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fantastic story
日時: 2017/05/14 23:39
名前: モズ (ID: 9yNBfouf)
参照: あーりんやすで緑多め

キャラ紹介……>>8>>10>>29
オリキャラシート(現在募集中)……>>30



初めて書いたのでいろいろつたないですがご了承ください

【村人がたりの始まり。】


むかしむかし、空の国がありました。


その国はとっても平和でした。


当時ヘルイング国王が国を治めていました。


ヘルイングはとても冷酷な国王でした。


どんな子供でも青年でも王の法に背けば、


即処刑。50年でどれほどが死んだのだろう。


さらに、自分にばかり国の金を使っていた。


いつも狩りに出ていてろくに政治に参加しなかった


が、王に洗脳された貴族が政治をしていたため、


治安はもちろん、経済や産業も発展しなかった。


しかし、暗殺されてしまうと娘である、


ハレンが女王として国を治めている。


ハレン女王は青白い美しい髪に、


力強く、はかない青い目。


肌は真珠のようにとても白い。


ともかく、「空の妖精」と呼ばれている。


そんな彼女は父と異なり非常に温厚で、


さらに他人を尊重する素敵な女王であったから、


国民に非常に信頼され、支持されていた。


が、もう年頃なのだ。


女王と言えど、ハレンはひとりっ子であるから、


世継ぎがいないのだ。


裏ではその事がよく話された。


国民に慕われる、けど寂しい。


ハレン女王の物語です。


私はただの村人ですから、話はうまくありません。


どうでしたか?




【エピソード1】


平和。本当に平和。


どうしてここまで平和なのかしら?


父と何が違ったのかしら?


全然わからない。


みんな、私が優しいから。とか。


温厚だから。とか。


父は優しくなかったのかしら?


私、ほとんど関わっていなかったから。


分からないわね。


いつも、お城にいなかったわ。


何をしていたのかしら?


今は誰も教えてくれない。


昔もそうだったけど。


「うぅ〜〜〜〜。」


朝日が眩しい。窓から強い光が入ってくる。


いつもより早く起きたのかしら。


小鳥がチュンチュンと鳴いている。


なんとも可愛らしいのだろう。


羨ましい。そんな、健気な可愛さが欲しい。


でも、悩んでも仕方ないか。


「うんっ!頑張ろ、今日も。」


お気に入りの海のような爽やかな青い櫛で


髪をとかしていく。


「けっこう長いなぁ〜、この髪。」


鏡を見ると、背中まである。


いつものように星屑を散りばめたような、


青いバレッタを右耳もとに着けた。


そして、寝巻きから着替えた。


空の国=幻想的?


