コメディ・ライト小説(新)
- Re: ハツコイ【コメント募集中!!!】 ( No.761 )
- 日時: 2017/02/11 20:15
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
「考えてみる……か」
雄太に家に送って貰い、姿が見えなくなるまでずっと手を振り続けたあとに──自分の右手を見つめてギュッと握った。
まだ少しだけ、雄太の手の感触が残ってて……安心感がある。
お風呂を沸かす為にスイッチを入れてから、私は携帯を開く──美佳にシャーペンのことを連絡しようと思ったのだ。
「今だと迷惑かな……」
メッセージでも良いのだけれど、既読がつかないかもしれない。
迷った末に、私は1度だけ電話を掛けることにした。
すぐに美佳が出た。
「夏海ー?」
のんびりした美佳の高い声が聞こえて、私はスっと息を吸ってから話し始める。
「美佳、うちにシャーペン置いてったでしょ」
「嘘! ちょっと待って」
ガタンという音がした。
多分、美佳は携帯を置いて筆箱を取りにいったのだろう。
「ほんとだ! なかったー」
美佳が大声を出した──耳が痛い。
「じゃあ今度渡す!」
「いや、明日行くわ」
あれがないと集中出来ないから、勉強出来ないよー……と美佳は悲しみの声をあげた。
「じゃあ、まぁ待ってるようにする」
「うんありがとうー!」
もう平気かな、と思ってなにか一言言って電話を切ろうとしたら……
「夏海、今日本当に何でもなかったの? ……途中で来てたメッセージの」
美佳が言うには、帰りにそのことで3人で話したという──3人は全然悪くないのにそんな風に気にさせてしまうなんて申し訳ない、私はそう思って素直に伝えることにした。
「雄太からだったの。でもあの後に3人が帰った後にちょっと会ってきたから平気だよ! ……ごめんね、変な風に誤魔化しちゃって──」
「なんだそういうこと! 2人ともあの後会ったなんて……」
うふふふ、と美佳は似合わない笑い方をした。
「雄太のことも大事だけど、あの時の私は3人での時間を選んだんだ。多分そのこと言ったら3人とも行きなーって言うだろうな、って思ってさ」
美佳はまた笑った。
「確かに言うかもしれない。でも夏海が選んだことなら私達は何にも言わないよ。私達が無理させてたら話は別だけどね」
「雄太にも言ったは言った。分かってくれた」
そう、最初の方に伝えた言い方はちょっと誤魔化していたから、素直に言ったのだ。
「じゃあ安心だね。夏海はほんと私達も含め……もちろん私も含めて! いい人に囲まれてるね」
「そうだね」
美佳の言い方がおかしくて私は大笑いをした。
「じゃあ明日11:30にー」
「了解!」
おやすみ、と言って電話切る。
──今日1日で、大切なことを感じた。
丁度お風呂が沸いて、私は携帯をテーブルに置いて洗面所に向かった。
【続く】
明後日と明明後日テストです(゜∀。)←
あんまり小説更新しても話が進まなくてすみません(((;°▽°))
……不調気味です(´;ω;`)
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中!!!】 ( No.762 )
- 日時: 2017/02/11 22:22
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
こんばんは~
まだここにはコメントしたことがなかった気がしますが……よく閲覧しているので!←
何というか、雄太くんがイケメン!((
それと、夏海ちゃんたち4人グループの会話が楽しくて、でも切なくて……心に残る場面がたくさんありすぎます(・・*)
話は変わりますが、テスト早いんですね……私の所だと2月後半くらいなので……(・・;)
色々大変だと思いますが頑張ってください!
