コメディ・ライト小説(新)
- Re: ハツコイ【コメント募集中……|´-`)チラッ】 ( No.781 )
- 日時: 2018/01/18 19:36
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~第18話 時を止められるなら 夏海サイド~
この17年間、後悔していることがたくさんある。
……もうじき18歳になる私は色々と考える事が増えた。
「あの時、あぁいう言い方じゃなくてこんな言い方すれば良かったなぁ」みたいな、ちょっとした出来事の一部分や。
「もっと家族と一緒にいる時間を大切にすれば良かった」と後悔しても遅いもの。
「もうちょっとコンクール前に練習すれば、ベストな演奏が出来たのかな」と過去に起こってしまったミスを消したいと思う気持ち。
あとこれからの私の人生……何年なのか、私には分からない。
──分かる人はもしかしたらいるのかもしれない。けれど、知りたいようで、私は知るのを拒むだろう……。
時を巻き戻して、あそこからやり直したい。
そんな風に思う人はたくさんいると思う──全員とは行かなくても、ほとんどの人がそう一度は考えたことだろう。
もし、この先の私の人生が60年だとしたら今過ごしている17年なんて4分の1以下。
人生を77年間にするとしたら残りの4分の3は4分の1の後悔ばかりの人生を「そんなこともあったなぁ」って笑い飛ばせるような人生だったら楽しいと思う。
「……色々まとまってないけど、この事最近よく考えるんだよねー」
まだまだ夏の序盤。──私を含め女子4人。いつものメンバーで最近のことについての話で盛り上がっています。
「珍しく夏海にしては長い話だったね……」
「最初の切り出し方から聞いて、どんな話かなって思ってたら途中から少し重い雰囲気出てきたら最終的に辿り着くまで長かった」
美佳と百合がそう言って苦笑する。
「でもさ、そんな風に思うことない?」
私が3人にそう聞くと、美佳と百合は考えて込んでしまった。
「あるよ。夏海の言いたい事分かるよ」
瑞希は即答してくれた。
「私もあるかもしれないけど、この4人での中で後悔はないかな。良かったことばっかり」
美佳が私と瑞希の間に顔を入れて、笑いながらそう言った。
「そうだよね。それは私も同じ」
百合もそう言う──最近、素直な百合がなんとも可愛い。
「過去のことに囚われるのは良くないって言うけど、やっぱり全く良くないこともないと思うんだー。そうしたいなって思うこともあると思うからさ」
瑞希はあくまでも自論、と付け加えた。
何だかんだで、あと少し。
高校卒業を控えた私達は、何かと考えて話して……。集まることがまた増えてきたのだ。
一緒にいれる時間が幸せ、といつまでも思えるようでいたい。
【続く】
明日から実質春休みです←
……明日は6:00に家を出るので5:00起きです(((;°▽°))←
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中……|´-`)チラッ】 ( No.782 )
- 日時: 2017/03/28 18:37
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~雄太サイド~
「……ごめん! お待たせ。結構待ったよね?」
夏海が俺の元に走って、そう聞いてくる。
「いや、そんな待ってないよ?」
俺の言葉に、そっか良かった──と安心した表情を浮かべる夏海。その姿を少し笑いながら見ていると、何か変なこと言った!?と再び驚きと不安が混ざったような顔で聞いてくる。
それが何ともおかしくて、でも……可愛くて。別に、と誤魔化して行こうと手を引いた。
──高校生最後の夏休み。
大学、専門学校へ進学する人、就職する人……家の手伝いをする人。
この先どこを目指すのかはそれぞれバラバラなわけで、当然俺と夏海の目指しているところも違う。
……夏海はきっと、この先のことを見通して考えて決めている。
けど俺は、まだよく分からない。
大学に進学できる金はあると、爺ちゃんには言われた。
けど、いつまでも一緒にいられる訳では無いしもっと一緒にいた方がいいのかな。