他に国があるか知らないけど、


そういう訳じゃないし。


だから、勝手に「妖精」とか呼ばれているし。


別に良いけど。関係ないし。


「ハレン女王様、そろそろ良いでしょうか。」


「ええ。そろそろ行くわ。待ってて。」


「はいっ。」


今来たのは年も近く仲の良いエデンだろう。


彼女は本当に人が良い。無駄に優しい。


お人好しなのだろう。


こういうとき、地位と言うのは邪魔だ。


そう思いながらドアを開けた。


「では、朝食を取りましょうか。」


「ええ。ねぇ、どうして私は女王なの?エデン。」


「えっ。そっ、それはそういう家系だからかと。」


「じゃあ、あなたと対等になるにはどうすれば


良いのかしら。もう、こんな肩書き、嫌なの。」


「しかし、みなさんはあなたのような俗に言う


プリンセスや女王になりたいんですよ。」


「ともかく、ハレン女王様、行きましょう。」


「ええ。すまなかったわ。エデン。」


「いいえ。私が悪いのですから。」


≪朝食≫

今日はクロワッサンに鮭のムニエル。


サラダ、エッグ、ミルクレープだ。


カチャカチャ


ただ、ナイフとフォークが鳴る。


鳥たちも、鳴いてくれない。


誰もしゃべろうとしない。寂しい。


そうしていると、食べ終わってしまった。


各自、淡々と片付けていく。


私も片付けていく。


「ハレン女王様、私が持っていきますので。」


また、エデンだ。働きすぎではないか。


よく見ると、寝不足の証、クマができていた。


「私のせいで眠れないのだろう。すまないな。」


「いえ。学業のせいです。ハレン女王様は何も


悪くありませんっ。では、失礼します。」


逃げるようにエデンは去っていった。


う〜む、どうすればよいか。


人付き合いが乏しいため、分からない。


とぼとぼと自分の部屋に戻っていった。


「あぁ〜っっ!!」


ドカンッ。


ベッドに飛び込んだ。


「どうして女王なんかになってしまったのかしら」


コンコン


答えるようにドアが叩かれた。


「私です、エデンです。入ってもよろしいでしょ


うか。」


「ええ。開いているわよ。勝手に入ってちょうだ


い。エデン。」


「では、失礼します。」


「どうしたのかしら、エデン?」


立ち位置に困っていたが床に座るようだ。


「あそこの椅子を使っておくれ。」


「しかし、私なんかが。」


「私にとってエデンは大事な存在だ。


だから、座ってくれ。」


「では、お言葉に甘えて座らせていただきます。」


小柄でボブの金髪の人形のようなエデン。


とっても愛らしいが、どうしてこの世界に?


「朝食時に私なんかに無駄な心配をかけて


頂き、申し訳ありません。ハレン女王様。」


床に頭をつけ土下座をしていた。


私も床に正座で座った。


「大丈夫よ。そんなこと。


それより聞きたいことがあるんだけれども。


いいかしら?」


「……?!えっ、あっ、はいっ。」


「どうしてあなたはこんなところに


いるのかしら?教えてほしいの。」

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Re: fantastic story【題をまた変えるかも】 ( No.32 )
日時: 2017/04/14 00:45
名前: モズ (ID: Ft4.l7ID)

えっと、まずは参照とか400いきました!
みなさんのお陰です。
本当に感謝です。


番外編は書ける実力はないので
多分無理だと思います。


オリキャラは誰一人来ておりません。
むしろ誰か来てほしい、書いてほしい。


それと最近更新が遅い件については
モズの日常によって左右されます。
アイデアが出ても書く気がなければ
書けませんから。
他の駄作も同様です。


今日は書ける気分ではないので
書きませんが今週のうちに更新したいです。
ゲームも好きなのでそこら辺はご理解を。


他の皆さんに及ぶ実力ではありませんが、
これからも限界で精一杯書きます。
なので、よろしくお願いします。


それでは今度更新します。
書けなくてすみませんでした。

Re: fantastic story【題名変えた】 ( No.33 )
日時: 2017/04/19 21:40
名前: モズ (ID: w4lZuq26)

お久しぶりっすね
今日は書きます(そのつもり)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私はそう、話しかけた。
紛れもなく、あの少女に。
彼女は誰が見ようと純粋と判断するだろう。
私とは違って……



「おめぇ、アイカに何しようとしたんだぁー!」



「っちょ、エルフ!この人はそんな人じゃっ」



「アイカを誘拐しようとしたな?」



……誘拐?
どうして、そうなる。
それに少女はどうしていいかわからず、
オドオドしている。
が、少女はアイカとうい名であるようだ。

対してエルフという男性は
怪訝な顔で私の顔を下から覗き見ている。
が、私は顔を反らした。
私はまだ、馬に乗りっぱなしだったから
それに私は長い髪を纏めて
それをフードで隠していたから
顔もまともに見えなかったのだろう。
それじゃあ、誘拐犯に思われるのも仕方ない。



「おい、反応しろ。誘拐犯」



もう、断定していたようだ。
だが、私とバレても面倒だ。
この状況から逃げられないことに変わらない。
バラしても疑われるのは間違いない。
私はまともに外に出ていなかったから、
顔なんてなかなか覚えられていない。
意味なんてないのだ。



