コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 【短編集】この一杯を貴方と。【移動】
- 日時: 2017/01/28 17:12
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=38336
*
──ようこそいらっしゃいませ。
たくさんある中から、ここを選んでくださり、ありがとうございます……。
来てくださったからには、精一杯のもてなさせて頂きますのでどうぞ、ごゆっくりとお楽しみください──。
──貴方にとって、この作品が少しでも記憶に残りますように……────。
**
いつもお世話にになっています!
初めての方もどうぞ、よろしくお願い致しますm(*_ _)m
てるてる522です。
新年から新しい小説を始めさせて頂きます!
それでは、小説を読むにあたっての注意事項から行きます。
【注意事項】
①荒らし、なりすまし等はご遠慮下さい。(度合いによって、管理人様への報告も。)
②作者は大変な亀人間です。
③更新が遅いです。
④遅い上に大した物を書きません。
⑤日本語がおかしいです。
⑥何に対しても、語彙が少ないです。
⑦本当に駄作です。
⑧ここに記載してはいませんが、「最低限のマナー」を守ってください。
【来て下さったお客様】
・ましゅ様
・夏目 織様
・湯桁のろま様
〜Please come again.〜
【小説内容(menu)】
>>1
【小説情報(店舗情報)】
開店……2017.1.2
参照100突破 >>9 ……2017.1.20
【作者宣伝】
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こちらもよろしくお願い致しますm(*_ _)m
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【自己紹介】
中1。
女子。
カキコ歴は2年半年ほど。
好物は肉。
〜コメントを頂いたら必ず返信+その方の小説にもお邪魔しますm(*_ _)m〜
- Re: 【短編集】この一杯を貴方と。【開店中】 ( No.4 )
- 日時: 2017/01/03 23:50
- 名前: ましゅ ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)
こんばんは(・・*)/心里ですー
またもや神作の予感が[壁]‥) チラッ←
お忙しいとは思いますが更新楽しみにしています!
頑張ってくださいd(>_・ )
- Re: 【短編集】この一杯を貴方と。【開店中】 ( No.5 )
- 日時: 2017/01/04 08:22
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
〜心里さん〜
こんばんはー!!
コメントありがとうございます(o´艸`)
いえいえ!
神作ではなく、駄作ですよ!!(`・ω・´)
ありがとうございます(o´・ω-)b
心里さんも頑張ってください!
本当にいつも小説楽しみにしています(´∀`*)
お互い頑張りましょう!
コメントありがとうございましたm(*_ _)m
byてるてる522
- Re: 【短編集】この一杯を貴方と。【開店中】 ( No.6 )
- 日時: 2017/01/07 00:16
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
#2 「常連」
「よっ! 圭ちゃん、今日も来たよ」
ドアが開いて、付いているベルが鳴る。
そこからひょこっと顔を出すのは、圭ちゃんこと圭介──店長の古い友人である降谷だ。
「いらっしゃいませ」
秋乃はいつも通りのクールな表情を浮かべて降谷を席に案内する。
……何も言わずとも、降谷の席はいつもカウンターで圭介と一番近い席だ。
「で、今日は何にする?」
慣れた手つきでコーヒーをカップに注ぎながら圭介は降谷に尋ねた。
「そりゃ聞くまでもないだろう」
降谷は圭介に「いつもの」言って、秋乃からお手拭きを受け取って手を拭いてから顔を拭く……という一連の流れを行い、圭介に話しかけた。
「もう圭ちゃん、聞いてくれよ」
お手拭きを元の形のようにクルクルっと畳んで右手側に置いてから降谷は圭介に泣きついた。
「んあ?」
返事はするものの──降谷の方になんか目もくれずに、只管コーヒーをカップに注いだり洗い物をしたりと手を休める暇がない。
