コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- センセイ×セイト
- 日時: 2017/01/15 21:27
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: zT2VMAiJ)
はじめまして。
鐶と申します。
未熟者ですがら暖かく見守ってやって下さい。
プロローグ>>1〇登場人物>>2
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第5話>>9◎第6話>>10◎第7話>>11
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- Re: センセイ×セイト ( No.22 )
- 日時: 2017/01/15 21:11
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: zT2VMAiJ)
ましゅ様
縮まりそうで縮まらない
書いてるあたしもモヤモヤです( 笑 )
風間先生が何かと意味深な
行動ばかり( 笑 )( 笑 )
こんな作品見ていただきありがとうございます!
- Re: センセイ×セイト ( No.23 )
- 日時: 2017/01/15 21:13
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: zT2VMAiJ)
第15話
担任の先生と職員室で話をする為
私は鞄を持ち廊下を歩く。
授業中の校舎は静かで足音が響く。
「失礼します。」
職員室のドアを開け中に入る。
入口近くに私の声を聞いて振り返る
1人の教師
「あ〜倉西もう大丈夫か?」
肘を付き私を見上げる先生
「ご迷惑おかけしました植田先生」
少し恥ずかしそうに頭を下げる。
先生はニコッと笑う。
「まあ〜何事もなくよかったよ」
その言葉に私は頷いた。
植田征爾
私のクラスの担任兼美術教師
養護教諭の山吉先生の婚約者
「昼休憩もうすぐだし戻るか?」
植田先生が私にピラっと紙を渡す。
その紙を貰い私は近くの空いている
机と椅子に向かった。
「それ書いたら教室行っていいぞ」
植田先生がそう言ってまた机に向く
私は筆記用具を出し紙を書く。
フッと顔を上げ目の前の奥を見る
(あ。風間先生)
ドクンっと高鳴る心臓
パソコンに集中しているせいか
私には気づいてないみたい。
「やっぱりカッコイイな。」
ボソッと呟き私はシャーペンをしまう。
紙を植田先生に渡し「失礼しました。」
と職員室を出る。
4限目の終了の予鈴が鳴り響く。
「慧さんの馬鹿」
押し倒された時に触れられた肩を
私は軽く握りしめる。
涙が出そうなのを我慢しながら。
- Re: センセイ×セイト ( No.24 )
- 日時: 2017/01/15 21:15
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: zT2VMAiJ)
第16話
教室に入り皆と会話をする。
恥ずかしそうに私は前髪を触る。
5限目が始まる予鈴
席に座り教科書を出す。
数学と書かれた教科書に胸が苦しくなる。
ガラッとドアが開き風間先生が
中に入ってきた。
「授業はじめるぞ〜」
生徒からのブーイングに
いつものように交わす風間先生
授業が始まれば今までヘラヘラ笑って
いたはずなのに真剣な表情になる。
(先生になってもあの頃とまったく変わらない)
私はジッと見つめる。
猫っ毛で癖がついた短髪の髪
コロコロと変わる表情
背も癖も何もかもが変わらない。
でも唯一あの頃と違う所がある。
──山吉先生が好きな事──
「………。」
手に持つシャーペンを握りしめる。
もし風間先生が好きな人が私なら
こんな悲しませなかったのに。
どこか心の隅に宿る私の本音。
静かな教室に響く声を耳に
私はただただそう思っていた。
「本当に行くの?」
心配性の実咲は私に言う。
宏樹もジッと私を見つめる。
「ただの寝不足だから大丈夫だよ〜」
ヘラヘラと笑いながら私は
実咲を頭を軽く撫でる。
「無理しないで帰りなよ」
鞄を肩にかけ席を立つ宏樹が言う
実咲も頷く。
「下描きだけどうしても仕上げたいし」
