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『君が好きなモノについて話そうか』
日時: 2017/11/19 11:45
名前: 黒伸 (ID: ???)  

小説初めてです。
拙い文章ですがどうぞ、宜しくお願いします。

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Re: 『君が好きなモノについて話そうか』 ( No.1 )
日時: 2017/11/19 12:20
名前: 黒伸 (ID: ???)  

「君の好きなモノはなに?」と昔聞かれた事があるが私は何も答えられなかった。
 元々、私は物欲がない方だとは思っている。が、あの時は今よりかはまだ物事に対して執着はしていた。
 でも何故だかあの時ばかりは口が開けず、言葉も出せなかった。しかも何故言葉が出せなかったのか、という理由すらも忘れてしまった。
 だがまぁ、昔の事だ。と、締め括ってみるが何故だかそれを忘れる事も出来ない。

 大体、人間の脳が可笑しいのだ。

 楽しい事などポジティブな事は忘れるが恥ずかしい事や悔しい事などネガティブな方が忘れられない、という最低な脳を持っている。
 だから別に私は悪くはない、筈だ。
 
 等と腑抜けた事を考えていると背後から背中を叩かれた。
「御早う、咲」
 と明るい笑顔で言ってくるこの暴力女もとい島津千尋シマヅチヒロは私の昔からの馴染みである。一応、挨拶は返すが私の乏しい表情筋では彼女の様な笑顔は出せない。
 実際、直そうとも思ってないんだがな。
 
「それにしても凄い走りっぷりだったな」
 と感嘆の声を上げると、淑女らしからぬ言動でこう言った。
「そうそう聞いてよ、今日転校生が来るんだって! しかもイケメンって噂だよ? 超気になるじゃん!」
「まず耳元で大声をあげるな。煩い。それと第二ボタンが開いているし尚且つ装飾品を外せ。校則に反して風紀委員に捕まって反省文を書きたいのか、君は」
 批判の声を出しながらも島津は装飾品を外す。根は良い奴なんだが高校に上がってからというもの彼女はお洒落が増えた。
 ファッション誌を買うようになったり、私を連れて(不本意だが)服屋に行く事が多くなった。
 まったく女子というものの概念が私にはわからない。島津は、咲にもきっとわかる日が来る、とかなんとか抜かしているが私は一生わからないままで良い。

 そのような言葉を交わしている内に学校に着いた。

Re: 『君が好きなモノについて話そうか』 ( No.2 )
日時: 2017/11/19 12:46
名前: 黒伸 ◆/xYS5G3B4Q (ID: ???)  

 校門では警備員の人が立っているので一応は挨拶をする。日課、と言うことには自分の中でなっているのでもう慣れている。

 下駄箱に着き、靴を変え校舎の中へ入る。そこで島津とは一旦お別れだ。
 また後で、と残し、私は生徒会室に向かう。何を言おう、私はこの学園の生徒の頂点である生徒会長という名目を持っている。

 尚、好きでやっている訳ではない。

 これは少し前の話になる。
 ある日、私の所属している教室で全員強制参加のゲームが始まったのだ。罰ゲーム着きの。
 勿論、参加はしたくなかったが、参加を拒否すると罰ゲームが降りかかる。何もしていないのに罰ゲームを喰らうのは御免だ。

 という訳でやったのだがなんと惨敗。元々、ゲームは殆どしなかったのでルールが呑み込めず、そのままやってしまったのが敗因だ。
 罰ゲームはランダムで決まる。
 その為どういった罰ゲームになるのかは本人にもその他の人にもわからない。
 が、その日の私は運が悪かった。とても悪かった。朝から、いや朝の一時から悪かった。
 足をつって起きるわ、目が覚めて寝れないわ、寝たら寝たで遅刻をしそうになる。という散々な目にあったばかりなのに朝、学校に来てみればクラスの男子が放課後、全員強制参加のゲームをやる、という知らせを受ける。
 
 その為、非常に不安だった。
 
 結果

 
 予感的中



 そして私は生徒会長に立候補し、他に誰も居ず、決まる。という結果に至った。
 何故、他に立候補者が居なかったのか。
 それは簡単。
 前回の生徒会長が天才過ぎて比べられるのが嫌だったからだ。
 
 という理由からして私は後期生徒会長に所属している。

Re: 『君が好きなモノについて話そうか』 ( No.3 )
日時: 2017/11/19 13:34
名前: 黒伸 ◆/xYS5G3B4Q (ID: ???)  

 何故だか今とても気まずい状況の中、私は転校生を校内へ案内をしている。

 _約4時間前__
 
 転校生がこの教室にやってきた。転校生が来る事は知っていたが、まさかウチの教室だとはな。

 見た目は冷静沈着といった感じで物事に興味が無さそうだった。

 名前は霧逆冷斗(キリサカ レイト)という。
 名は体を表す、とはこの事か、と新たな事実を知った。
 丁度、私の右斜め上の席が空いていたので其処に決まった。
 私の前の女子は緊張からか顔が赤くなっていた。
 そしてHRの後、先生は生徒会長である私に昼休み、霧逆を案内してやってくれ、と頼んできた。
 いや、実際は命令だな。
 特別な用事もないだろう?と言われれば此方に成す術もない。
 なんと巧妙な手口であるか。
 流石に酷くはないか、と私は落胆した。

 その事を伝えに霧逆の席へ行くと、あと数分で授業だと言うのにも関わらず、霧逆の席は人で溢れていた。尚、クラスの人間だけで、だ。
 つまりは私は伝えねばいけない事をその時に伝え忘れたのだ。

 また、悲劇は起こったのであった。

 昼休み、勿論少ない休み時間の些細なお話だけで満足する輩達ではないので、人が大勢いる。
 休み時間等、生温いと言うように他クラスからも人が来ていた。

 この事実には頭を抱えた。頭痛薬がほしいくらいだ。
 流石に校内を案内しないわけにはいかないので、その人だかりを生徒会長の権限で吹き飛ばした。
 注)本当に出来ているのならば朝の時点でやっている。

 人の合間を縫って行き、辿りついた頃にはもう息切れをしていた。そして霧逆の手首を掴み、その大群から逃げていく。
 そして裏庭へ着いた。私と霧逆以外誰もいない。
 あっちからは、何だよ、みたいな目で見られるので此処は説明をしておく。
「私はこの学校の生徒会長の、松本咲マツモトサキだ。先生から霧逆を案内するように命じられた」
 そう言うと霧逆は信じられないという目で私を見る。
 まぁ女が生徒会長になるというのは珍しいのかもしれないな。偏見だがな。
「松本…咲……?」
「あぁ、そうだ」
 冷や汗が垂れる。
 何せ、『咲』という字に似合わない容姿をしているからな。当たり前か。
 そんな事を思っていると、両手をとられ、強く握られる。
 そしてキラキラして目でこう言った。



「欲しいモノ、見つかった?」




「は、はぁ?」


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