コメディ・ライト小説(新)

Re: 天使と悪魔の説明書 ( No.5 )
日時: 2016/12/04 01:33
名前: ろんく ◆ezgtNbb9Yg (ID: 3NsP64Ez)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=11610

どうも皆様、ろんくです。遅くなりました……m(_ _)m
ですがしかし、不定期更新と初めに書いたので、その辺りはお許しを(ウルサイ




3.

「せいやっ!」

___カキーーーーン!!

「なんのっ!秘技、ギャラクシーサイバァァァッ!!」

___カキカキーーーーン!!

只今掃除当番のため、教室に残って掃除中。
とはいえ真面目に取り組んでいるかと言われれば、この有様である。
掃除に飽きてしまったのか、小沢と岩崎がホウキを刀代わりにして、チャンバラを始めてしまう始末。

「おーいお前ら、ホウキで遊ぶなって…」

緩〜い口調で注意する俺。
床を雑巾で乾拭きしながら、ふぅと軽く溜息を吐く。

「そうそう、早く終わらせて部活行きてーだろ?
速攻でやっちまおうぜ?」

俺が注意した後に、そんな事を言った生徒がいる。
こいつは宮嶋みやじま 隆矢たかや
どうやら彼は、早く部活に行きたくてたまらんようだ。
バスケ部に所属し、一年の中で頭一つ分抜けた実力を評価され、将来有望な選手だと聞いた。
だが隆矢、申し訳ないが今日は…というかしばらくは……

「……隆矢?今テスト期間なんだから、部活はやらねーだろ?」

「そうだぜ、何浮かれ気分になってんだよ?」

チャンバラ(笑)をしていた小沢と岩崎も、笑いながら隆矢の可笑しな発言を指摘する。
まぁ少しの勘違いなら、人間誰しもあるものなのだが…

「ん、そうか……そうだったな!まぁやりたい事はいつでもやりてぇよな!」

俺が知っている限り、コイツは彼此1日6回ほどこんなやり取りをしている。
しかも、テスト期間中ほぼ毎日続いていた。




____そう、この宮嶋 隆矢という男、とんでもないアホなのである。




普段話している時も、やたらうるさい奴だった。
いつもバスケか、何か訳の分からない話題しか聞いた事がない。
話題と言っても、好き勝手に熱弁して気付いた時には何処かに消えている。
とりあえず、終始何が言いたいのか理解不能なのだ。
要するに、この男、ただのアホ…スポーツアホなのである。

「そう思わねー?悠牙?」

「ん?…あー、そうだな。」

なぜか話を振られ、適当に返事して流す。こういった変なノリは、流すに越した事はない。

「何つーか、俺にパズルは向いてねーや、ハハハハハ!!」

____いやいきなり何の話だよ。
バスケから急にパズルの話か。いつ切り替わった?
こういう事があるから、隆矢コイツは色々と面倒というか、侮れない。

そんな時、

「おーい」

突如、不思議そうに呼びかけたのは、岩崎だった。

「お、どうしたんだ?」

「何かお宝でもあったかー?」

俺たち3人は、岩崎の元に駆け寄っていく。
彼の手には、何やら怪しげな冊子?的な物が握られていた。
表紙には、ギリシャ神話にでも出てきそうな、天使と悪魔の絵が乱雑に描かれている。
題名と思われる文字らしきものは、見た事のない記号だった為、読めなかった。

「何か、この辺掃除してたら出てきたんだけど…」

「誰かの落し物かな?中も変な記号で読めねー。」

「でも今頃、こんな感じの本なんて、古本屋でも売ってなさそうな感じだよな…」

「んな事より部活行こうぜ?」

みんな口々に、自分の思った事を思い思いに口に出す。
まぁ、約1名変な奴がいるが、それは置いておこう。



「じゃあさー……悠牙、持って帰ってみてよ。」

1分経つか経たないかで、なぜか俺が持ち帰ることになった。

「いや何で俺なんだよ!?放置って選択肢は無いのかよ!」

「「無い」」

「んな事より部活行こうぜ?」

ナンテコッタ、下手に扱ったら呪われそうな紙の束を。
よりによって俺が?あと隆矢、何回言うねん。

「岩崎、見つけたお前が持って帰れよ。」

「いやぁ、そこは主人公の悠牙さんに。」

意味不明な理屈で、俺に冊子を押し付けてくる岩崎。
というか主人公とか言うんじゃない。メタいし読者が混乱する。
よし、この冊子は溝にでも捨てるということに_____

「んじゃ掃除も終わったことだし、今日のところは解散としますか。」

いや冊子はどうするんですか?俺持ち帰りたくないんだけど。

「そうだな、まぁお互いテスト勉強頑張りましょうって事でな。」

いや、だから冊子は?

「じゃ、おつかれしたー!」

「もう部活始まってねーかな?」

「だから今テスト…もういいや疲れた………」

しばらくしないうちに、彼らは何事も無かったかのように、逃げるようにして去っていく。
教室には、俺1人だけがぽつんと取り残された。

「何て薄情な奴ら…」

聞こえるはずのない独り言を吐いたが、不思議と失望はしなかった。
こういう事には、無意識に慣れていたのかもしれない。我ながら恐ろしい事だ。
俺はしばらく、押し付けられた冊子をじっと見つめていた。

「…………」

見れば見るほど、畏怖の念が湧いてくる。
マジで怖いんだが。もし死んだりしたらシャレにならんぞ。

……バカバカしい、どうせただの落書きだろ。

そう思い込む事にし、俺は教室を後にした。
本当に今日は、いろんな意味でどっと疲れが出てきたな。
帰ったら何よりも真っ先に寝よう。そうしよう。

俺は小さく欠伸をしながら、校門を通り抜けて帰路に着いた。




____この後____あんな災難が降りかかる事になるとは知る由もなく……。