「ねぇ、その人は違うから。エルフっ!」



泣きそうな声で叫ぶように呼び掛ける。
が、私からアイカを守るように
口を押さえてエルフの傍に寄せる。



「なぁ。反応しろよ。じゃねぇと、
殺してやる。嘘ついたって同じさ。
アイカを殺そうとしたんだ。
それだけでこの場所じゃ終わりさ」



「エルフっ、私はそんな存在じゃないのっ。
女神とかなんかじゃないし。
そんな力なんて持ってないからっ」



……話を聞く限り、アイカという少女は
ファームプラントでは女神的存在らしい。
だから彼女はここまで守られていたのか。

私は本当にこの国のことを知らないんだ。
かなり近くの地域なのに……

私はとても冷静だったと思う。
誘拐犯として疑われているのに
何を考えているのだろう。

そう思えばエルフは私の方に手を伸ばし……



ドスン



「おめぇ、無視すりゃ済む話じゃねぇんだよ。
尋問してやるから答えろ。」



……エルフに馬から落とされた、地面に。
当たり前だ、誘拐犯に見えているからだ。
その癖にその犯人は反応もしないのだから。
そして尋問を受けることになった。
アイカはオロオロして動かない。
まぁ、だろうな。

フードから微かに見えるエルフを見た。
……完全に怒っている。
アイカは相変わらずオロオロしている。



「なぁ、お前は何者なんだ。言え」



首の辺りを掴まれたから息が苦しい。
顔が歪んでいく。
苦しんでいる声が漏れそうになる。
だが、どう答えればいい?
そう悩んでいる間に掴まれる力は
どんどん強くなっていく。



「その人は悪い人じゃないの、エルフっ」



「可哀想なアイカよ、こいつに怯えて
嘘つく必要なんてないんだ。
こいつは後で死にそうなくらい、
殴るなり蹴るなり罰を与えてやるから安心しろ」



「……っ、そこまでしないでよ。
誰なのかも確認していないじゃん」



「自分から名乗らない奴が悪いんだ。
そんな屑なんていいんだよ。
処刑はしないだけマシだと思え、誘拐犯」



「もうっ、やめてよっーーーー!!!」



「ってアイカっ!!」



エルフがアイカをじっと見ていた。
その先を見るとアイカは光っていた。
アイカ自身から出ているような光だ。
とても眩しい……という訳ではなかった。
アイカの優しさのようにふんわりとした光。



「アイカ……どうしてその力を……」



あり得ない、そんな表情でアイカに話す。
今更気づいたが、アイカはとても可愛い。
真っ白だった髪は光に染まって
金粉を纏ったようで美しい。
青い瞳も光に染まり明るく見える。
小柄で小鼻で小顔で肌がとっても白くて……
ただただ、可愛い女の子だ。

アイカをじっと見ることしかできなかった。
そしてアイカの容姿に感動するばかりである。



「そんなこと、どうでもいいの。
私、あなたを何処かで見たことがあるの。
確か珍しくティバへ出た時よ」



エルフを軽くあしらい、
アイカは話し始めた。



「たくさんの兵士さんに守られていた。
プリンセスだから幸せだろうなと思ってた。
けど、その子は笑ってなかったの。
その子は私と同じ年だと
みんなに教えてもらった。」



「……誰のことを話している、アイカ」



「エルフが誘拐犯と判断したあなたって
もしかしてハレン様じゃないですか。
チラッと顔を見たけれど、
さすが、『空の妖精』。綺麗だった」



「……そんな、訳ないっ」



「その青い目、青白い髪はあなたしかいない。
それに兵士さんが呼んでいたの。
あなたがハレン女王とね」



私だとバレていたんだ。
それにしてもあの光は……



「私はシュライン族よ。
あなたもそうだと聞いたのだけど?」



この状況だと答えざるを得ない。



「あぁ、私は確かにハレンだ。
シュライン族かはわからない。
教えてくれなかったんだ、両親が……」



「いいえ、あなたはシュライン族なの。
首元にマークがあるはずよ。
私のように……ほらね?」



アイカの首元にはマークがあった。
ボルボックスのような外枠の中に
shrineの文字が印されている。
そしてアイカに手渡された手鏡で確認すると
そのマークがあった。

どうして気がつかなかったのだろう。
みんなから見て死角だったから?
それとも気づいてたけど、言わなかった?



