コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 俺達は人生ゲームの敗北者
- 日時: 2016/06/11 15:55
- 名前: 雪姫 (ID: 5YBzL49o)
「非リア充たちの日常風景」
———————————————————————————————————————————
◆ミッション◆
1:休憩時間の潰し方(語りパート)>>07-08
番外「魚谷 亮也の外の世界では」>>09
休憩時間の潰し方(物語パート)>>10-12
2:高校生活の振り返り方
◇勝者◇
「ザ・幼馴染」
尾久村 隣(オクムラ リン
亮也の幼馴染。隣の家に住んでいる。ベランダ越しにお互いの家に行き交いできてしまうほどの近さ…けしからん。
いつも笑顔で明るくトークも面白くて常に輪の中心。毎朝起こしに来てくれて多少のラッキースケベ・イベは許してくれる。ギャルゲによくいる幼馴染キャラ。
「キングオブリア充」
金元 奏(カナモト カナデ
亮也の幼馴染パートツゥー。中学時代からの親友(奏談)腐った紐(縁)(亮也談)
高学歴・高収入・高身長!サンケー!…将来的には。家は超がついちゃうほどのエリートかつセレブ…ケッ
なのに!このおぼっちゃまはそれを鼻にかけることなく、誰にでも友好的に接し人望も厚い。まさに亮也とは正反対のリア充。我ら非リア充の敵である。
◇敗者◇
「おおよそ主人公」
魚谷 亮也(ウオタニ リョウヤ
死んだ魚のような目の初年R。働いたら負けだと考えている。
ひねくれた性格から友達も彼女もなく、ぼっちであり、友達だと思ってたら相手にとってはまったくそんなことは無かった、という経験を積み重ね数多くのトラウマを抱えている。
どこぞのそこらに稀いるおまえら。
□魚谷家の一族>>01
「完璧系美少女…なんていない」
宝城 レン(ホウジョウ レン
学校の校長の娘で黒髪ロングで頭脳明晰・スポーツ万能・容姿端麗、おまけに気品が性格も良しなみんなから好かれる生徒会長!
…という人物にしたかったのにどうしてこうなった(※猛毒を吐くので注意)
□宝城家の一族>>02、>>05
「クリミノー(咎人)」
天馬 魔穂(テンマ マホ
身長150㎝のふたつの意味で小さな先輩。見た目は小学生(…にしか見えない)っぽいが、実は高三でIQがめちゃ高い…近年まれにみる天才。
娘っ子だが一人称は「オレ」態度も性格も男っぽく(ドSで性に対して解放的)漢気に溢れ(口より先にパンチがでるタイプ)「姐さん&お姉様」と慕う後輩は数知れず。
見た目通り?に可愛いモノが大好き。大好物は黒髪ロングの妹…あっ察し。恋愛対象は一応男だと言っているがバイ…バイバイキ〜ン〜〜☆
■「闇(病み)系」
ネム・トゥルース(忌み名
イッちゃってる子、イタイ子、かわそうな子の三拍子スキル持ちのいわゆる厨二病患者。
種族はトゥルーヴァンパイヤ(始祖吸血鬼)宿命のライバル女神の呪いで貧乳ロリッ娘姿(…になったという設定)
魔穂(えっ?ダレですか?それは)の前世(数ヶ月くらい前)の名と姿(…は現在も)
全ては女神の呪いのせいとされアカシックレコードに黒歴史として封印された、恥ずかしい過去(もういっちょ数ヶ月前)
□天馬家・ペンドラゴン財閥の一族>>03
▲その他
教師>>04
依頼人1>>06
家族1>>01 2>>02、>>05 3>>03
モブ>>13
- Re: 俺達は人生ゲームの敗北者 ( No.6 )
- 日時: 2016/06/04 12:01
- 名前: 雪姫 (ID: nca8O.Ly)
依頼人level5
「雛鳥 言葉/ヒナドリ コトハ」
1−2 新聞部所属
非リア充より
容姿・性格
黒髪オカッパ小柄で手足は棒切れ。