私はフッと目を細め2人を見る。
「余り長くはいないから大丈夫よ」
ヒラヒラと手を振り私は笑った。
実咲と宏樹はフッとため息を付いたが
私の頑固な部分にやられたのか笑ってくれた
「…………。」
2人と別れ私は1人静かな美術室に居た。
目の前には私が今、描いているキャンパスが
ひっそりとそこにはあった。
黙々と下描きの続きを描き始める。
(本当なんで私、好きになったんだろ)
描く手を止めギュッと力を入れる。
「本当…私って諦めが悪いんだな」
スッと鉛筆を持ったまま椅子を立ち
隣に置いてあるキャンパスの前に立つ
視界がボヤけていくのが分かる。
頬に伝う涙がドンドン大粒に変わる。
涙が溢れて止まらない。
「なんで私を好きになってくれないの」
手に持つ鉛筆が床に転がる。
私は顔を手で覆った。
流れる涙を止めることなく私は泣いた。
「なんで好きになっちゃったんだろう」
ずっとずっと追いかけてきた。
ココに彼が務めていると噂を聞き
私はココに入った。
美術部の副顧問だと聞いて美術部に入った。
目で追うだけで話をするだけで幸せだと
私はずっと思っていたのに。
「もう歯止めが効かないよ。」
しゃくり上げながら私は泣く。
「嘘付くなって言われても無理だよ」
子供みたいに
「私は風間先生が好き」
ただただ泣いている。
「慧さんが好きなんだよ」
こみ上げてくる気持ちが
「慧さんの全てが欲しいんだよ」
口から溢れる。
届くはずのないこの気持ちが
──先生の全てを自分のモノにしたい──
- Re: センセイ×セイト ( No.25 )
- 日時: 2017/01/17 21:10
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: clpFUwrj)
第17話
どのくらいの時間が経ったのだろう。
私はハッと顔を上げた。
外はもう暗くなり月が光っていた。
「やばっ」
勢いよく立ち上がり
私は急いで鞄に荷物を片付ける。
キャンパスに布をかけ荷物を持ち
美術室を急いで出た。
「失礼します!」
勢いよく職員室に入ると
ビックリした顔をした先生がちらほらいた。
「あ。美術室の鍵返しにきました。」
ちょっと恥ずかしくて下を向く。
「まだいたのか倉西」
奥からコーヒーカップを持ち現れた
植田先生がそこに居た。
鍵を渡し私はお辞儀をして職員室を出た
風間先生の姿見当たらなかったのが
救いなのか少し胸をなで下ろす。
「植田先生が居るならまだ山吉先生いるんだ」
私はそんな事を思いながら
保健室の前を通る。
灯りが眩しくて少し目を細める。
「えっ」
足を止め来た道を振り返る。
さっき通った保健室から
聞き覚えのある声が
聞こえた気がした私はゆっくりと
保健室に近づく。
楽しげに笑う男女の声
(見たくない。見たくないのに)
私は強く強く自分に言い聞かせる。
だが身体は正直なのか
ゆっくりと保健室のドアに近づいていた。
少し開いた隙間から中を見る。
「先生の入れるコーヒーは美味しいです」
「ホント、先生はご冗談がお上手いですね」
クスクス笑う山吉先生の姿が見えた。
そしてスッと視界に入る人影
見た事のない笑顔で笑う人影に
私の心臓はドクンっと跳ねた。
「植田先生はホント幸せ者だな」
顔を赤く染めコーヒーカップを見つめる
好きな人の前で眩しく笑う風間先生はいた
「あ。」
スッとドアから離れ私はその場に固まる。
あんな顔して笑う先生初めて見た。
目には涙が溢れてくる。
一生懸命堪えようとするが涙は止まらない
「倉西……?」
ドキッと先ほど来た道を見る。
そこには植田先生の姿があった。
「あ。さ、さよなら」
そう言って私は下駄箱に走り去った。
植田先生は首を傾げながら保健室に入る。
「植田先生お疲れ様です」
コーヒーを飲みながら風間先生は言う。
「お前より先に妻から言われたかったわ」
クスクス笑う山吉先生の隣に
座る植田先生はニコッと笑った。
「そう言えば廊下に誰かいたの?」
山吉先生は植田先生のネクタイを
直しながら問いかける。
「あ〜うん」と答え机に置かれた
コーヒーカップに手を伸ばす。
「倉西がいただけだよ」
ピクッと身体が動く風間先生。
「あら。倉西さんまだいたのね。」
山吉先生は頬に手を当てフーっと息を吐く。
