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魔法×研究部
日時: 2016/06/12 23:37
名前: 山優 (ID: Dbh764Xm)

「ちかちゃん何組だった?」
「3組だったよ」 
「やった!私と一緒だ!」
 隣りからそんな会話が聞こえてきた。この二人は中学時代からの友人なのだろう。そう思いつつ、自分のクラスを確認する。6組か。ホームルームまでまだ時間があったので、ゆっくりと教室に向かった。
 俺は大畑翔大。ごく普通の学生。今年も普通に過ぎ去るんだろうな、そう考えていると、いつの間にか教室に着いていた。まだ8時前だというのに、沢山の人がいた。
「翔大おせーぞ!」
「うっせ。お前が早すぎるだけだろ。」
友人の多田優斗と、ごく平凡な会話をしていた。そのとき、教室の扉が開き、担任の先生が入ってきた。 
「これからホームルームを始めるが、まだいない者はいるか?」
といい、辺りを見回した。
「いないようなら、まずは自己紹介からするぞ。俺の名前はー」
といいかけた時、
「すみません!遅れました!」
と、扉が勢いよく開いた。
「お前はー木下果歩か。次からは遅れないように。」
と先生はいうと、着席するように指示した。長い髪が似合うその少女は、慌てて着席した。
 この少女−木下果歩が俺の平凡な日々を変えるとは、思いもしなかった。

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Re: 魔法×研究部 ( No.1 )
日時: 2016/06/13 16:25
名前: 山優 (ID: Uc2gDK.7)

 無事ホームルームも終わり、休憩時間になった。特にする事もなかったから、自分の席でボーッとしてた。すると、いきなり扉が開き、背の低い女の子が入ってきた。
「果歩!会いに来たぞ!」
そういうなり、木下の席に向かってきた。
「果歩、朗報があってな、地元でもとっても甘いって有名な体育の教師が新しい部活を作 のOKって言ってたから、部活申請書を出してきたぞ!」
「へえ、ノルちゃん、それはよかったよ!」
二人の会話を盗み聞きする事にしよう。
「それでな、早速明日から始めていいって先生が−」
といったとき、ノルという少女は一旦言葉を切った。
「ーなんか、魔力のにおいがするぞ」
一つわかった。ノルは厨二病なのだろう。これ以上盗み聞きしたら俺までおかしくなってしまう。だが、そう考えていた俺とは裏腹に、ノルはこっちに向かってきた。俺の席の前でたちどまると、「間違いない」といった。そして、
「ー魔力のにおいはお前からだ」
とも言われた。そんなん知るか。
「あのー、魔女ごっこなら俺抜きでやってください。」
「お前、入れ。」
普通に無視された。
「もう一度いうぞ。お前、入れ。ー魔法×研究部に。」
俺はとんでもない人と出会ってしまったようだ。

Re: 魔法×研究部 ( No.2 )
日時: 2016/06/14 00:01
名前: 山優 (ID: 1CRawldg)

 結局、今日のアレは何だったんだ?魔力?魔法×研究部?全然意味が分からん。今日のところはなんとか言い逃れができたが、明日も俺の席に来て意味不明なことを言うんだろう。その時は「人違いです」とでも言おう。そうすれば絶対に俺の席にはもう来ないはずだ。今日はひとまず眠るとしよう。 
 いつもより早めに起きてしまった。まあ、今日は早く学校に行くことにするか。
 学校に着いたが、まだ時計の針は7時半をさしたばかりだった。さすがにノルとやらはいないだろう。そう思って教室の扉を開けた。だが、そこにはノルがいた。
「………待ってたぞ、大畑翔大。」
「何だよ、お前は。何か俺に用があるのか。」
そう言ったが、ノルは俺の話を無視し、言った。
「……お前に聞いて欲しい話がある。」
ノルは右手からビー玉のようなものを取り出した。次の瞬間、ビー玉は光を放った。
 俺はいつの間にか、知らないところにいた。いや、知らない空間にいたの方が正しいかもしれない。目の前には、ノルがいた。
「この世界には、大きく分けて3つの世界がある。1つ目は、人間の世界。2つ目は、魔法使いの世界。そして、3つ目は人の感情を食べてしまう化け物の世界。まず、この3つの世界は隣りあっているんだ。お前は知らんだろうけど、実は僕がいた世界は魔法使いの世界なんだ。今は訳あってこの世界にいるんだが。」
どうりで厨二病めいたことを言うのか。
「そして、化け物の世界のことを話す。化け物たちは、たまに人間の世界から人間を連れだし、そいつの感情を食う。」
「ーそして、感情を食べられた者は、人々の記憶から消えてしまう。」
俺はなぜか、ノルが言ったこの言葉がつっかかった。冷や汗をかきはじめた俺のことなど気にしていないように、ノルは話を続ける。
「例え沢山の人が誰かを忘れたって、僕らはその人たちを忘れることはない。」
その言葉が、俺の忘れていた記憶を蘇らせた。
「もう、止めてくれ!」
俺はいつの間にか叫んでいた。そして、倒れるように意識を失った。


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