引っ込み思案でおどおどし常に何かに怯えている。
特技は空気を読むこと。だが逆に読みすぎていて、周りの目を気にするあまり本心を言えないでいる。
少し強く言われただけですぐになんでもかんでも謝ってしまうのがキズ。
* * *
「依頼内容」
ある人に渡そうと用意したプレゼントが紛失。
一緒に探してほしいとのこと。
ある人については触れぬな武士の情けである。
* * *
- Re: 俺達は人生ゲームの敗北者 ( No.7 )
- 日時: 2016/06/04 12:37
- 名前: 雪姫 (ID: nca8O.Ly)
mission1 休憩時間の潰し方
(豚)
文章の書きだしって難しいよね〜と最初に愚痴っておこう。あとからやんのやんや言われたら、豚様的ハート(あっ別にトンテキじゃないよ?)が粉々に粉砕されてしまうので。
お気づきだろうが我は豚語しか話せぬ、人間の言葉はムズイので言い回しがおかしい(誤字・脱字)は許してちょんまげっ♪…グラッハッ
それにしてもあれだねぇ、毎日あっついにねぇ、梅雨ってなんでしたっけ?ってな感じだわー、日に焼けるわー、豚の柔肌ピンーチ!白豚が黒豚になってまうやんけ!
…で、なんの話でしたっけ?
あぁそうだ!ボクは食べないんだ。だって脂身ばっかりで太っちゃうからね。基本鶏を食しますね、うん。このすりむぼでぃをきーぷしなければっキリッ
————————————————————————————————
ピッグ:ハッ!?豚様的ヤァなこと言ってしまったナウ。ポチッ
チキン:なになにぃ〜?笑
ピッグ:「うんこ」って言ってしまったブヒッ…キャッ♪
チキン:www
カウ:ヤバいやん笑 第一話の冒頭で下ネタって笑笑
ピッグ:ごっめ〜んちゃい♪てへぺろ☆
————————————————————————————————
※どこかの掲示板レスより
でさでさぁ〜えっなに?「はやく話を始めろって?」えぇーめんどくさいなぁ…。
いいじゃんずっと永遠に豚様による豚様のための豚様談義を永遠に聞き続ければさー……(ベギラゴンッ
おおおおお…すいっまっせんしたーー!!
今呼んでくるんで!主人呼んで来るんで!マジナウ!マッパで!…間違えたマッハでっ!
▽仕切り直し
mission1 休憩時間の潰し方
高校生活。別名青春の一ページ
勉強にいそしむも良し、スポーツに全力投球するも良し、恋や友情で、…ドロドロの泥沼な三角関係になればいいのに。
女同士の醜く争い学校のマドンナの地位を維持するために他人を蹴落としたり、逆に蹴落とされて地の底に叩き落とされたりすればいいのに…。(青春一ページ目より)
「私達友達だよね?」と言う呪いの呪文を唱え、「トモダチ」という甘味な甘〜い罠に、目立たないが一丁前に気前だけはいい、ぼっちを良いようにこき使う委員長A。
突然教室へ現れ、「ちょっとツラァかせや」と校舎裏に呼び出し、「オレ今カネないんだよねぇ〜」とパイセン(多数)に壁ドンされ財布の中にいる諭吉や漱石を奪われたりする。(青春二ページ目より)
泥まみれで汗臭くなるイベントをみんな(みんなってダレ?)でおこなった、体育祭
後世に負の歴史として語り継がれるであろうクサイセリフを吐いて女子をキュン死にさせた、文化祭(カップルコンテスト)
男同士、河原で拳と拳語り合い
「甲子園優勝したら俺とつきあってくれ!」
「卒業してもずっとずっと友達だよ————」
(青春三ページ目より)
———否!!!
そんな青い春リアルに存在しないのである。少なくとも「俺」 魚谷亮也の世界ではな
今はまさに戦乱の時代。乱世乱世だ。
…具体的に言うと休憩時間だ。しかも三時間目が終わりあと一時間後には昼休憩になる微妙な休み時間だ。
ここでひとつお前らに質問がある、三択でな。
お前らはこの休憩時間どうやって過ごしている?
