コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

デブスな私と美少女(♂)
日時: 2016/04/09 21:07
名前: 葱 (ID: 8F879P3u)




アクセスありがとうございます!ぺこり
こつこつ更新頑張りたいと思います
よろしくお願い致します。


《登場人物》


☆小森 あやさ -こもり あやさ- ♀16歳
身長168cm体重97キロの女子高生
あだ名は「大森」
自分の外見全てにコンプレックスを抱えている


★渋谷 希夜 -しぶや のえる- ♂16歳
身長163cm体重46キロの細め男子
今は亡き母の夢を叶えるために
女装をし「Noel」という名で芸能界で
人気を集めている


☆瀧川 歩美 -たつかわ あゆみ- ♀16歳
「Noel」に憧れる女子高生
とにかく純粋で清楚系
あやさの親友


★坂口 恭平 -さかぐち きょうへい- ♂16歳
長身でさわやか少年
誰にでも優しく人気者だが
かなりの性悪


☆間宮 優里 -まみや ゆり- ♀16歳
中心的グループの女子
あやさを見下している
男にモテる女装希夜を敵対している

Page:1



Re: デブスな私と美少女(♂) ( No.1 )
日時: 2016/04/10 13:39
名前: 葱 (ID: 8F879P3u)




《prologue》



少女漫画やアニメやドラマ
ヒロインは綺麗な人ばかりで、
私がどんなに頑張っても
可愛くなければあんなに人生うまくいかない。


そう思ってた


小さい頃からデブと言われ続け
そんな自分に嫌気がさしていたのに
変れなくて、逃げてばかりでした。
気がつけば私ももう女子高生。


放課後の屋上から聞こえてくる歌声
毎日その歌声を聞くのが楽しみで
体が勝手に屋上へと向かっていた。


屋上のドアを開けると
ふわっと風がなびく。


「おぉ、デブ。きたのか」


そう言って微笑んだ彼は
まるで天使のようだった。



今芸能界で爆発的な人気を誇る彼と
デブスな私の物語が始まる。

Re: デブスな私と美少女(♂) ( No.2 )
日時: 2016/04/10 21:08
名前: 葱 (ID: 8F879P3u)



《episode.1》


「黒板見えねぇよ!お前小森じゃなくて大森だわ」


小学生の時の男子の何気ない一言
それから私、小森あやさは「大森」になった。


小学生の頃の男子たちは素直で
思ったことをすぐ言ったりで
正直すごく傷ついたのを覚えている。

中学生では陰口を叩かれ、
陰口にも慣れてしまった。
私だってこんな自分が大嫌いだ。


「やべ、なにあのデブ」


高校に入っても陰口は消えなかった。
ただ同じ体重でも身長の低い子なら
「マシュマロ女子」なんて言われて
可愛いのに、私の場合身長があるため
ただのでかい壁みたいなものだ。


「あやさちゃん!クラス同じだねっ」

彼女は瀧川歩美。
小中高ずっと私の隣にいてくれた親友。


「よかったぁ、歩美と一緒で」


私がそう言うと彼女は微笑む。
そして教室へと向かい、入学式のため
体育館に移動した。


入場時、拍手をする先輩たちが
私たち1年をじろじろ見る中
自分の椅子に座る。
校長先生の長い話で周りがうとうとし始める

バンッ。

体育館のドアが雑に開けられた。
生徒たちはいっせいに振り向く。


「I'm sorry.」


遠くからでもわかるオーラの凄さ。
小さな彼女の横にはSPみたいな人が
数人ついている。


「え?Noel?」

「本物?!え?!」


騒ぎ出す全校生徒
叫ぶ生徒や泣きだす子もいる。
芸能人に出会うと皆こんな感じなのか。


彼女は「Noel」
今や若い年代から爆発的な人気を誇る
世界的にも注目されている
超人気アイドルだ。
きっと知らない人はいないだろう。


「Principal sorry. airplane was delayed」

とりあえずサングラス外せや!
なんて思う私。
彼女はオーラを放ちながら歩く。
校長先生もニコニコしている。


というかこの平凡な高校で
こんな芸能人がやっていけるのか?


