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- 恋い焦がれ、カタツムリ。
- 日時: 2017/01/30 20:15
- 名前: 四葉春蜜。 (ID: 4NzAaWKB)
「すっ…好きです」
「ごめんなさい。平井君の顔、生理的に受け付けないんだよね」
約四年もの間、恋い焦がれていた女子生徒を校舎裏に呼び出し、告白した夏の暑い日。
俺は無残にも振られた。まあ、元々、恋人同士になる自信はなかったんだが。
振られて気まずさで悶えている俺を後目に、相手の女子生徒は何事もなかったかのようにその場を去っていった。
俺は膝から崩れ落ち、顔を手で覆った。涙が溢れて来た。口からは嗚咽が漏れる。
女子生徒のツンとした冷たい態度に、恋心はすっかり冷めたかと思ったが、やはり四年の月日は無駄ではなかったらしい。喪失感と羞恥心が煙となって、胸で渦巻いた。
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- Re: 恋い焦がれ、カタツムリ。 ( No.1 )
- 日時: 2017/03/01 22:38
- 名前: 四葉春蜜。 (ID: 4NzAaWKB)
教室に戻ると、仲良くしている友人Aと、その他、金魚の糞たちが俺を囲む。
「なあ、どうだったっ?」
友人Aが興味津々な顔で訊いてくるが、俺の死んだ目を見て察したようだ。皆で目を合わせ、視線を泳がせる。そして友人Aが俺の背中を軽くたたいた。
「ワンチャンッ」
そう言い、ドヤ顔で親指を立てる友人Aは何がしたいのか。そして金魚の糞たちも、連続して親指を立ててからのドヤッ。もう一度言う、何がしたいのか。
もう……泣けてくるわ。
袖で涙を拭う俺を見て、友人Aは俺の腕を引いた。友人Aの大きい体に抱き締められ、俺は人の温かさを感じる。俺は友人Aの背中に手を回し、抱き締め返す。
「ありがとうっ……ありがとうっ……」
そう言って、俺は友人Aの顔を見た。友人Aの目は死んでいた。
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