「そしてまだ、伝えたいことがあるの」



こっちへ来てと促され、
立ち尽くしているエルフを無視して
アイカに付いていくことにした。

Re: fantastic story【題名変えた】 ( No.34 )
日時: 2017/04/23 21:27
名前: モズ (ID: 9yNBfouf)

「ねぇ、何かする気なの」



私は問う。
急にじょうぜつになった、少女に。
しかしその少女──アイカは反応しない。
が、突然止まった。
変鉄もない、ただの草原だ。
先程までは茶色い景色ばかりだったが、
視界に映るのは青空と草原、そしてアイカ。
ここはファームプラントのはずだが、
この場所は手入れをされていない、というより
もとからずっとこのままであるようだ。
きっと、ただの草原なのだ。
そう、思いたい。



「改めて、話の続きをするわ」



そう、切り出してアイカは話し始めた。



「シュライン族についての説明かな。
さっき見たように時々光るの。
その時、一つの幸せをもたらすの。
私が始めて光ったのは赤ちゃんのころ。」



当時は雨がほとんど降らず、
凶作が続き、皆苦しい生活を送っていた。
しかしアイカが光るとその年には雨が降った。
が、両親はこれを信じなかった。
アイカが光ったことにもそれが故に
雨が降ったことも。
まぁ、当たり前だろう。
普通の子じゃないと思いたくなかったのだ。

次に光ったのは4歳のころ。
アイカの住む人地域で戦いが起こった。
アイカたちの方が劣勢だった。
が、アイカが光ることでそれを平和的に
解決することができた。
ちなみに両親はこの時からアイカの力を
信じ始めたらしい。
が、まだほとんどの者は信じていなかった。
子供に助けられた、その事実がしゃくに触るのだろう。プライドが許さなかったのだろう。

それから光る度に彼女の力は
住民たちに信じられていった。
今ではいろんな地域を回って
助けようとしているらしい。



「私が光るタイミングは強く心に願った時。
私自身が気づいてなくてもそう。
願ったら何か幸運が起こるみたいなの」



──では、エルフと私の前では何を?



「あなたはそのような能力があるはず。
それには気づかなかったの?」



「……心当たりはある。
どこかに行って欲しいと思えば
謎の空間にそれらが吸い込まれていった」



その言葉にアイカは顔を若干歪めた。



「その者たちは帰ってきたことはあるの?」



声を震えさせて私に質問する、アイカ。
私の力はそんなに……危険なのか?



「……たぶん、ないと思う……」



フゥーと息を吐き、大きく息を吸う。
そして、



「その力はシュライン族でも珍しい。
その力はシュライン族で最大にして最悪の力。
それを使われたらもう、戻ってこれないの」



エデンたちは戻ってこない……のか。
それを考えただけで足がガクガクと震えていた。


Re: fantastic story【題名変えた】 ( No.35 )
日時: 2017/04/30 14:08
名前: モズ (ID: FpNTyiBw)

はい、お久し振りです
今宵の月はどうでしょうね?

参照が400後半になり、
もうすぐまさかの500!
はい、あり得ない……

なので、
番外編もあってもいいのか?
そう、考えつつあります
500までに書いてほしいと希望があれば
書いてみようかと思いますので、
気軽にコメントしてください
(気づくのが遅い可能性がありますがね)




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
彼女たちは望んで
謎の空間に吸い込まれていった。

本当にそうか?
私が怖かったから?
それとも娯楽として遊んでいたのか?
覚えてない、そんなの覚えてない……

そうして私は逃げているのか?