「Noelちゃん凄かったね、私大ファンなの」


歩美も大はしゃぎをしている。


「Noelちゃんかわいいなぁーー」

入学してからも彼女の人気は冷めることなく
より学校がざわざわし始めた。


「おはよう小森さん」


微笑む彼はクラスの人気者、坂口恭平くん。
私のことを小森と呼び、優しく接してくれる
彼のような男子は初めてだった。


「お、おはよう」

私がそう言うと彼はニコッと微笑んだ。
男子とは無縁だった私は
すぐに彼に恋してしまった。


恋をすると毎日が楽しくなる。
学校へ通う足も軽くなる。


「楽しそうだね、大森さん」


私の机は女子のグループに囲まれた。

「ちょっと!あやさちゃんから離れて!」

歩美はそう言ったが見事に無視される。

「時間いいかな?」


そう言って微笑む彼女は、間宮優里。
女子の中心的グループのリーダー的な子。
性格悪そうだな。


私はトイレの近くの掃除用具置き場に
連れていかれた。


「恭平くんと楽しそうにしてんじゃねぇよ」

「釣り合ってないから、やめときな?」

私がデブスだからって好き放題言いやがって。
言い返せない自分も嫌いだ。
この世界は外見がいい者が立場が上になる。


「自分より劣る者を見下して安心してるからお前はその程度のままなんだろ」


いつも突然の登場で場を沸かす。

「あんたもちやほやされて調子のりすぎ」

間宮優里はNoelにも突っかかる。
Noelは鼻で笑うと言った。


「俺を誰だと思ってんだ。なめるのも大概にしろよ?」


一瞬で目つきの変わるNoelに
間宮優里たちは返す言葉もなく去っていった。


「ありがとうございます…」

私がお礼を言うと彼女は言った。

「お前もその醜い体を早く捨てな」


そう言って去っていく彼女。
どうやら彼女は私を助けたわけでもなく
彼女のその言葉は今まで言われてきた
どんな言葉よりも私の胸に突き刺さった。

Re: デブスな私と美少女(♂) ( No.3 )
日時: 2016/04/10 14:48
名前: 葱 (ID: 8F879P3u)




《episode.2》



「あやさちゃん、助けてあげれなくてごめんね」


教室に戻ると歩美は私に駆け寄ってきた。
私は微笑んだ。


それより彼女の言葉が胸をえぐる
その痛みは全然消えなかった。


「小森さん、大丈夫??」

優しく声をかけてくれる恭平くん。

「保健室行く?俺連れてくよ」

心配してくれた恭平くんに手を引かれ
授業を休み保健室へ。


「先生、いないみたい」


保健室に先生はいなかった。


「どうしたの?小森さん」

心配してくれる彼に申し訳ない気持ちと
同時に高鳴る胸の音がする。

そして私は今までのことを恭平くんに話した。


「それは災難だったね。でも、小森さんは素敵だよ。だから自信もって!」


本当にいい人だなあ。
私にここまで言ってくれる男子がいたなんて。


「話聞いてもらって落ち着いた。ありがとう」

幸せだなあって感じてたその時の私。
放課後全てが崩れる。


「恭平ー、お前デブと保健室行ったらしいじゃん」

私が帰る準備をしていると聞こえてきた。
男子と恭平くんの会話。


「そー、もうこの罰ゲームやめね?」

「完璧惚れてるよな。あのデブ」

「優しくしてやったらすぐこれだよ」


その後も散々言われた。
どうやら恭平くんは私を惚れさせるという
罰ゲームを男子たちとしていたらしい。


小中はまだ慣れていた。
高校生の嫌がらせはタチが悪い。

涙が溢れてきた。
誰かに見られたくなかったから
私は屋上へ向かった。


屋上のドアを開けた。
風がふわっとなびく。


(※マクロスFよりWhat' bout my star?を使わせていただいてます)

「Babyどうしたい操縦?ハンドルぎゅっと握ってもうスタンバイ」


私に気づかづ歌う彼女Noel。
天使のような歌声に引き込まれそうで


「want my heart want my love?no…あれ」


彼女は私に気づき歌うのをやめた。


「お前泣いてんの?」


私は目をそらし涙を拭った。


「優しくされて人を信じて、私は結局…」


痛い目を見た。
浮かれていたんだ、完全に。


「その優しさが自分のためになるとは限らない
その優しさが本物かもわからない
自分の価値を自分で決めて周りにすき放題
言わせるな、お前は変われるよ」


そう言って微笑んだ彼女。

「私だって、こんな自分嫌だ」

すき放題言われて黙っとくなんて辛すぎる。



「3 hey a count down.2 Are you ready?」


また歌いだす彼女は屋上をめいっぱい
ステージのようにつかう。


「1 覚悟はどう?0 愛鳴らして!」


「What' bout my star?What' bout my star?」


リズムにのって歌い踊る彼女。
生まれて初めて人の歌で鳥肌がたった。


「What' bout my star?What' bout my star?」


私を見て微笑み歌う彼女は
楽しそうで自由で美しい。

自然と拍手をする私。


「俺が変えてやるよ、お前を」


ニコッと笑う彼女
八重歯がちらっと見える。

ん?俺…?




Page:1



この掲示板は過去ログ化されています。