では~
- Re: ハツコイ【コメント募集中!!!】 ( No.763 )
- 日時: 2017/02/12 13:33
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~ましゅさん~
こんにちは(*´▽`*)
そうなんですね!! ……こんなgdgdな小説とは言えない物を閲覧して頂いてありがとうございまず!!!m(*_ _)m
(o´艸`)そう言っていただけて嬉しいです笑
ちょっとだけ、切なさもー……と思っているので、感じてもらえたら良かったです((安心
昔自分が書いていた文章が恥ずかしくて、一刻も早く修正したいのですが時間がなくて後回しにしているうちにどんどんどんどんどん時間が過ぎてしまいあっという間に……こんなになってしまいましt((
そうなんですか(((;°▽°))
ちょっと羨ましい……笑←
ついに明日にまで迫ったテスト。
すごいやばいのに、心のどこかに余裕があるような感覚……もうこういう感覚があるのは「終わった\(^o^)/」という証ですね((遠い目
いろいろごちゃごちゃ書いてしまってすみません!
ありがとうございます。精一杯努めさせて頂きますね♪
ましゅさんも頑張ってくださいd('∀'*)
……また小説にもお邪魔します( ̄^ ̄ゞ
コメントありがとうございました!
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中!!!】 ( No.764 )
- 日時: 2017/02/14 23:16
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
美佳にシャーペンを渡した後、私は一緒に美佳と昼食を済ませて家に帰ってきた。
この行き帰りだけでも汗をかいてしまう──「暑い」と私は言ってドスンとソファに座り込んだ。
ただ部屋に小さく響く、時計の秒針音だけが聞こえる……。
まだ始まって半分しか過ぎていない「今日」──のんびりとただただぼーっとするのも良いが、私はピアノに向かった。
楽譜を開く──もちろん、悲愴の二楽章だ。
ゆったりとした曲で、聴いている分には簡単そうに聞こえるかもしれない。
けれど、そう聴こえるように弾くのが難しいのだ。
──なめらかなメロディを弾く右手は、そのメロディを弾きながら他の音を刻んでいる。
……1人2役、と言ったところだと思う。
手が2本じゃなくて4本あればきっとこの悲愴の二楽章は誰でも弾ける曲になる。
体の構造上、全ての人間にそれは不可能だ。
だからこそ、限りある2つの手で私は精一杯の音を奏でる。
「1つで2つ──それが出来なきゃ無理」
過去に先生に言われた言葉。
ただ前だけを見て進んできたあの時と、今考えながら弾いている音はどこか違う。
……やっぱり今の私の弾く音は、不安定で今にも崩れそう。
細い柱でたくさんのものを支えていて、その細い柱だけが唯一の支え。
崩れたらどうなるなんて、崩れなきゃ分からない──けれど、実際は崩れた時に怯えながら尚もずっと同じ状態を続ける私だけがここにいる。
「全然だめだ。どうしよう」
引き終えて、バーンとにごった音を叩く。
手を離しても尚、その音が部屋中に響き渡っていて耳が痛くなる──。
前にも自分の弾く音に納得がいかなかったことはあったけれど、ここまでじゃなかった。
……どんなに弾いても無駄な気がしてくる。
気はするけど、きっと諦めてそのまま捨てたら一生そのままもうピアノに触れない生活が始まりそうだ。
そんなの嫌だ、頭を振って楽譜を凝視する。
「楽譜には全てのことが書いてある」……これは本当のことだ。
その書いてある全てのことに足していくことで初めて0から1、2と拡大していけるのだから……。
まだ遠い道のり。いつか通らなきゃいけないのなら、きっとそのタイミングが今だっただけだ。
私は自分の心にそう言い聞かせて、もう少し頑張ってみようと強く心に決めた。
【続く】
私自身のピアノの先生に、「ベートーヴェンのソナタの悲愴の二楽章弾きたいです」と言ったら「まだ早すぎる」と切り捨てられました笑
他にも、ドビュッシーのアラベスク一楽章やショパンのノクターンOp9-2など色々弾きたい曲があります。
ドビュッシーのアラベスク、特にショパンのノクターンOp9-2は絶対に聴いたことあると思います!!!
