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幸せな夢は食べるだけ
日時: 2016/07/22 21:50
名前: 紫彩 (ID: hV/zNhkL)

#君といつか見た夢

君と夢を見て、起きた日から、一体どれくらいの月日が経っただろう。長い長い時はもうとっくに過ぎ、何の夢を見ていたのか、なんて覚えていない。ただ分かる事は、その時はとても幸せで笑っていたこと。大好きな人の傍で笑っていた日のこと。それだけが記憶に残っていた。

幸せな夢を思い出すには、夢を喰え、と昔母に言われた。私の家系は代々続く夢喰いである。悪夢を食べたりすることで、人々に巣食う闇を取り払うとか何だとか…。そんな難しい話なんて忘れてしまったけど、とにかく、私が見た夢を再び思い出すにはそれ相応の夢を食べたらいいそうだ。

それを聞いた私は、度々人々の夢を食べる為に夜の街を徘徊していた。でも、私の夢を思い出させることが出来る夢なんてなかなか無い。幸せな夢なんてそこら中に溢れていて、充分私の夢と合う価値はあるのに。

拗ねながら今日もまた、私は夜の街を徘徊して行く。気に入った夢を見つけては食べる。でも思い出せない。そんな日々を繰り返していたある日の夜のこと。

私の前に、ある青年が現れたのだ。
「私と同じ夢を見た」と言って…。

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