コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 無職童貞未婚の男が十年若返って高校生活をやり直します!
- 日時: 2017/08/06 22:26
- 名前: とらうち。 (ID: 80kMZFUh)
とらうち。です
今回は使い古された『高校生活をやり直す』物語を書きたいなと思い投稿させて頂きます。亀の子なので皆様よろしくお願いします
始まり
時々、一人部屋に閉じこもってパソコンの画面と日がな一日睨めっこしていてふと思う事がある
【高校生活はもっと今より充実してたなぁ〜…どこで俺って間違えたんだろ?部活は県大会まで進むぐらいには頑張ってたし彼女だっていたはずだよな大学だってそこそこのところ出たし……何で俺】
ピロリン♪ピロリン♪
「……ん…メー…ル?誰だ?こんな…時間に」
軽快な音を発する携帯に重たい瞼をこじ開けられ昨日まで祭りだった俺の睡眠時間を大きく削いでくれた
《仕送り止めます 母 》
「…………?………は?」
俺はその一文を理解するのにどれくらいの時間を要しただろうただ一瞬で眠気が吹っ飛んだことは確かである、母さんからだったからではない問題なのは最初の一文簡単にまとめられた一文で俺にとって死の通告とも言えるその一文
「まじ…かよ、俺に死ねって言ってんのか?このクソババァはぁぁぁぁよぉぉぉぉ!!!」
〜〜♪〜〜♪〜〜♪
「はぁ電話?誰だよ、こちとら今寝起きでの神様からの死の通告を貰ったところなんだぞぉぉぉぉ出れるか!」
六畳という小さい空間で五月蝿く鳴る携帯を壁に向かって投げつけ、仕送りの無くなった今どうやって母から金をむしり取るか考える
〜〜♪〜〜♪〜〜♪
「うーん、どうしたものか普通に金くれと言ったところであの人のことだし働けとか言ってくるんだろうなぁ」
〜〜♪〜〜♪〜〜♪
「はぁー上京して来た頃の高校生活は楽しかったよなぁ〜バイトと仕送りで高校生には有り余る程の金が手に入ったのに……クソどうにかこうにかあの人から金をむしり取ることは出来ないのかぁ?」
〜〜♪〜〜♪〜〜♪
「うう〜ん、これだと直ぐ帰って来いとか言われそうだしあの方法だと親父が五月蝿くなるし、こっちだと妹に叱られそうだし…………何か良い方法無いものか」
〜〜♪〜〜♪〜〜♪
(携帯うぜぇ、誰だよ!?諦めろよ!)
〜〜〜♪〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪
しかし、携帯のコール音は鳴り止まず心なしかそのコール音はどんどん長くなっていってる気すら感じる
「誰だよっ!諦め悪いなぁ!もしもしっ!」
「あっ!やっと繋がった〜、もしもし〜?お兄ちゃん?」
「流美かっ!?」
「何?お兄ちゃん誰だと思ってたの?」
「あ、いや〜神の救いが…………な」
「はい?」
………………しゃっあ!今思いついた作戦だが妹を使えば何とか仕送りを止めさせずに済むぞ!
「なぁ我が妹よ」
「な、何?」
「親父達に泣いてすがって今から言うセリフを言ってきて下さい!」
「はい?」
「じゃあ言うぞ?……ゴホン『お兄ちゃんは何も悪くないの!悪いのは全部流美なの!欲しい物をお母さんやお父さんにねだらずに一人暮らしのお兄ちゃんに全部ねだった流美が悪いの!だから…………だから…お兄ちゃんの仕送り止めないで!』…………どうだ?簡単だろ?」
流美は兄の俺からしても可愛い部類に入るからな、そんなのが泣いて自分にすがりついて懺悔するんだ例えあのクソ親父でもNOとは言えまいそれに今のセリフの中で嘘なんて一つも入れてないもんね!さぁ妹返答を!
「は?無理に決まってんじゃん、そんな事言ったらお兄ちゃんが真っ先にお父さんに怒られると思うし第一流美がお父さんとお母さんに何も買って貰えなくなるじゃん嫌だよ」
何とぉぉぉぉぉ!!!!
「どうしてもか?」
「うん」
「新しい服買ってやるって言ってもか?」
「………………うん」
「あんなに色々と買ってやったのにか?」
「うん」
く、自分の利益になる事以外即答しやがった!流石俺の妹清々しい程のクズっぷり
「そんじゃ声聞きたかっただけだから元気そうだし切るよ?」
「今のでどこをどう聞いたら元気なんだ!?」
「切るよ?バイバーイ」
「え?ちょっ!」
ツ─ツ─ツ──────
切れとるぅぅぅ?
