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龍使いの日常
日時: 2016/05/27 00:26
名前: αの鼓動 (ID: LTX6Bi5r)

龍使い、という名をご存じだろうか?
今からおよそ1000年以上前に誕生した役職、もしくはその役人のことだ。オルダン帝国では龍を主として人間が仕えることで成り立っていた。っと、申し遅れた。我は天。全てを観てきた存在で、決して消えることは無い。なぜオルダン帝国について語るかといえば、まぁ退屈しのぎだ。
話を戻そう。オルダン帝国は、それはそれは豊かな土地だった。なんたって、あの龍が主だ。あの国の人間達は、よく身分をわきまえていてた。あんなに好感を持った人間達もいなかったなーーーー




どうも、こんにちは。αの鼓動です。
今回は龍に人間が仕える帝国、オルダンのお話です。どうぞ、暖かい目でお願いします。

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Re: 龍使いの日常~龍の子~ ( No.1 )
日時: 2016/05/27 01:22
名前: αの鼓動 (ID: LTX6Bi5r)

オルダン帝国、龍使い見習い。
とうとう、憧れていた龍使いの見習いになれた。
真珠色の眼を輝かせながら、ミュハウ・ドリューバ・メナイは思った。適度に結ばれた少し長い銀髪が、夕陽を写してミュハウ自体が輝いているように見える。
ミュハウの一族はメナイという、代々龍使いの家系だ。彼女の母であるフュウ・メナイは龍使いの申し子と呼ばれる偉大な人間だった。また、フュウは龍との架け橋としても有名だ。パッハという龍に愛された人間で、彼の子を宿した。そして、生まれたのがミュハウ。パッハの真珠、フュウの銀。気高く強い龍使いとしての資質。ミュハウはその体に両親の全てを受け継いだ。
メナイの誇りとして生まれ育ったミュハウは龍使いとなるまで、できることは全てした。が、年齢制限だけはどうすることもできずにいた。15を迎える今朝を待ち望み、試験を受けて合格通知をその場で懐に抱いたのだ。
龍使いになりたいと願ったのは6歳の時。母、フュウが病でこの世を去った日のこと。父であるパッハとは会ったことが無いミュハウが、唯一、父の愛情を感じた日でもある。手紙が届いたのだ。内容は、龍使いの最高位となったミュハウをパッハら龍は受け入れるというようなもの。そう。ミュハウが龍に認められるには龍使いの最高位になるしかないのだ。龍に使われる人間のトップに。
龍同士しか認めない龍達にはものすごく寛容なことだ。人間として龍に認めるといっているのだから。
ミュハウは、そんなことを合格通知と供に抱えて家へと戻っているのだ。

Re: 龍使いの日常~システム~ ( No.2 )
日時: 2016/05/30 22:29
名前: αの鼓動 (ID: LTX6Bi5r)

「ただいま戻りましたー」
煉瓦で作られた可愛らしい家に入る。
「ユウおばさん?ホーおじさん?」
家の中は真っ暗だ。
「どこですかー?」
と、急に
バンッババンッ パチッ
「「ミュハウ、合格おめでとう!!」」
クラッカーと共に電気の灯く音がする。
リビングの机の上にあったのはミュハウの大好物ばっかり。
そして、ミュハウを祝福したのがフュウの姉夫婦。今はミュハウの保護者だ。
「おめでとう。きっと、フュウもよろこんでいるわ」
ユウおばさんこと、ユウ・メナイ。フュウと同じ銀髪金眼。小太り…ゴホン、ふくよかで陽気なおばさんだ。
「よくやったな」
ホーおじさんこと、ホー・メナイ。こちらは白髪黒眼。ひょろっとしていて、ユウ・メナイとは逆のおじさんだ。
「ありがとうございます!」
師匠であり、家族である二人。そんな彼らからの祝福はミュハウにとって、最高の贈り物だ。


龍達のなかのシステムはハッキリしている。
トップに竜王がいて、その下に右大龍と左大龍がいる。更にその下に6の省があり、どの龍もいずれかに属している。ちなみに、パッハは右大龍という中々高い位にいる。
龍使いのシステムもまた然り。
最高位が龍人という称号で、その下は準龍人と準二龍人。更にその下が龍化、龍風、龍火、龍水、龍木、龍土。更に下があり、一等使い、二等使い、三等使いとなっている。試験結果によって決まり、ミュハウは龍木からのスタートになる。国家試験のなかでも最難関とされる試験を満点でパスしてここからなんだから、いかに厳しいか分かる。
それでも、ミュハウは決めたのだ。龍人になるその日まで、父親に迎えられるその日まで。 どんなに厳しい道でも進んでみせると。


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