クラスの友とまたは他のクラスの友と、ワイワイガヤガヤと五月蠅く喋っているか?
グループ分けがキッチリカッチリされていて、他のグループに入るなんて問題外!グループ内の自分の有利な立ち位置確保するため相手の顔色伺いで精一杯か?
それとも教室の外へ避難し「自分は隣のクラスの友達に遊びに行きますよー」アピールか?
もしくは「トイレに行って来まーす」アピールか?
ふっ、くだらない。
廊下にはすでにそういった、連中の溜まり場になっていてお前らなんかの居場所はねぇよ。
最後に、教室でただ一人持参した本を装備し「僕は一人静かに本を読んでるだけで会って、けってしてぼっちじゃありません」
または机にうっぷして「あー眠い。眠いわー」と眠たい奴アピールか?
ふっ、どれも古いな甘いな。
そんなことは俺らのぼっち大先輩達(先祖)から長く使い古されいる、もはやハンター(リア充)達には、俺達がぼっちだということがバレてんだよ。
そうゆう手段しか思いつかねぇような甘ちゃんだから狩りとられて身も心もズタボロにされるんだ。
だがな安心しろ。ぼっち歴12年、ぼっちヒーロー(なんじゃそりゃ)である俺にかかれば誰にもぼっちだと言うことがバレずに、なおかつ、ゆいぎに休憩時間を過ごすことが出来る。
その方法知りたいか?知りたいだろう。
いいだろう今回は初回とうことでサービスだ。お題はいらねぇ。タダで教えてやる、心して聞けよなその方法は—ー
CMのあとで〜♪
ガラガラトドッシャンガタンッ
※ただ効果音です。誰かが倒れただとか、机が倒れたとか、雪山で雪崩がおきたとか、ではありませんのでご安心を、おば。
mission1 level2へとつづく…
- Re: 俺達は人生ゲームの敗北者 ( No.8 )
- 日時: 2016/06/04 14:44
- 名前: 雪姫 (ID: nca8O.Ly)
mission1 level2
CMあけまーす
5
4
3
2
ドンッ!
(豚)
さあ今日も始まりましたね、第300回チキチキ・チキンレース。
本日はどのチキンが優勝するのでしょうか?吾輩も楽しみでしかたありませぬ。
おおっと!レースになにやら動きがあったよーだーー!!
こ、これっは!?
なんとビリ決を予想されていた「蒸し鶏選手」が、どんどん他の選手を抜いていくーー!ゴボウ?ダイコン?とにかくヌキヌキだァァァ!
三位から大きく差を離して走っている、毎年一位もはやレジェンド「から揚げ選手」とこちらも毎年二位「フライドチキン選手」
今年もから揚げ→フライドチキンで決まりと誰もが思ってましたが、まさかの大どんでん返し!
誰も期待なんてしてない新人ルーキー蒸し鶏選手が、トップに追いついてキタァァァ!!
はたして!今年のチキチキ・チキンレース、優勝トロフィーは誰の手にーーー!!?
+ + +
お気づきの方もいるだろうが、そうです、これは茶番です。ただの悪ふざけです。
続きなんてもんはナイ。優勝者なんて知らん。「さぁ想像してごらん」ってヤツだよ、ワトシン君。
そう!CMあけまーすとスタッフゥーが言いつつ実はこれがCMなのだー。
ブッヒッヒッ(ギガシュラッシュッ
ギャァァァァァ!!!