「よし!家に帰る事があったら真っ先にあいつのあの性格を根っこから修正せねば」
そう固く決意し俺は携帯をベッドに投げ自分もベッドにダイブする、そして……………
「今月どうしよぉぉぉぉぉ!!!!てか仕事してないからこれからどうしようぉぉぉぉぉ!!!!」
まるで大ダメージの喰らったキャラのようにベッドの上でのた打ち回る
「助けてくれる友達なんていねーし?実家になんて帰りたくないし?てか金無いから北海道まで東京から歩くなんてバカげてるし?今から働いたところで今月の家賃やら光熱費やら払えないし?その間の食費捻出できないし?犯罪なんてもってのほかだし?親父達が迎えをよこすなんて絶対ないし皆無だし?……………………え?待って、これ………………死んだ方が楽になれるんじゃね?…………………いやいや!バカな事考えるようになったなぁ俺そうだ!ダメ元で親父達に電話してみっか」
プルルル…プルルル
「……………………………あっ!親父?今月ヤバくてさ!だから今月だけそっちに帰っていいかな?」
『ああぁ?今俺と母さん結婚記念日でイタリアだぞ?それに流美は修学旅行で関西だし?帰りてぇなら実費で帰れ今月分は母さんに渡しといた筈だからそっちに行ってるだろ、話はそれだけか?今忙しいから切るぞじゃあな』
「え?待って!」
ツ───ツ────ツ───
何で家の人達って人の話を聞かないのかなぁ?親父はダメ母さんは結果が見えてる、流美は修学旅行そういやそんな時期だったな!友達って尊いのな!クソッ!どうしたらいいんだ?サイフのHPはもう0だぞっ!
「はぁ気晴らしに外でるか」
何かしに行くわけでもないが俺は顔と歯を洗い服を着替え部屋のドアを開け外に出る
「げっ!雨じゃん鬱だなぁ〜」
外は豪雨とまでは行かないが外出するのを躊躇うレベルには降っている
「まぁ、どうでもいいや」
ドアノブにかけてあるビニール傘を手に取りさす、傘に当たる雨の音が軽快で意味もなく心が踊る
「どこに行こっかな〜♪」
鼻歌混じりに歩道を歩く、そういや下りる時ギシギシ鳴っていた階段を思うとやはり俺が住んでる築30年のアパートは伊達じゃないらしい
「おーカラフルだねぇ」
道行く人達がさす傘は色とりどりでその街だけがカーニバルが行われてるみたいでもある
「新宿到着っと携帯にはまだ金入ってたよな?電子マネー使える所探そカフェとか良いな〜」
会社員を止めて新宿に行ってなかったので、いやそれ以前に家から出たことがこの頃なかったので新宿以前に家周りの道すらあまり覚えてなかったのが現状でここに来るまで三時間の時間を潰した
「へーこんなの建ってるんだ〜たった3、4年でこうも変わるもんなんだなぁ、お?あっちのシャレたカフェ電子マネーOK ってある。あっちでいいかな?」
適当に見つけたカフェに入り出入り口近くの一人席に座り寄ってきたバイト君にアイスコーヒーを頼む、2、3分後案外早く来たコーヒーを一口飲みそして気付く
(失敗した!これブラックじゃん)
苦いのに慣れてない25歳無職はそのLVの低いコミュニケーション能力を酷使し長い会話の末、角砂糖とミルクを手に入れる
(くっ、やっぱり一人が楽だな)
飲める分に甘くしたコーヒーを飲みながら店の中を見渡す、時間は会社員からすると昼休み時間、近くに会社でもあるのだろうかスーツを着た会社員らしき人達が昼食を取っている
(あ〜俺もほんの3、4年前まではスーツ来てああやってカフェで少ない昼休み時間を使って飯食ってたなぁ〜まぁ会社員なんてバカらしくなって直ぐ止めたけど)
視界を店から窓に移す、雨は弱まり雲の隙間から太陽の光がさしている
「わぁ〜綺麗だなぁ、ほら雨が弱まったから観光客が多くなって男の子がはしゃいで赤の信号を渡ってそこにトラックが…………………って!何呑気に解説してんだよ!」
飲みかけのコーヒーをテーブルにおき勢い良く店を出て男の子のいる信号まで人をかき分け全力でダッシュする
「すいません!道、開けて下さい!お願いします!」
道行く人達が迷惑そうな顔で俺を見るしかし今はそんなのどうでも良いあの子を助けないと、視界に男の子が入るトラックとの距離はあと少しのところ野次馬が多い、母親の悲鳴が街中に響いている、野次馬をかき分け男の子のいる信号の中間地点まで残り少ない体力をフルで使ってダッシュする
(クソッ!間に合うか?間に合え─────)
俺の手のひらが男の子の背中を押し歩道近くまで飛ばす、その瞬間俺の身体は大きな衝撃と共に凄い高さまで飛ばされた
(うお?高っけ!俺ってば今空飛んでる?飛んでるよな?)
俺の身体が地面とくっ付いた瞬間周りから耳をつんざく様な悲鳴が聞こえ、男の子を抱いた父親らしき人が俺に近寄り上半身を起こす
(止めてくれよ……)
意識が薄れてく中母親らしき人が泣きながら俺に近寄り携帯でどこかに電話している
「息子…………さん大丈夫……です………か?」
「はい!」
「そう………です…………か」
(ああ、俺ってば何時からこんな正義の塊みたいになったんだ?父さん、母さん、流美先に兄ちゃん……………相崎涼太郎は天国で天国して待ってるからな)
そして救急車のサイレンと、野次馬に囲まれて俺、相崎涼太郎は死んだ
続け
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