コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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【恋愛短編】HELLO,GOODBYE request
日時: 2016/03/11 16:46
名前: 七歩 ◆0fNnPHRZ0I (ID: so77plvG)

ご挨拶・短編概要. ゜*。:゜

クリックありがとうございます(〃・д・) -д-))
おはようございます、こんにちは、こんばんは。
7歩と申します。
別名義で長編を書いたりしておりますが、どうも長続きしないので友人のアドバイスで短編をやってみようと思います。
…とは言っても短編かどうかは怪しいです。
ネットに載せる短編のわりに長いような…(;^ω^)

内容は主にラブコメです。時々シリアスあるかも。
12個のお話を用意しているので、全部上げられたらいいなぁ…と(願望)
あと、感想等のコメントは大歓迎です(中傷等を除く)。来たら舞い上がって頑張っちゃいます!!

……と、いう訳でこれからよろしくお願いします。



現在更新中のお話. ゜*。:゜

『30回目の告白は』

1個目のお話なので、ふざけすぎず、ベタな設定のラブコメをやらせて頂きます。
内容はタイトルからお察しのとおり、1人の人に30回告白する話です。
楽しんで下されば幸い……(。-人-。)

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Re: 【恋愛短編】HELLO,GOODBYE request ( No.1 )
日時: 2016/03/11 16:54
名前: 七歩 ◆0fNnPHRZ0I (ID: so77plvG)


30回目の告白は. ゜*。:゜


2月25日(木)【告白の前夜】

“お話があります。放課後、屋上の前の階段まで来てください。”
小洒落た雑貨屋で買ったメモパッド。
可愛くて紙質もいいけど、お値段の割に中身は30枚と少ないため、しばし値札とにらめっこした覚えがある。

私は意味もなく自分の頬を叩き、小さく息を吐いた。
そして例のけちぃメモパッドの最後の1枚に“お決まりの”呼び出し文句を書き入れる。

いつから私たちはこれを果たし状と呼ぶようになったんだっけ…?

そもそもこのメモは、こうやって“先輩”を呼び出すためだけに買ったんだから、枚数なんて気にする必要なかったのかも。
…まさか自分でも、その30枚全てに同じことを書くとは思いもしてなかったけど。
「うりゃー!!ばかー!!こんちきちょー!!」
自室で1人、訳の分からないことを叫びながら、壁に枕を投げつけた。
今の私——“30回目にして最後の告白”を明日に控えた私には、そうやって胸の奥で騒ぎ立てる何かを誤魔化すことしかできないのだった。

Re: 【恋愛短編】HELLO,GOODBYE request ( No.2 )
日時: 2016/03/11 16:53
名前: 七歩 ◆0fNnPHRZ0I (ID: so77plvG)


30回目の告白は. ゜*。:゜


登場人物

佐倉 ひかり(さくら -)…主人公。高校1年生。
逸見 蒼也(いつみ そうや)…ひかりの意中の相手。高校2年生。

門原 杏(かどはら あんず)…ひかりの相談相手。蒼也とは1年の頃からクラスメイト。
堀越 夏子(ほりこし かこ)…ひかりの親友でクラスメイト。

Re: 【恋愛短編】HELLO,GOODBYE request ( No.3 )
日時: 2016/03/18 15:31
名前: 七歩 ◆0fNnPHRZ0I (ID: /ReVjAdg)


30回目の告白は. ゜*。:゜



【出会いの日】

先輩と初めて会ったのは、私がこの高校に入学して間もない頃だった。

入学したばかりで、特に仲のいい友達もまだいなかった私は、昼休みに「一人学校探検」なる悲しいぼっちタイムを送っていた。

その日の探検先は図書室だった。


まぁ本が好きと言うのもあるんだけど、一人で行っても浮かないのがいい。

ドアをそっと開けると、入ってすぐの所にあるカウンターにいかにも真面目そうな眼鏡の女子生徒が座っているのが見えた。……おそらく図書委員会の先輩だろう。

とりあえず中に入ると、奥まで続く本棚に沿って歩いた。
……有名で文学的な作品ばかりで、私が興味をひかれるものは特になかった。

それにしても、この本棚は随分背が高い。
背の低い私には跳んでも最上段の本が取れるか怪しい。
「(わ、私だって取れるはず……!!)」
私は妙に挑戦心を刺激された。
…………。
図書室は、幸い人が殆どいない。
私は最上段にある本の中から、緑の背表紙のものをテキトーに狙いを定めると、手を伸ばして一度跳んでみた。

「(……あれっ届かない……)」
もう少しなのだが、届かなかった。
そこで何故かムキになった私は、更にぴょんぴょんと何度も跳んで緑の背表紙を睨みつけた。

こうもなると、ますます悔しくなってくる。
……どうしたらいいものか……。

「俺が取ろうか?」
背後から静かに降ってきたそれに「へっ?」と間抜けな声が出た。
驚いて振り返ると、そこにはスラッとした男子生徒が立っていた。
落ち着いた涼やかな双眸に、すっと通った鼻筋、艶やかな黒髪……。……い、イケメンだ。
上履きの色を見ると、二年生の先輩だとわかった。

「一番上の段のあれ、取れないんでしょ?よかったら取ろうか?」
何も言えない私を不思議そうに見つめながら、先輩はまた心地よい低音を響かせた。
「(こんなイケメンのを……無下に断るわけにはいかない……!!)」
そこでようやく、私は盛大に目を泳がせながら声を絞り出すことができた。
「で、では、おお願いします……っ!!」
それを聞いた彼は小さく頷くと、例の緑の背表紙に向かって手を伸ばし、それをこともなげに取って見せた。
……その時少しのぞいた手首を見てわかった。
この人は運動できる……!!
筋肉質……という訳ではないが、運動している人ならではの感じだった。うまく言えないけど感覚でわかるのだ。

「はい。……これであってるよね?」
そう言って本を差し出す彼は、本の表紙と私との間で視線を行き来させ、少し驚いた顔ををしていた。
私はこくこくと頷きながら本を受け取ると、「何に驚いてるんだ?」と何気なく視線を落とした。

『Politics by the people 〜As for each state politics, why is an agreement not obtained by the people?〜』

顔が引き攣るのがわかった。
なるほど。彼は「この子、こんな難しそうな本を読むんだ……」といった事を考えたんだろう。

「あ、ありがとうございます……」
とりあえず私はなんとか謝辞を口にした。
「……どういたしまして」
彼は彼で本の事が気になりつつ、無駄に踏み込むのを躊躇っているように見えた。

私もこの本に興味があるわけではなかったので、細かい事を聞かれると困る。
小さく会釈すると、貸出カウンターへ向かった。(せっかく取ってもらったので借りざるを得なかった)
すると、さっきの真面目そうな図書委員さんが、イケメン先輩と同じような顔をしながらもすばやく貸出手続きをしてくれた。

そして、本を片手に図書室を後にした。
……まだ昼休みは残っている。仕方がないから教室に戻って、コレでも読むか……。

「(……にしても)」

ふとさっきの先輩の顔が浮かんだ。
か、かっこよかった……。



まぁまだこの時は、ただの憧れの対象でしかないわけだけど。


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