※今度は本当にCMあけまーす。
▽CMあけまーす。
それでは教えてあげましょう。
やることその一
制服(Yシャツ上)に着ているパーカーのフードをかぶる。このとき重要なのはより深く、フードをかぶるということだ。
髪も含め目の辺りまで隠れるのが好ましい。
若干腰の辺りが肌寒く感じるかもしれないが、そこは心配ご無用。下に着ているYシャツが肌を隠しているからパンツは見えない。
母さんがどんなに恥ずかしいパンツを買ってきていたとしてもヘーキだ、体育の着替えのとき以外は。
やることそのニ
耳にイヤフォンを装着する、が別に音楽を聴く必要性はない。なぜならただの振り、カモフラージュだからだ。
だがまあ一応、「ねぇなに聞いてるのー?」と女子に聞かれたとき対策として一曲は、流行りものの知識を頭に入れておこう。
やることその三
教科書を用意し、開いて目の前に立てる。
教科書はなんでもいいが、絶対に保険の教科書だけはやめといた方がいい。過去の経験上、凡ミスでやってしまったが最後、一年間ずっと女子からゴミを見るような目で見られ続けることになるぞ。
俺のオススメは国語だ。国語の教科書にはいろいろ物語が書いてあるから、それを読んでるような、カモフラージュができるからな。
開くページはどこでも構わない。だがふたつ、気を付けなければならない事がある、うまくページを左右に分けないとまず立たない。
二つ目は開くページの内容だ。アレな内容なのはもちろんダメだし、かといって難しすぎるのもダメだ。覗き見しにきた奴に「なにコイツ、こんなの読んで博識アピール?キモッ」と思われてしまう。
ほどほどにバカっぽく、頭がよさそうに見えるページがベストだ。あと自分の学力にあったページにするのが一番いいな。
そして最後にやること
これが真に重要で素人には絶対にできない、玄人だけが出来る最終奥義だ。
先に教えたのはメインディッシュの前に出てくる前料理だ。だが前菜→サラダ→スープ→パン→魚料理→ソルぺ(軽いデザート、シャーベットなど)を先に食べる事によって、メインディッシュへの期待値が高まり、「肉!肉!肉!」という感じになって、メインディッシュを美味しく頂けるのだ…と思う。食べたことがないから、ただの想像でしかないが。
見よ!聞け!そして恐れ震え上がれ!これが俺の奥義!
「空気になる!」
※奥義「空気になる」とは?
机にうっぷし、呼吸音、心臓の鼓動音、人体から発生される音すべてを抹消…すると死ぬので、代わりに自然音に身をゆだね自身から生み出される音をソレに混ぜ込めるのだ。
ゆうなれば、山の小川に一枚の落ち葉が。
川の水に抵抗するわけでもなく身を任せ、一緒に海まで流れてゆくあの自然現象のごとく。
これを素人が見よう見まねでやってみるとするだろう、だがごく普通の一般人ごときには、小学校の劇で木ABCの役しか回ってこなかった者の気持ちなど分からない。
背景に徹し、けっして主役はもちろんそのほかの皆さまの邪魔にならないよう、永遠に棒立ちしつづける木の役の気持ちが!
ずっと同じ体制で立ち続けると足に血がたまって、痛くなるんだよ!
痛いから血を動かそうと動いたら
「ちょっと、雪乃下さんなに動いてんの?木なんだから動いたら駄目じゃない、ちゃんとしてよね」
と委員長に怒られ、クラスの連中にクスクス笑われ、馬鹿にされ、さらし者された、ワタシの気持ちなど誰にもわかるものかァァァァ!