最近になってその考えがすごく脳内を駆け巡るようになって──。
「ねぇ、雄太!……さっきから呼んでたけど、大丈夫?」
気がついたら、横に夏海がいることも忘れて自分の事ばかり考えてしまっていた。
「あぁ。ごめん、それでどうしたの?」
俺がそう言うと夏海は一呼吸置いて、「あの観覧車、乗ってみない?」と胸を張って言った。
「観覧車……」
目の前に立つ、ゆっくりと回り続ける観覧車を目にした。
「この観覧車、日本一の大きさなんだよ!……ちょっと、上から下を眺めてみようよ」
「うん、じゃあ乗ろう」
今度は俺が夏海に手を引かれた。
*
「高ーい!」
前に座っている夏海を見て、俺は自然に笑ってしまう。
「あの噴水、やっぱり上から見ても広いね!」
「ん? どれどれ?」
立ち上がって、そっと夏海の横に座り下を見る。
「おっと……」
片方側に2人で座ると若干傾く。──揺れてもともと近かった俺と夏海の距離がさらに縮まる。
「ごめ……ん」
──俺は何をやってるんだろう。
ボーっとしてばっかりで、心から楽しめていない。
「大丈夫。それよりさ」
夏海の放った言葉の続きを待とうと、顔を上げる。
「雄太、いろいろ悩んでるんでしょ?」
隠してても隠してなくても、どっちみち伝わってるからね!……と夏海は笑った。
「あんま考えないようにしようとしてたけど、やっぱり考えちゃって。高校卒業の後のこと」
うんうん、と夏海は頷いたあとに俺に言った。
「私も悩んでるよ」
決まったって自分でも思ってたけどね、と苦笑しながら。
「そうなの?」
全然気づかなかった。
「まぁ。でも今日はお互いそういうのは忘れて、楽しも!……それで別日にお互い悩み相談し合おうよ」
にひっと笑った夏海の顔は、ただ無邪気さだけじゃない。
強さを感じた。
「ごめん、そうだね」
「はいー! 謝るのもなし。あとちょっとで観覧車終わっちゃうー」
最後に見る上からの景色を名残惜しそうに見つめる夏海。
──俺も、強くならないと。
【続く】
観覧車って、上がる時は普通ですけど下がる時にすんごい吸い込まれるような感覚が個人的にあります笑
新作……(コメディ)、5/22に書きたいなって急に思いました。
ずばりMy Birthday(((何のアピール←
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中……|´-`)チラッ】 ( No.783 )
- 日時: 2017/03/28 19:50
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
……なんだか、ちょっとだけかっこつけ過ぎたかな。
でも雄太は吹っ切れた感じの表情だし──この事については、気にしないことにしようか。
「あー、観覧車楽しかった!」
久しぶりに乗ったせいか結構はしゃいでいた。色々思い返してみると、恥ずかしい。
「夏海、結構はしゃいでいたよな」
面白そうに雄太がそういう──が減ってきていてそのことは私が最も気にしていたことであって……正直に言うと触れて欲しくなかった部分だ。
「はぁ……もうそれ、触れて欲しくなかったー」
スルーしてしまうのも違う。思い切り怒るのも違う。
過去のこと──と割り切って、自分自身でも面白かった出来事に変えてしまえばいい。
そうすれば自分でも気持ちが楽になれる。
「まぁまぁ、どっか美味しいもの食って気分を上げてくださいー」
何食べたい?……と雄太が私に聞いてくれる。
あまり気にしていなかったが、もうそんな時間。……言われてみれば、お腹も空いてきたなぁ──。
「んー、何だろう。結構ガッツリ食べたいなー」
少し言うか迷った……。ここで女子らしく「パンケーキ」なんて言えば良かったのかな。
でも食べたいなって思うものを、食べたい──ということと。何となく雄太なら平気って思える自分がいた。
「じゃあちょっと歩いてみよ?……疲れてない?」
気遣い、してくれてる。
「うん! 平気ー。ありがとう」
こういうさり気ない優しいの部分を見ると、いいなぁって思うんだ。
*
「──美味しかったね!」
「あの量で600円とか安かったよなー」
お手頃価格で、ランチが食べれて大満足。
