コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 隣人さんの頼みごと
- 日時: 2016/04/12 16:04
- 名前: hinn (ID: Ij88/0W6)
こんにちは。hinnと申します。
初めましての方は初めまして。
他の作品を読んで下さっている方はありがとうございます。
この小説は突発的な思いつきで書いてるので文法がおかしかったり時間軸が合ってなかったり、と色々あるかとは思いますが、お付き合いいただければ幸いです。
口汚い言葉が出てくる可能性があります。苦手な方はご注意ください。
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- Re: 隣人さんの頼みごと ( No.1 )
- 日時: 2016/04/12 16:05
- 名前: hinn (ID: Ij88/0W6)
……クソ。
格安アパートに釣られた俺も馬鹿だったな。
なーにが最寄り駅まで徒歩5分だよ。いつも歩いてるけど余裕で15分かかってんじゃねえか。
それになんだこの壁。金魚すくいの網より薄いんじゃねえの?隣の音がだだ漏れなんだよ。真夜中にクラシックアルバム聞いてんじゃねえよ。剣の舞でいつもびびってんだよこっちは。
アパートの管理人も使えねえ、直接文句を言っても直さねえ、こうなりゃもう引っ越すしかねえだろ。
俺はそう決意して財布と携帯を握りしめ新天地へと歩を進めた。
新居まではここから大分距離がある。その間に俺のスペックでも話しておこうか。
名前、俺。顔、フツメン。(イケメンのマントヒヒを100発殴ったような顔をしていると言われる)年齢、23。職業、大学生。趣味、なし。
以上。
こんなもんだろ。
とりあえず一人暮らしはマジできつい。今まで自炊というスキルを身につけてこなかった自分を呪いたい。
さらに言えばご近所トラブルはガチで命取りだ。挨拶、世間話、ママ友軍団。情報収集を怠った者は孤立を極めることとなる。細心の注意を払え。
おっと。そんなことを話している内に新居に着いたな。
夢のマイホーム、じゃあねえが以前より快適な暮らしになることを心から祈る。
P.M 3時。
荷物運びもだいぶ済んだことだしそろそろお隣の部屋に挨拶しにいかなきゃな。
あー、すげーめんどくせえし嫌だ。
前のアパートのいざこざが結構トラウマになってんなこりゃ。
でも行かなきゃ行かないで肩身狭い思いしそうだしな…後ぐされないようにしないとな。
意を決し玄関のドアを開ける。
手にはさっき買った少し高めのケーキを装備しておいた。
これでどんな敵が待ち受けてようと斬り捨て御免だ。大丈夫、俺ならやれる。
隣の部屋の前に立つとインターホンを押した。
くそっ手が震えてやがる。情けねえ。
動悸も激しい。口の中が渇く。
顔だけはなんともないかのように平然としているがただのハリボテだ。
少しでも攻撃を受けたら崩れ落ちる。
隣人の顔はまだ見てないが、頼むから厳つい兄ちゃんだけ
物音がしない。
……留守か?
いくら待っても誰も出てこない。
心臓の鼓動がだいぶ落ち着いてきた。手の震えもいつの間にか無くなっていた。
なんだよ、留守かよ。まあでも良かった。次回に持ち越そう。
足を引いたその時だった。
ガチャリと鍵の開く音がした。
瞬間、心臓が跳びはねる。
落とした視線を上げると同時に目の前のドアがゆっくりと開いていく。
おい、フェイントとかふざけんな。
心の中で罵倒する俺の前にようやく隣人の姿が現れた。
「すみません!トイレ入っててすぐ出られなくて…」
俺の23年間という人生の中で出会ったことがないくらいの可愛い女子大生だった。
- Re: 隣人さんの頼みごと ( No.2 )
- 日時: 2016/04/17 16:43
- 名前: hinn (ID: IpxDtp3C)
月曜日。
昨日までのあらすじ。
引っ越し先の隣人がめっちゃ可愛い。以上。
俺にこれまでにないほどの幸福と奇跡が同時に舞い降りた。
彼女いない歴=年齢の俺だが、もしかしたら!もしかしたら!そんな期待で胸がいっぱいになる。
昨日は、あの後女子大生ちゃんのあまりの可愛さに意識が軽く吹っ飛びそうになりマジでキョドってしまった。ほんと情けない。
もともとコミュ症の俺だが、女子大生ちゃんのトークスキルの高さに救われ、なんと他愛もない話をすることに成功した。
おい、ハードル低いとか言うな。
コミュ症にとっては他愛もない話をすることでさえ超難関なんだよ。
それにしても、ケーキを渡した時の女子大生ちゃんの顔、マジで天使そのものだったなあ…
えっ貰ってもいいんですか!?って目を丸くして可愛すぎんだろ。
何はともあれ喜んでもらえたようで何よりだ。ケーキを買おうと思いついた過去の俺GJ。
本当なら蕎麦とかの方がいいんだろうけどな。まあ過ぎたことだ。気にしない。
とにかく俺は今最高の気分である。
夜とかカレー作りすぎて持ってきてくれたりしないかな…
あーやばい、妄想が滾る。
心躍らせながら俺は午後からの講義に臨んだ。
その日の夜の事だった。
ピンポーンとインターホンがなる。
言っておくが俺には彼女どころか友達も少ない。一緒に酒を飲む友達なんて夢のまた夢だ。だから外部からの訪問に対しては少し警戒心が芽生える。
宅配かな。それとも宗教?あ、セールスかな。めんどくせー。
あれこれ考えを巡らせながら玄関に向かう。
ガチャリとドアを開けると思いもよらない人物が立っていた。
俺の想い人、麗しき隣人の女子大生ちゃんだ。
そして、その手に持っているのは、まさか…まさか……
「カレー、作りすぎちゃって。良かったら食べませんか?」
ああ、神様。
あなたは本当にいらっしゃるのですね。ジーザス。
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