あんにゃろう、男子の前ではブリブリしやがって、うんこでも漏れてんですかぁ?コノヤロォーがよ。
————————————————————————————————————————————————————————————————
ピッグ:ヤバイ!またうんこって言ってしまったっ><
ラビット:またってアナタ…
ピッグ:ぉぉぉ、ラビットsにひかれてしまった…///
カウ:なぜ照れるしwww
ラビット:………
モンキ:ラビットs沈黙wツンツンタイム?デレはよ、コイコイッ」
————————————————————————————————————————————————————————————————
※どこかの掲示板レスより
かなり話の軸がずれてしまいましたが、この奥義は彼が小学校生活六年間すべてをつぎ込んで編み出し、会得した奥義なのでである。(イタイッ、イタすぎるっ)
番外「魚谷 亮也の外の世界では」へとつ・づ・く☆
- Re: 俺達は人生ゲームの敗北者 ( No.9 )
- 日時: 2016/06/11 13:59
- 名前: 雪姫 (ID: 5YBzL49o)
番外「魚谷 亮也の外の世界では…」
同日同時刻 二年二組 教室にて
「ねねっ、昨日の『五十嵐にしあがれ!』見た?」
「見たっ見たっ」
「まっちゃんチョーかっこよかった♪」
「えぇー桜木くんでしょ?」
「いやいや大原クンでしょっ、ここは。リーダーだし」
「相方や三ノ宮もよかったけどね〜」
「「いやっ、なんで呼び捨てにしてんのっ?!!」」
あはははっと女子生徒たち(ジャニ系ファングループ)が机に腰かけ楽そうにしゃべっている。
「やっぱ、まりりんだろっ!いやっソレしかねぇ!!」
「おれ的にはサッピーもアリだと思うんだけどなー」
「っつかさぁー」
「あ?」
「ぶっちゃけ、サッピーって可愛い?」
「「………」」
「いやっっっ、か、カワイイダロ?」
「なんでカタコトになっとんねん」
「うっせバカやろー」
「わっ!?やめろってー」
「やれやれー」
ぎゃははと取っ組み合いじゃれあう男子生徒たち(48人アイドルファングループ)
どの時間軸の世界、国、宇宙でも当たり前に見られる、休憩時間の教室
…に一人の女子生徒が
「ごっめーん、リョウいるー?」
ドアの外からアホ毛を…じゃなくて顔をのぞかせた。
「ん?あ、尾久村さんだ」
「えっ?りんちゃん?「「わーりんちゃんだーヤホー♪」」
「ヤホヤホー♪」
二組にやってきた女子生徒の名はアホ毛…が特徴の尾久村 隣。
「笑顔がよく似合う二年のダントツ可愛い子」とサチ高のちょっとしたアイドル的存在
…な彼女が探しに来た「リョウ」とは?他の生徒たちは皆、会話をやめザワザワとしはじめる。
「でさぁリョウって誰?」
「あぁそっか。あだ名で言ってもわからないよね、ごめんっごめん。テヘ」
「「おおおおっ」」
「見たか今の!?見た見たっ!かわいかったなぁ」と男子生徒たちが一斉にザワめく。
それを見た女子生徒たちは、はぁ〜と大きなため息をつき男子ってほんっっっと馬鹿ばっかと思うのであった。
「えーと、リョウってなんて名前だったけ…」
んーんーと、左右にアホ毛を揺らし、しばらく考えた後、アホ毛がピーンと立ち上がり
「…あ、魚谷 亮也だっ」
「ハ?うおたにりょうやぁ〜?」
今度は聞いた女子生徒は首をかしげる。
「知ってるひとぉ〜」
「「だれ?そんな名前の奴うちのクラスにいたか?さぁ?」」
皆口々に「知らない」といい首をかしげる。
「えぇー、一緒に登校したからいるはずなんだけどなー」
「「(いっしょに登校しただと……)」」
男子生徒たちに殺意の種をまきつつ、隣は仲を見まわしてみる。
「んー……あー!いるじゃん、あそこに♪お〜い、リョウー」
隣は窓側の一番奥の席にいた男子生徒の元へ近寄っていった。
その男子生徒は異様な姿をしていた。
別に服装が変とか、髪型が変とか、そうゆう問題ではなく