よければggってみてくだs((
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中!!!】 ( No.765 )
- 日時: 2017/02/21 22:43
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
もうどのくらい経ったんだろう。
──ずっと弾き続けていたっていうのは、少しだけ痛む手から感じられる。
集中してたけれど、出来ていなかったような……。
「全然上手く弾けない」
やっぱり無理なのかもしれないなぁ。
ため息を大きく吐いて、楽譜を見つめた。
──久しぶりに私の心の中に、お母さんがいたら良かったという気持ちが出てくる。
こんな時、お母さんがいたらなんて言うんだろう。
……もっと長く一緒にいたかった。
みんなが羨ましくてたまらない。ずるい。
「なんで私だけ……?」
何かあるとすぐ、誰か比べて自分が劣っていると感じて。
上手く行かなくて、嫌になってしまう。
こういう時にピアノが嫌になる。
──でも弾いていない方が辛い……だからやっぱり私は何があってもピアノから手を下ろすことはないのだ。
次、弾けるかもしれない……──という可能性に賭けて私はまた音を弾き始めた。
さっきからずっと耳にしているメロディ──でも1回1回弾くごとに音色は変わる。
それが私の求めているものに近くなるのと、遠のくのは時による。
パラパラしていない、でもくっついていない音……。
どうやれば、求めているものに近くなるんだろう。求めているものになるんだろう。
ベートーヴェンに聞きに行きたい。
──出来もしないことに変わりはないのに、お母さんに聞くよりもベートーヴェンの方が聴ける確率が高く感じる。
自分で弾きながらこんなにも色々思ってしまうなら、尚更聴いている人はもっとこれより酷く聴こえるはず。
もっと客観的に音を聴かないと。
……右手と左手の音がぶつかり合って、お互いが傷つけ合っているような関係性。
「ちがう。こうじゃない」
弾き方を変えてみる。
……まだ全部私が思いついたものをやり尽くした訳ではない。
「尽くして」はいないのだ。
──今の私に出来る全てのことをやり尽くしたら何か変わるかもしれない。
頭にふと浮かんだ一つの考えによって、絶望のどん底に浸っていた私は少し……いやかなり救われた。
ちょっと自分でもいいかなと思えたら、百合たちに聴いてもらいたいなぁ……。
人に聴いてもらいたいと思えるような音が奏でられるように──思い詰め過ぎずに練習する。
……囚われすぎないように。
【続く】
ごちゃごちゃしててすみません(((;°▽°))
そして、お久しぶりです((以下少し関係ない話なので飛ばして頂いて結構です※※
テスト終わってやっと更新……となるのが普通のところ、私としたらもう遊びまくってしまって(((;°▽°))(((;°▽°))←
勉強もろくにしておりません!←←
テストは散々でした。((白目
明日、更新出来たらいいなぁ……。
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中!!!】 ( No.766 )
- 日時: 2017/02/22 22:35
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
「え、じゃあ昨日はずっとあの後ピアノ弾いてたの!?」
美佳の言葉に私は頷いてため息をついた。
百合、瑞希、美佳、私の4人で近くのショッピングモールに来ています。
「でも結局いい感じに弾けなかった」
「そんな思い詰めなくても……」
瑞希が私にそう言って、肩をポンポンと軽く叩く。
──そう。確かに思い詰め過ぎたのもある。
でも久々に集中してじっくり弾きこんだらまさかの、絶望的だったという訳なのだ。
もう一度ため息をついて、目の前の自分の飲み物を持ち、勢いよく全部を飲み干した。
「上手く弾けるようになったら、聴いてね」
「もちろん!」
「久々に夏海のピアノの音、聞きたい」
「頑張れ! ……これくらいしか言えないけど」
全然充分だよ、と笑顔で返事をしたものの笑える余裕なんてないのだ。
でも瑞希はそんな私の心の中を読んだのか、「まぁせっかく来たんだし、ピアノのことは置いといて何か服でも買いに行こうよ」と言い出す。