「妻が、実家に帰るとか言い出してよ……」
「こういう時どうすれば良いんだよ……」と降谷はテーブルに倒れた。
相変わらず圭介は降谷の方へけして視線は移さず、でも言った。
「そういうのは、秋乃の方が得意だ」
「いや……おまえ何言ってんだよ。こんな若い嬢ちゃんになんて恥ずかしくて相談どころじゃねーよ……なぁ?」
降谷は秋乃にそう尋ねた。
──別にそうは思っていない、けれどそんなことを言っては変に思われないだろうか。
すっかり染み付いた愛想笑いの中で秋乃はそう感じているだろうか。
「……良ければお聞かせください」
秋乃はふと心に決めた、という表情で降谷に言った。
「こりゃまた……。じゃあお願いする」と降谷は少し笑って、妻との出会いから話し始めた。
その話の中には圭介も知らなかったエピソードが詰め込まれており……圭介も時折手を止めて降谷と秋乃の間に入ろうとして───。
「圭ちゃんもいいけど、さすが親子だな。見た目以外にも似ているや。つい話し過ぎちまった……」
圭介と秋乃は店の外まで降谷を見送りに来た。
降谷は「妻とまたなんか有ったら来る」と言い残して夜街に入っていった。
「いい意味でもその他でも……もう来なければいいな」
圭介は星を見上げた。
「そろそろ戻ろう。圭ちゃん」
「お前……それ降谷の影響か? そうだよな」
「私も前からそう呼ぼうとしてましたー」
入口前のメニュー黒板の前で。──圭介と秋乃は2人で今日も「chestnut」を守り続ける。
**
降谷 俊(ふるや しゅん)
圭介の数少ない友人。
妻と上手く行かず、悩んでばかり。
- Re: 【短編集】この一杯を貴方と。【開店中】 ( No.7 )
- 日時: 2017/01/10 18:36
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
#3 「有名」
「いらっしゃい……おや?」
いつも言葉に一言、圭介は付け足して今店に入ってきた客を見つめる。
「初めてのお客様だね」
秋乃が父である圭介の方を見てそういう。──あまり大勢のお客が押し寄せないここ「chestnut」で働く圭介と秋乃は大体の訪れた客の顔は覚えている。
「そうだな、とりあえず席に案内してくれ」
分かったわ──と秋乃は一言。そしてメニューを持ってお客のところへ駆け寄った。
「こちらは全席禁煙ですが、よろしいですか?」
「構いません」
「それではこちらへどうぞ……」
まだこの人以外誰もいない。1人では少々広いかもしれないが秋乃は窓際の席に通した。
「ご注文お決まりになりましたら、お呼びください」
「……はい」
若干、さっきの「構いません」よりも細々とした声でその客……彼女は言った。
むろん秋乃もそれに気付き、そちらへ視線をやりながら少しずつ離れた。
*
「お待たせ致しました」
秋乃は彼女が注文したものを持って再び席を訪れた。
「あっ……」
雑誌くらいの大きさ。けれど表紙はシンプル……そんな本を何冊もテーブルに広げていた彼女は慌てて秋乃の姿を見るなり端に寄せ始める。
「急かしてしまい、大変申し訳ありません。こちらはアイスコーヒーと『chestnut流モンブラン』でございます。シロップやミルクはご自由にお使いください」
相変わらず顔色の優れない彼女。秋乃だけでなく圭介も心配し始める……が彼女は何かを決めたかのように口を開いた。
「あ、あの!」
秋乃はパッと振り返った。
「はい?」
「あの、私に対して何も言わないんですか……? 言って欲しいとかでは無いんですけど……」
「何か──と言いますと……?」
秋乃がキョトンとして、圭介の方へ視線をやるが圭介も「さぁ」と言った様子で肩を竦めた。
「わ、私のことどこかで見たことはありません……か?」
「すみません失礼します」
秋乃は彼女の顔を覗き込んだ。
──少々日本語がおかしいかもしれないが、他人に顔を覗かれてもそんなに躊躇しないところから彼女が普通ではない、というのは感じられる。
眉毛よりもほんの少しだけ長い位置で切りそろえられた前髪に、ゆるいウェーブがかったボブショート。特徴的な垂れ目に……泣きボクロ──?
「もしかして……」
「──多分そうです」
彼女は……芸能人だ。
最近すごく有名になり、毎日テレビをつけると必ずその画面に映っている。
笑顔が可愛いと、目尻に寄る皺とその傍にある泣きボクロが特徴だ。
……秋乃は思った。そんな有名人がなぜこの「chestnut」に?
