて関係ない。
ボールにつまづいた自分が情けなくて、はずかしくて、走り出した。
「走れるのかよっ…」
明華が笑う声がした。

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Re: Liar girl ( No.1 )
日時: 2016/03/11 16:17
名前: もーこ (ID: eXW3SRJt)

はじめまして、もーこと言います!
このたびは私のつたない文章を読んでくださり、ほんとうにありがとうございます!
初めての投稿でまだ色々よくわかっていませんが、これから不定期で出していくと思うので、読んでいただけるとうれしいです( *´艸`)

今回のはいちおう
『恋愛 』がメインとなっています 笑
( 読み返してみてわかりにくかったので・・・ )

主人公は糸月千優(しつきちゆう )、中3です。
こんなのに興味がある、という少し変わっている方は(失礼!?)ぜひ読んでください 笑

ではー

Re: Liar girl ( No.2 )
日時: 2016/03/11 19:32
名前: 侑磨 (ID: j24nS2D/)

私、ゆうすって言うんですが、恋愛とかめちゃくちゃ大好きです!
なので、とても楽しみにしてます。私も愛するものというのを書いてて
異世界の話なので見に来てください。


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