さっき観覧車から見た、噴水のところへ行った──。
「ねぇ、あの水が出てるとこ虹になってるよ!」
ちょうど光が当たって、キラキラしている。
携帯で写真を撮った。
「その写真見てるだけで、幸せになれそうだな」
雄太が私の携帯を覗き込みながら言う……。
「あのさ、写真一緒に撮ろ?」
我ながら結構頑張った一言だ。
ぎゅっと力強く目を閉じて雄太の返事を待つ。
「いいよ!」
そう笑う雄太も光が当たって、輝いて見えた──。
あの虹の写真も幸せになれそうだけれど、私からすれば今のこの時間が幸せ。
……大切な人、雄太と一緒に時間を過ごせるのが幸せなんだ。
「手がブレたから、写真もブレちゃった……」
せっかくの写真なのに、ちょっと残念。
「まぁこれも……俺ららしくて良いんじゃない?」
うんうん、と雄太が頷きながらそう私に言った。
──今日はお互い様だったなぁ。
私も雄太に色々言ったし、私も言われた。
本当にこの時間が続いて欲しい。
もう終わり、って訳ではないけれど。
【続く】
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中……|´-`)チラッ】 ( No.784 )
- 日時: 2017/03/30 10:49
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~百合サイド~
──『来週どっかで、集まろう!』
夏海と瑞希と美佳と私の4人のトークルームで美佳がそう言った。
『もちろん!』
『いつでも暇だよー』
『いきなりだけど、明後日は?』
『私はOK!』
『私も平気~』
……
受験生とは思えない、会話っぷり。
呆れるふりをしつつ自分も明後日は何も予定がない。(もちろん予定がない日なんてある筈もなく、勉強をしているべきなのだが)
『私も行ける』
とメッセージを送信して、画面を閉じた。
高校最後の夏……──。
この先は一緒になることはない。
今の時間、当然勉強に当てるべきなのは分かっているが……時間は限られていることを考えてしまうとどうしても身が入らない。
聞いたわけではないが、それはきっと夏海たちも同じなんじゃないかと思う。
大学に入れば、新しい友人もできる。
けれど私はきっとこれから先何があっても、今のところは3人以上の友人はできないと思っている。
開けた窓から入り込む、生暖かい風が顔を撫でる。
今の私の心も、こんな感じの中途半端さなのだろう。
「暑い」
今の状況は、この一言に尽きる。
この言葉でしか、状況を言い表すことができない。
最初は私も突っ張ってばっかりできっと3人にも迷惑をかけたと思う。
中学校の時なんて、口に出さずにクラスメートを見下していた。
でも夏海がきて友達ができて、一緒に移動教室したりする仲の人と出会った。
下らないいじめに参加して、ハブったこともあった。
──酷いこと、たくさん思って……してきたのに、私はそれを誰にもされていない。
自分ばかりが人にしている。
思い悩んだ時にもたくさん助けてもらった。
……誰かがそばにいてくれるのって、こんなにも勇気づけられて救われることなんだと感じた。
「ありがとう……!」
顔を見て、面と向かって伝えたい言葉。
それがまだできない私は、どこかへ逃げようとする気持ちがある証拠だ。
1人の部屋に、鼻を啜る音が響く。
ベタついた肌に、一筋のヒヤッとした何かがこぼれた。
離れたくない。
ずっとずっとこれからも一緒にいたい。
大学に入っても会うことは出来るが確実に一緒の時間は減る。
時を止めたい。
……私だけじゃない。きっと、3人も悩んでる。
でもきっと逃げないで頑張って──立ち向かっている。
明後日のために私も勉強をしよう。
──そして、明後日を思い切り楽しむ。
常に後悔しないようにしたい。誰もがそう思うはず。
けれど後悔しないように、後悔しないように……と思い過ぎて、逃げてしまったことが後悔になることもある。
後悔しない人生なんてない。
そう思うと、顔を上げて前に進んでいけるんだ──……。
【続く】
明日は1日中友達と遊びます((←
今のうちに更新しました( ̄^ ̄ゞ
……立て続けにすみませんでした(((;°▽°))
byてるてる522