「いいね!」
「行こ行こ!」
何にも言わなくても、それとなく分かってくれる仲の友達がいる。
──やっぱり昨日の夜に百合から誘われて、断らなくてよかった。
そういえば百合も、いつもより強く私のことを誘っていたような……もしそうだったら、その時から何となく察してたり。
……まさかね。
──そんなことあるわけない、と頭を振るたびに「そうかもしれない」という感覚が強まるのは、何故だろう。
「もしかして……さ、察してた?」
どことなく聞いてみる。
「んー? 何のこと?」
美佳がキョトンとする。
「あー、えっとなんでもない! ……気にしないで」
「はーいはい。思いつめすぎて、おかしくなってない!? 大丈夫!?」
美佳が私の顔を覗き込んでくる。
視界全体が美佳の顔だ。
「だ、大丈夫」
うん、と満足げに頷くと「夏海も行こう!」と美佳は笑った。
*
手には大きめの紙袋。
4人とも同じ店のものだ。
「まさか、4人で同じ服を手に取るとはね……」
「でもほんとに、この服は4人を合わせた感じのデザインだよね」
「百合らしいし、夏海らしいし。瑞希らしさも私らしさも入ってるのかな」
「そうそう」
迷わず4人で同じものにした。
「この服着てさ、ちょっともっと遠いとこ行きたいよね」
「いいね! 女子旅……的な?」
「そうそう! そういう的な!」
今から楽しみ──。
キュッと紙袋を抱き締めた。
「夏海も嬉しそうで何よりだね!」
「うん! ありがとう」
何にも無理しないで、着飾らないで。
そういう感じで付き合える仲間。
ずっとこのまま、時が経っていけばいいのになぁ──。
【続く】
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中!!!】 ( No.767 )
- 日時: 2017/02/26 22:55
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~雄太サイド~
──結婚。
よくある質問で、恋愛と結婚って別ですか?……なんていうのがあるけど、そんなの当たり前って思っている自分がずっといた。
真面目に考えてみればみるほど、だんだんと分からなくなっていって混乱する……。
この前、急に夏海にそんなことを質問しちゃって結構困らせたよなぁ……。
何だかんだで結局、優しい夏海は困ってるとかそういう素振りを見せようとしないから分からない。
「どっち?って聞ければ、きっと楽だよな」
独り言を言って俺はため息をついた。
「おい、雄太」
じいちゃんが下で、俺を呼ぶ声が聞こえた。
「なにー?」
その場から動かずに、声だけを張り上げてそう聞くと……。
「お前、母さんの墓参り行くか?」
と聞いてきた。
墓地で、俺とじいちゃんばあちゃんと夏海が会ってから、よく墓参りに行くようになったのだった。
大して遠くない。──だから行って悪いことはない、というのがじいちゃんの言い分だ。
「んー、今日はいいやー」
少し迷ったが、行くのをやめた。
今回は俺抜きのじいちゃんばあちゃん2人で行くらしい。
結婚って考えたこととかある?……って夏海に聞いたのは、少しだけ重いって思うかもしれないけど、結婚したら幸せになるわけじゃなくて、いつお互いがバラバラになるのか分からない──というのをお互い痛いくらいに分かっているから、というのがあったからだ。
結婚=幸せ、になるためにどれだけ大変なのか。辛いのか。
家族への負担も大きい……。
色々思うと今のままの方が良いのかな、と思う部分もある。
でもそれで結婚をしなかったらきっと、死ぬ時にすればよかったって思ってしまう気がする。
もうじきお互い18になる。
高校を卒業する。
……目指している場所は違うから、大学は別々。
俺はきっと、これからも一緒にいたいと思っている。
今のままでもいいけど、これからもずっと変わらないのかな、って思った時に怖いくらいに不安に襲われる。
やり場のないこの気持ちを俺はクッションを叩く一発に加えた。
ボスっと音を立てて、凹んだクッション。
そこからフワフワと舞ってる少しのホコリが、電気で透き通って見える。
──傷つけたくない、傷つきたくない。
【続く】
久々の雄太サイド!と思ったら、想像以上のgdgd感(((;°▽°))
もう本当にすみません!!!!(((;°▽°))
コメント待ってます笑
byてるてる522