心配そうに植田先生と私の話をする。
コーヒーをすすりながら窓の外を見やる。
「まあ〜元気そうに職員室出て行ったし
大丈夫なんじゃないか?」
そう言いながらコーヒーカップを机に置き
椅子から立ち上がる。
山吉先生も椅子から立ち上がり置かれた
コーヒーカップを手洗場に持っていき
洗い出す。
「ご馳走さま」
スッと横からコーヒーカップを渡し
風間先生はジャケットを肩にかけ
「じゃーさよなら」
ニコッと笑いながら風間先生は
保健室を出ていった。
「はぁ……はぁ……」
私は学校の正門に手を付き
息を切らしていた。
保健室から下駄箱で靴に履きかえ
止まることなく走って来た。
「なんでよ」
目からは大粒の涙
「なんで止まらないのよ」
自分の涙が憎たらしいくらい
頬を伝う。
唇を噛み締め涙を拭う。
「馬鹿みたい。」
そう呟き私は歩き出した。
月明かりに照らされながら1人歩く。
横を何台かの車が走り去る。
「…………。」
考えている事はただ一つ。
風間先生の事
「相手は先生だよ。無理に決まってるのに」
ずっとずっと自分にそう言い聞かせる
でも馬鹿みたいに風間先生の顔が浮かぶ
「なんで好きになっちゃったんだろう」
また自分に言い聞かせる。
何度も何度も同じ事を。
携帯をとりだした途端
付いてあるキーホルダーが揺れた。
「………。」
ジッとキーホルダーを見つめる。
少し黒ずみ私を見るキーホルダー。
「まだ持ってるよ。慧さん」
キーホルダーに唇を寄せ軽くキスをする。
あの頃、風間先生が私にくれた
お菓子のオマケ。
「こんなの渡したの慧さん忘れてるよね」
ちょっと残念そうに笑いながら
私はキーホルダーを揺らした。
不細工なウサギのキーホルダー
好きな人からもらった唯一のモノ
「ほんと不細工だな」
キーホルダーを見つめる。
気づかないうちに涙は止まっていた。
駅前の信号に止まる。
赤信号を見つめていると
「倉西」
聞き慣れた声が後ろから聞こえた。
ドクンっと高鳴る心臓に驚く。
振り返りたいけど何故かすぐには
振り返れなかった。
信号が青になるがその場に
止まったままだ。
「…………。」
後ろから声をかけてきた人影も
何も言わずそこに立っていた。
信号が赤に変わり私はやっと振り返った
「風間…先生…」
小さく小さく名前を呼んだ。
優しく微笑んでくれるその人影は
私を見つめていた。
「送るよ。夜道は暗いから」
胸がギューッと締め付けられる。
──なんでそんなに優しく微笑むの?──
- Re: センセイ×セイト ( No.26 )
- 日時: 2017/01/22 19:00
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: 3edphfcO)
第18話
静かな空間には音楽が流れていた。
チラッと横目で隣を見る。
「………。」
肩肘を立て片手をハンドルに置き
前を真っ直ぐ見ている風間先生がいる。
膝の上に置いた自分の鞄をギュッと
握りしめる。
「家はあそこでいいんだよな」
ボソッと呟く風間先生に「うん」と
私は返事をした。
沈黙が続く中今流行りの音楽だけが響く。
フーと小さく息を吐き
私は窓の外を見る。
キラキラと輝く街灯が眩しい。
揺らっと何かが目の前を揺れた。
私は「んっ」と小さく呟き
その揺れた物を見る。
「えっ」
口が半分くらい開いて
私はそれを凝視した。
懐かしい小さなストラップ
「先生……これ……」
ストラップに触れる。
風間先生はフッと笑う
「覚えてる?」
何かを確かめるように首を傾げる。
私は何も言わず頷く。
それを横目で確認した風間先生は
ソッと頭を軽く2回撫でた。
「あの時と同じ顔してる」
クスクス笑う声がした。
顔を赤くしてる私は顔を隠すように
前髪に触れる。
静かな住宅街にブレーキが響き
車が止まった。
「着いたよ」
風間先生の声に顔をあげ
助手席のドアを開ける。
「ありがとう……」
一瞬、私は唇を噛む。
首を傾けながら私を見る風間先生
とっさに私は風間先生の顔を見て微笑んだ
「ありがとうございます。慧さん」
勢い良くドアを閉め
玄関走り去った。
勢い良く閉まったドアを
見つめる風間先生は頭を軽く掻いた。
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