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- だからこそ君と
- 日時: 2018/01/22 21:39
- 名前: 花丸 (ID: t18iQb5n)
「君って私と昔会ったっけ?」
のんびりと俺を見る花丸ちゃん。花丸ちゃんの本名は花枝穂乃果(はなえだほのか)。何故花丸ちゃんと言うのかというと、苗字と丸っこいからという理由らしい。
花丸ちゃんはクラスから良い噂が立っていない。そしてすぐには人の名前を覚えられない。だからなのだろう。俺の名前も、自己紹介をしてから一週間も立っていないのだが、覚えていない。
「花丸ちゃんと同じクラスの巴瑞季啓(はずきけい)。ほら、席が隣の。」
「啓君か。ごめんね。私すぐに名前忘れるから。」
はっきり言っとくが俺は花丸ちゃんに数年前に一回あっていた。そう。受験会場で。
あの日は、二月では珍しく雪が降っていた。関東地方中心の大雪だった。受験会場に向かう中、吐き気がしていた。ただ、ほんの少し、ちょっとだけ。だがそれは会場に向かうにつれ次第にましってった。そしてやっとの思いで教室にたどり着くと、倒れこんでしまった。それを助けてくれたのが、花丸ちゃんだった。
「大丈夫?休憩室に言って休んだら?一緒についてってあげる。」
「いや・・。どうしてもここだけは受けないと。親に迷惑をかけたくないんだ。」
「じゃあ、絶対に受かって入学式の時に会おうね。絶対にね。そのためにも、まずは試験が始まる前にトイレ行っとこうよ。ね?」
そう言って、はなまるちゃんは俺をトイレまで運んでくれたのだ。知人でも友人でもなく、恩人なのだ。
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- Re: だからこそ君と ( No.1 )
- 日時: 2018/01/24 20:22
- 名前: 花丸 (ID: t18iQb5n)
花丸ちゃんは俺のこと覚えているだろうか?だが、人のことを覚えられない花丸ちゃんは、覚えてないだろうか?確かめる価値はありそうだ。
「なある花丸ゃん」
「ねえ、啓君は、私のことどう思ってるの?」
俺がちょうど話そうとしたときに話しかけてきやがった…。しかも、なんか苦手な質問。
「いや、どうって言われても。」
「ここに来たってことは、私のこと普通ってこと?」
「まあ、普通かな?」
しばらく、無言になったがやがて話し出した。
「ほら、私って、あまり人間的によく言われてないじゃん?だから、普通って言われるのとてもうれしいの。でも、こうして、私に会いに来てくれるなんて、逆に気味悪いかな?でも、ありがとう。」
花丸ちゃんは、俺にお礼を言うと、頭を下げた。
苦手なタイプだな。
直感的にそう思ってしまった。周りをきちんと見れてないな、とも。
「そうだ。俺のこと覚えてる?受験の時に会ったんだけど。」
「ごめん。覚えてないかな。」
やっぱりな。そうだろうな。何俺は、ちょっと期待してたんだろう。
「いや、別に。じゃあ、俺帰るわ。早く来いよって先生からの伝言。」
そのまま、花丸ちゃんの家を出た。
翌日も花丸ちゃんは、学校に来なかった。
花丸ちゃんは、風邪をひていたのだ。
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