頭にフードをかぶり、国語の教科書を立てそれを抱えるようにうつ伏せに顔を伏せているのだ。
彼を初めて見た生徒達は「「だれあいつ?あんんあやついた?いやぁ〜キモイ〜」」と小声でヒソヒソとざわつく。
+ + +
同日同時刻 二年五組 教室にて
「奏クンってマジパネェ」
「うんうん」
「いやそんなことないって。俺なんて、まだまだだよ。先輩たちの足元にもおよばない」
茶髪の男子生徒を中心に三人の男子生徒たちが楽しそうに喋っていた。
「ほんと金元君って全然、自分の才能を鼻にかけないよね」
「そこがまた憧れる、尊敬しちゃうっス。ってヤツだよネー」
「か、からかうなよ。そうゆう真田だって前回は、大活躍だったじゃないか」
「オレっちなんてまだまだ、奏クンの足元にもおよびまっシェーン」
「いやそれさっき俺が言ったヤツじゃないか」
「「あはははっ」」
輪の中心の男子生徒の名は金元 奏。
サッカー部にエースで人当たりよく誰に対しても優しい、爽やか系のクラスの人気者。
「あ」
「ンー?どうしちゃった?猫やん」
「次の授業、移動教室だよ。そろそろ移動しないと」
「おっマジだー。奏クン、イクイクッイク〜〜〜」
「わざわざ、いかがわしい言い方すんな」
「イテッ」
「「はははっ」」
「ねぇーかなでくぅん」
巨乳の女子生徒が胸を強調させ、友達と移動しようとしていた奏の腕をつかみ呼び止めた。
「?」
「次の授業の教科書〜、持ってきてる〜?わたしぃ〜忘れちゃった〜」
「あ、ヤべ。オレっち、持ってくんの忘れたシ」
「僕は持ってきたよ」
「おっさっすが猫やん。見せてっチョ」
「うん、いいよ」
割って入ってきた二人にチッと一回舌打ちをした後
「ねぇーかなでくぅんは〜〜?」
上目づかいでもう一度アタック
「えっ?俺……?」
奏は自分の鞄の中を探してみるが
「あ……」
「どぉしたのぉ」
「……わすれた」
「「えぇーーー!!?」」
その時クラスにいたすべての生徒たちは驚愕した。あの「金元 奏」くんが忘れ物をしただってぇぇぇぇ。
+ + +
(豚)
いやぁ……今更なのはわかってはいたけどさ、でもさ
みんな主人公のこと知らないってヒドくね?
だってヒロインすらも知らないんだよっ!?ヒドすぎるとね!??ありえなくないっ!?
つーかナニしに来たんだよ、ホントに。あー気になるわー。
キニナルヒトは休憩時間の潰し方 後半戦へGO!
- Re: 俺達は人生ゲームの敗北者 ( No.10 )
- 日時: 2016/06/09 07:33
- 名前: 雪姫 (ID: tVCgD/M1)
mission1 level3
無——
そう今の俺は無だ——
なにもないようにみえて、確かにそこにある。
波に揺れる海のように…なにも感じない。
クラスの連中が俺の事を認めてないもとい、存在自体を認識してなかったとしても、そんなことは気にしない。気になりなんかなるもんか…グスッ
「もう、また自分の世界に入ってるの?」
顔をあげると、幼馴染の隣がぷくーと膨れ怒りながら仁王立ちしてた。
「べつにー。眠かっただけた」
と言いながらフードを脱ぎ服装を整え、教科書を閉じ机の中にしまう。
「そんなんだからクラスのみんなに名前、憶えてもらえないんだよ」
はぁ…やれやれっといった感じで、隣は頭を振る。「お姉ちゃんは悲しいよ」とまで言っている。いや、俺とおまえっ同い年だろっ。
俺と隣の関係を一言で言い表すなら“ベタな幼馴染”だ。
なにのどこらへんがベタなのかというと
1・家が近所と言うか、隣同士
2・親同士が仲がいいためよく、家族ぐるみで付き合いがあり
3・いつも一緒にいて
4・そんなこんなで今にいたる
というわけだ。簡素でわかりやすいだろ?なんかギャルゲの主人公とヒロインみたいな関係で、俺はあまり好きじゃない。
それにもっとギャルゲっぽくなるからあまり言いたくないなんだが、じっじつは…隣は…お、俺の…初恋の相手だったりもする…わけだ。
