コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 浅倉くんは今日も変態。
- 日時: 2017/03/17 15:23
- 名前: 安岡 (ID: 3NNM32wR)
稲山市立南中学校2年D組、浅倉涼。
浅倉君の趣味は可愛い女の子を見ること。
比較的クラスのいざこざにも巻き込まれたくないタイプであり、傍観者ポジションを狙っているが、どうやら周りはそうもさせてくれない。
可愛い女の子を見るためなら(少々の)危険も冒す男の熱い物語!——のはず。
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- Re: 浅倉くんは今日も変態。 ( No.1 )
- 日時: 2017/03/28 15:00
- 名前: 安岡 (ID: 3NNM32wR)
第一話 可愛いは正義だ、なぜなら
可愛いは正義だ。勿論同様に、美しいだって綺麗だって正義だ。
こんな事を言うと世の女性の八割くらいからは責められるだろうが、その女性達だって本心では「イケメンは正義」なんて思っているに違いない。
だから僕はブスの事を一生好きにはならないだろう。
大して可愛くもない——いや、それどころか完全に「ブス」と言われる側の顔の女の子に告白された瞬間、浅倉涼は明らかに吐き気がした。
別に「ブスは悪だ」とかブスはこの世から消えろとか、そんな事言っているわけじゃあない。だいたいブスがいるから可愛い子は更に引き立つんだ。
うん、ありがとうブス。
僕だって「全てのブスを嫌い」だとは言ってない。いや、勿論顔のみで評価するなら——性格を知らないとして——好きか嫌いの二択なら——そりゃ嫌いの方に入るけれど、でも性格の良いブスは好きだ。恋愛感情が芽生えるなんて百パーセントあり得ないけど。
ただ、このブスは少々許しがたいブスだ。
自分の顔の悪さに自覚がないし、僕が学校で最も美人だと思っている女子の事を貶したし、何より「面食いな男は嫌いだ」と言う。
僕は、ブスは勿論だが、自分を受け入れてくれない人を好きになれない。
だから僕はこのブスをフった。「君とは価値観が違うみたいだし」——うん、我ながら見事だ。相手を傷つけることもないし。
こうして僕は、爽やかにこの場を去った。
桜が舞い散るグラウンドから、一人寂しく泣き叫ぶ醜い少女を置いて去ったのだ。これは勿論悪ではない。僕に告白するのも彼女の自由で、僕にフられて泣き叫ぶのも彼女の自由で、それと、彼女をフるのは僕の自由で。
彼女が泣いているのはたぶん、誰のせいでもない……などと、格好つけた事を僕はふざけて考える。
素晴らしき哉、人生!
素晴らしき哉、美女!
- Re: 浅倉くんは今日も変態。 ( No.2 )
- 日時: 2017/03/28 15:15
- 名前: 安岡 (ID: 3NNM32wR)
第二話 さて、日常に戻ろうか。
比較的、僕は顔が悪くはない方だと自覚している。だから先ほどの様に告白されることは、日常茶飯事とまではいわないが、年間行事で二回か三回はある。まあ、いたって平均的なモテ具合。
意図して存在感を消しているおかげで、爆発的なモテ期など来るはずあるまい。少し意識すれば消せるほどの存在感が寂しくもある。
やはり爆モテ・ハーレムは男の夢なのか。
「涼ーっ」
『ブスからの告白を断る』という非常に体力を使う作業が終わったと思ったら、『うるさい同級生がやってくる』というこれまた非常に体力を使う出来事やってきた。これが美少女ならいいものの、残念ながら顔がいいだけの男子である。可愛いと美しいものは正義だが、イケメンは違うので、こいつが不細工だろうがイケメンだろうが関係はない。
「なんだ茅野」
「相変わらず愛想がないなー涼ちゃん」
「気色悪い。どうして茅野は美人じゃないんだ」
「いやいや、俺も美しい顔をしているという時点で美人だから」
「じゃあ言い直す。どうして茅野は美女じゃないんだ」
「ごめんね涼。僕は美男だから美女にはなれない」
上目遣いで見てくる身長一メートル七十センチ越えの男子など気色悪い以外の言葉では表しようがない。これがまだ、可愛い系男子なら許してやったものを。
「じゃあ茅野。俺はD組に戻る」
「寂しいなー、俺もD組になればよかった」
「なれるだろ、来年くらいには」
そう言い、僕はマイ・クラス、二年D組に入る。先ほどの昼休みの吐き気をD組の女子たちで恍惚に変えようじゃないか。
などと毎度のことながら気持ちの悪い目線で僕はD組の女子(の中でも可愛い女子だけ)を見る。
勿論、横で騒いでいる男子などは目に入らない。
あーあ、この世が可愛い女の子だらけだったらいいのに。
- Re: 浅倉くんは今日も変態。 ( No.3 )
- 日時: 2017/03/28 15:39
- 名前: 安岡 (ID: 3NNM32wR)
第三話 浅倉君による美女の紹介。
僕が見ているクラスの美女。それは十六人中五人いる。三分の一もいるのか、と驚いた方もいるだろうが、D組は美女爆発組なので比較的美女が多いのだ。C組などになるとこうはいかない。
なので僕はいつも僕をD組に入れてくれた先生に感謝している。誰か知らないけど。というかD組に入る資質を持っていた僕に感謝している。
ありがとう、僕。
——いや、感謝すべきはD組の美女五人だ。僕の毎日の目の保養。というわけで、感謝の気持ちも込めて五人を紹介していく。
まず、第五位の結城 美緒。
和風な顔に外国人と思うような、若干ウェーブのかかった色素の薄い髪を腰まで伸ばしている。このアンバランス感が、彼女に惹き付けられる最大の要因だ。ちなみに声も可愛い。顔自体は意外にも童顔だがきつめの雰囲気がそれを感じさせない。性格はかなりの女王様である。
次に、第四位の北野 加奈。
よく日焼けした肌に、小粒ながらも整ったパーツ。身長はクラスで最も高く、細身。つまりは胸も乏し……ゲフン。手足は細長く、髪はまるで男子の様に短い。ボーイッシュ、素晴らしい。授業中よく居眠りをする。その寝顔は幼い少女のようで……もう……これ以上語らないでおこう。
それからいよいよ第三位、田中 凛。
身長はクラスで最も低い。髪は緩く三つ編みにしており、目は丸くて大きく、鼻も丸くて低い。口は常にアヒル口を意識している。性格も所謂ぶりっ子だが、田中の顔だから成り立つ。可愛いだけでなく、田中は天性のぶりっ子顔だ。
そして第二位、一ノ瀬 由衣。
背は田中と争うほどの低さで、目は猫のように大きくて釣っている。鼻は大きくて高く、口も大きい。小さな顔に大きなパーツがぎゅっと詰まった、華やかな顔だ。頭も良く、成績はクラスで一番。運動も出来る。神は一ノ瀬に二物も三物も与えたらしい。ちなみに、性格はかなりきつい。
堂々の第一位、晴野 ハル。
どんだけ快晴なんだ、と思うような名前はいったん置いといて、顔は文句なしに一位だ。切れ長の、綺麗な末広二重の目、すっと鼻筋の通った高くて細い鼻、少し厚めの、口角がきゅっと上がった唇。性格はかなりのドジかつ天然で、運動神経も悪いが、勉強だけは出来る。
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