「まだ、話は続いてる。
この力は゛エリカ゛と呼ばれているの。
それは最初にそれを目覚めさせたのが
エリカさんだったから。ただ、それだけ」




「ずっと昔にエリカを制御できずに
世界の終わりを一時的に迎えた時もある。
けど基本的にはエリカを持つ能力者は
殺されているの。」



「でもそれがわかる特徴はない。
シュライン族の人間を全て殺す訳にも
いけないから」



すなわち、エリカというこの力は
世界を壊すことができるのだ。
そしてそれを持つ能力者は殺される……



「私は殺されてない、バレてないからなの?」



本心で気になったのがそれだった。



「それもあるし、あなたが王族であるから。
本人が望まない限りは無理よ」



何が正しい選択なのか。
これから何をすればいいの?
誰か、教えて……



「もう、何も知らない。
でも私は。あなたに協力できると思う。
あなたはどう思う?私は敵、それとも味方?」



「……わからない、わからない。
何にもわからないっ!
まだ、あなたが言ったことも信じられない!」



たぶん、発狂していたんだろう。
叫んでいたんだろう。
かろうじて思い出せる。



「何が正しいのかなんてわからないのっ!
だから、もうっやめてよっ。
ねぇ……あぅ」



グラッとした。
地面が揺れた?
いや、私が揺れているんだ。
目線がどんどん低くなる。
私が倒れていくからだ。



「ハレンっ!」



アイカの悲鳴ともとれる、叫びが
最後に頭のなかをこだました。



「……ン、……レン、ねぇハレンっ」



……ん、うぅ



「あっ、ハレン。起きたん……だね」



何とか微笑んでいる、ように見えるアイカ。
どこか悲しそうに見える。



「でもそろそろハレン……様は戻った方が
いいんじゃないのかなぁ?」



「そうなの?
もう少しあなたと話したい……かも」



本心だ、紛れもなく本心だ。
エリカについてもそうだ。
私に必要な存在なのかもしれない、
そう感じたのもある。



「私のことは結局味方?敵?どう思うの」



「……まだ、信じていいかわからない。
でも味方だと思いたい」



ふふっとアイカが笑った。



「私はきっと味方。同じシュライン族でしょ?」



そして



「ねぇ、あなたの仕事に協力させてよ?
ハレン……様」



「ハレンでいい、その方がいいだろう?」



「うんっ!頑張るからね、ハレンっ!」



友達みたいで妹みたいに愛おしい、
そう思える、アイカ。

純粋で羨ましい。
本当に、本当に……



「っ!ハレンと……誰だ?」



久しぶりに聞いた、あの声。
懐かしいとまで思えてしまう。



「私はアイカ。ハレンと同じシュライン族。
お久し振りですね、ケムちゃん!」



ケムの顔が負の感情に染まった、気がした。
ケムはふきげんな顔をする。



「アイカ。お前が何故ハレンといるんじゃ」



その目はとても燃えていて
怒っていた。



「たまたまなのにさぁー、過去のことなんて
忘れようよ?」



それに反するように
アイカは満面の笑みを浮かべていた。




Re: fantastic story【題名変えた】 ( No.36 )
日時: 2017/05/08 21:39
名前: モズ (ID: w32H.V4h)

この会話で考えたのは、
ケムとアイカが顔見知りであること、
そしてその仲はあまりよくないこと。



「どういうこと、ケム」



問い詰めないような、優しい声で言ったつもり
だったが、そうは聞こえなかったようだ。
顔をしかめながら、アイカを睨みながら



「アイカたちと幼少時に争った。
そして私たちは負けた」



「そして勝者である私たちはケムたちに
とある案を認めさせた。
ただ、それだけ。なのにその内容が酷いって
勝手に私たちを非難するの。負け組のくせに」



後半をアイカが悪びれもなく、
他人事のように話していく。

ただ、「負け組のくせに」
ここだけはどこか違った。
何か特別な思いがあるように感じた。



「その内容とは、何かしら」



それを聞かなければ、始まらない。
それが不幸へ続いても、進まなければ。
そうしなければ、何も変わらない。



「……奴隷。アイカたちの奴隷として働く。
つまり人生全てをアイカたちに捧げる」



重々しく、ケムは話した。



「そう。でも何年か経ってそれは終わった。
けれど、私たち全てが悪い者だと言われるのは
可笑しい、絶対可笑しいの」



反発的に話す、アイカ。
最後だけは本心をぶちまけて話している、
そんな風に見える。
けど、そうであって欲しい。
悪い人間でないと、いい……。



「母は性奴隷にされた。
アイカの父親、そしてあの案の発案者に」



恨めしそうに話す、ケム。
顔はまるで別人のようで
私は思わず、恐怖を覚えた。



「……その扱いがあまりに酷くて、
ケムの母のマリサさんは亡くなったわ。
そしてそれがみんなに広がって
その案はなくなった」



そのアイカの言葉に
ケムは目を細めた。

アイカは無表情。
どこか悲しみが漂っていた。



「どうして。どうしてっ!
止めてくれても良かったんじゃないのかっ」



攻撃的に思える言い方。
でも下手になって言っている。
アイカは悪人でないと今までの発言から
考えたのだろうか?



「無理、無理よっ。
私たちだってアイツの食い物よ。
私はなんとか免れたけどね」



ケムの表情がさすがに揺らぎ、
唇の端を噛んで目をそらしていた。










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