ま、まあでも、“だった”でわかると通り過去形だ。失恋したんだ、身勝手に自分勝手に…
あの日の事は今でも忘れねぇ……いや忘れられるわけがねぇ…。
あれはまだ俺達が小学生の頃だった——
+ + +
小学生時代 六年生のある日の出来事
誰もいない朝の教室。
いつもはりんに叩き起こされてしぶしぶ来てた学校だけど、きょうはちがう。しろよりもはやくおきて、だれよりもさきに登校してきたんだ。
どうしてかって?そんなこと決まってらぁ、えっと…その…りんに告白しようと思って、すきですって。
でもまさかおれがりんに対してこんな感情いだくなんてなぁ…。
おれとりんは赤ちゃんのときからずーといっしょにいたんだ。
それにあいつぜんっぜん女の子っぽくないし、たまにおれよりも男らしいとこあるし、だから正直自分でもびっくりしてる。
ぜんっぜん意識してなかったのにどうして急に意識しはじめたかというと…
それは去年のこと。小学五年のときだ。いつものようにりんと二人で公園でサッカーして遊んでたんだけど
「よこどりー!」
「あっ…ぅ」
「……ぁ」
りんの蹴ってるボールを横から蹴ろうとしたら、りんの胸に肘が当たっちゃって
「…ぅぅ」
「ごめんっ!りんっだいじょうぶかっ!?」
「…ぅん。だいじょうぶ」
「…そうか、よかったぁ」
苦しそうに胸をおさえてたけどだいじょうぶそうでよかった。
でもおれの方はだいじょうぶじゃなくって…
「やわらかかったな…」
当たった肘にはやわらかい感触が…。
そのときはじめてりんがおれとはちがう、女の子なんだって気が付いたんだ。
対等の友達じゃなくて、まもってあげないといけない存在なんだって、まあ後半は父ちゃんの受け売りだけど…。
それ以来その…意識しはじめちゃって…きょうにいたるわけです…はい。
りんに直接「すきです」って言う勇気がないおれは、手紙で告白する事にしました。人生初めてのらぶれたーです。
りん…ちゃんと読んでくれるかな?ドキドキしながら、りんの机の中へ手紙をしのば……
「ん、なんだコレ?」
「あっ!」
いつもは時間ギリギリに来るはずのガキ大将がなぜかきょうに限ってはやくきて、りんへの手紙をうばいとった。
「なになに〜」
「や、やめろよっ」
止める間もなくガキ大将は、手紙を開き中身を声に出して読みだした。
「”大好きなりんへ”だって〜〜〜〜わーーーラブレターだーー」
大きな声で叫ばれたソレは、登校してきた他のクラスのやつらの耳にも入り、ぞくぞくと人が集まってくる。
「えぇーだれがだれにー?」
「サカナがりん大好きだってぇー」
「まじーサカナのくせに、キッモー」
「生意気だよね、サカナのくせに」
ケラケラと笑いながらみんな「キモイ」「サカナのくせに」と連呼する。
「…あ」
時計を見るともうみんなが登校してくる時間だ。集まって来たやつらの中にりんの姿があった。
りんも他の女子達にからからわれているみたいだ。おれが告白なんてしようとしたせいで…
「…ぅぅ」
たえきれなくなりその場にしゃがみこんだ。涙があふれてくる。
「「なーいた、なーいた、サーカナがなーいた」」
ケラケラと笑い手拍子をしながら、みんなでぼくをからかう。
「ごめんっどいてっどいてってばっ」
人をかき分けながら、りんがおれのところまでやってきた。
「な、なんだよ…」
りんはいつも通り泣いてるおれに手を差し伸べ
「だいじょうぶ?たてる」
でもおれはその手を
「うるせぇー、ブスっ!」
はねのけぜったいに言ってはいけないひとことを言ってしまったんだ。
「おまえなんか…おまえなんか…だいっっっきらいだぁぁぁぁ!!」
と。それまで盛り上がっていた教室も嘘みたいにシーンと静まり返った。
すぐに「ごめん」って言わないとあやまらないとっ、と思い言おうとしたんだけど、りんは
「りんごめっ」
「……そっか」
「ぇ」
ただそれだけだった——
泣きわめくでもなく
怒るでもなく
笑ってた いつものように——
この掲示板は過去ログ化されています。