「噂で耳にしていました。すごく聞き上手な店員さんがいると……。多分それは貴方のことでしょうか?」
「そうです」
彼女……芸能人の若水青は、まるで秋乃の心が見えるのかのように、返答した。
「有名になったのは嬉しいけど、あまり人目に出るのが得意ではなくて……。ファンの人とかにも「テレビで見たのと違う」なんて思われたらどうしよう、って思ったら怖くて不安で……。今日もここに来るまですごく人目気にしていました。ちょっと自意識過剰かもしれませんね──」
一気に言い切って、若水青はふぅっと息を吐いた。
「きっと、貴方のことをそんな風に思う人はいません。テレビでも実際でも若水さんは素敵でした」
秋乃は微笑んだ。
これは本音だ……。
「ありがとうございます!」
目が潤んでいる。
「これからも、ずっと応援していますから」
秋乃は今までただ別世界に住んでいる同い年くらいの女の子、という目で若水青を見ていたけれど、何も変わらない──同じように悩んでいた。
*
「それではこれ飾っておきますね!」
圭介は、若水青のサインを見て頬をだらしなく緩めている。
大ファンなのだ。
「ありがとうございます! みんなにもおすすめしておきます」
「是非に!」
圭介は本当に分かりやすい。
デレッデレしてお店の目立つところにサインの色紙を飾る。
普通ならば迷惑してしまうようなこんなファンにも愛想よく出来るのは彼女の培ってきた努力だ。
ドアに掛かるベルが鳴ったのが、確かに彼女が店を出ていったということを示していた。
**
若水 青(わかみず はる)
今売れている秋乃と同い年の芸能人。
人目を気にしてしまい、少々ネガティブである。
垂れ目と泣きボクロが特徴。
- Re: 【短編集】この一杯を貴方と。【開店中】 ( No.8 )
- 日時: 2017/01/13 23:45
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
#4 「影響」
「chestnut」は最近変わった。
その理由の一つに、「若水青の来店」が大きな影響を及ぼしている──。
嫌なものではなく……素晴らしくいい影響で、土日を中心に客の出入りが盛んになってきている。
それでも尚、圭介が店員の数を増やそうとしないのはこの「chestnut」を2人で守るというプライドがあるからなのだろうか。
増やさないということに対しては秋乃も賛成で以前より増してテキパキと仕事をこなして他人様の悩みを聞いて自然に解決する……という神技を披露している。
そういえば、「秋乃はただ話を聞いているだけなのに自然に解決し過ぎじゃないか。そんなもので解決する程度の悩みなのか」と思った方も少なからずいるだろう。
……私、客観的に圭介や秋乃を見ている私もその疑問を抱える1人だ。
──今のところそれが改善されることは伺えない。
悩みの程度もよく分からず、ぼやかされたままである。
「すみません!」
「はい、少々お待ちください」
注文を取っている最中に他のところから注文を取るようにとの声が上がる。
……秋乃の働きぶりは、ここにいる誰もが認めており誰1人として文句をこぼす者はいない。
でもそんな中でも、
「お待たせしました、こちら本日のケーキのアップルシナモンパイとホットコーヒーになります……」
「そんな事よりも、やっぱり青ちゃんが認めただけあって可愛いね! 良かったら連絡先とか交換しておかない? 連絡取りたい時とか便利だろうし……ね?」
まだ注文された品の説明が終わっていないにも関わらず、秋乃に「連絡先を聞く者」──はっきり言ってしまえば、ナンパする人が増えているのだ。
変な話だが、若水青が「chestnut」の紹介と共に「可愛い店員さんに会える」というコメントをしたら、それに食いつく者も増え、秋乃自身もそれに戸惑っている。
そんな時に参上するのが、ただただコーヒーを只管淹れているイメージの圭介。フロアに出てきて、「秋乃、もう出来てるから運べ」と言うのだ。
秋乃はそれを待っていたかのように頷いてそのナンパをされた場所から離れる。
圭介と秋乃の関係をしらない客は「もしかして年の差での夫婦」かと勘違いする人も多いようで……「親子」だと説明すると二度驚き、「父の前で娘をナンパなんて出来ない」と一度八栗親子の真実を知ると無駄に秋乃に声をかけるものはいなくなり、悩み者だけが秋乃に相談するという以前と変わらない状況に出来るのだ。
──少しぐちゃぐちゃと説明してしまったが、秋乃や圭介だけでなく猫のこんぶも、人気者だ。
ウトウトとしているこんぶを多くの客が撫でていくため、少しずつこんぶも愛想を覚え始めている。
……とはいえ、まだまだしっかりと使うには時間が掛かりそうだ。
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