コメディ・ライト小説(新)

Re: ある少女は、成長する事を拒むのです。 ( No.17 )
日時: 2017/02/11 13:00
名前: ラッテ(SAKUYA) (ID: 5YaOdPeQ)

第12話 ヒーロー 3

「ちょ、レイ君!?話聞いてたの!?」

「おう、聞いてたけど何か?」

須原はキョトンとした顔でこちらを見ている。

いや、そんな顔で見たいのはこっちの方だよ、と心の中でつっこんだ。

でも、何だろう。

何だか私は笑いがこみ上げて来た。

笑いを抑えきれず、私は笑ってしまった。

「え、俺なんか変なこと言ったか!?」

須原は相変わらずだ。

本当に。

…私が馬鹿みたいだ。

「…変な事言ったよ。あんたは!」

いつもの調子が戻って来たみたいだ。

根本的な問題は、何も解決していない。

でも、須原の言葉が、私の心に強く残った。

なんで私はションボリしてるんだ。

自分で居場所を奪っておきながら、なんでこんなに落ち込んでるんだ。

居場所を自分で奪ったなら…。



もう一度取り戻せばいい!!




須原のおかげで何だか吹っ切れた。

「…。何だか僕の出る幕無かったみたいだね。」

葉山はそう言って加納の元へ戻って行った。

須原は、突然私に聞いて来た。

「んで、お前はこれからどうすんだ?」

そんなの決まってる。

やよいちゃんと竜胆さんに、謝る。勝手に自分で嫉妬しておいて、迷惑かけたことに。

そして、やよいちゃんに今度は自分から言いたい。

『友達』だって。

須原のおかげで勇気が出て来た。

こいつは、私に、勇気を出させたり、悩み事を解決させたりと、色々やってくれている。

多分本人は気づいていないだろうけど。

こういう奴を、世間では、『ヒーロー』っていうのかな?

「さぐりん!!」

声がした。やよいちゃんの声だ。

「ほら、行ってこいよ。」

須原が後押ししてくれた。

この言葉が、どれだけ支えになっていることか。

私は覚悟を決めて、やよいちゃん達の元へ走って行った。