コメディ・ライト小説(新)

Re: ハツコイ【コメント募集中(o´罒`o)】 ( No.803 )
日時: 2017/05/04 22:56
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://From iPad@

~夏海サイド~

駅から私達はお墓に持っていく用の花を購入した。

何がいいとかそういうのは2人とも分からず、仏花を買ったのだが私はどこかで「お供えする花に決まりは無い」と聞いたことがある。

ただトゲのある花や匂いが強烈な花はダメなんだとか──それに当てはまる花と言ったら今の私にはバラくらいしか思い浮かばない。


雄太が行こう、と私に言ってきたので頷いて横に並んで歩いた。

何となくお互い無言になってしまい、気まずい雰囲気だ……と同じことを思っていたであろう雄太がそっと口を開いた。

「そういえば、俺の爺ちゃんと 婆ちゃんがこの前お墓参りに行った時、夏海の家のお墓にもお参りしたって言ってた」
慌てて、もし嫌だなって感じてたら悪い──と付け足すが私はブンブンと首を横に振った。

「誰も来ないよりは、誰か来てくれた方がお母さん達も嬉しいと思うの! だからありがとう」
私も雄太のお母さんのお墓にお参りさせてね、と伝える。


これまでなかなかお墓参りに行く機会もなくて、たまたま言ったら雄太に会い、今ここでこうしている。

お母さん達以外のお墓参り、なんて考えたこともなかったなぁ。


*

「なんか思ってたより綺麗」
もしかして雄太のお爺さんとお婆さんがやってくれたのだろうか。
だとしたら何から何までやってもらっていることになる。

「でも少し汚れてるところもあるし、綺麗してから花供えよう」
鞄から雑巾とたわしを取り出して、持っていた花を端の方に立たせて置いておく。

端の方に生えているこけに水をかけて、軽くたわしで擦る。
あんまり強く擦ると墓石が傷ついてしまいそうだが、水で濡らしておくとあまり力を入れなくても取れるのだ。


綺麗にし終えて、花を開けて2等分──供える。

雄太が火のついた線香を持って戻ってきた。

「思ったより時間かかった、これ夏海の分」
そう言って手渡してくれた線香の量は、若干雄太が持っている線香の量よりも多い気がした。
……ありがとうと口に出さずにそっと心で思った。

線香皿に乗せて手を合わせる。


──目を開けて、柄杓を手に取る。
私は墓石に水をかける派だ。

水をかけることで、お母さん達が私が来ていることに気づくと思うから……。

1番上から水をゆっくりとかける。

……水が反射して、墓石全体が光って見え、少しだけ眩しい。


──やっぱりお墓参りって何回来ても胸がキュッと締め付けられる。
鼻で息を吸って、もう1回水を墓石にかけた……──。


【続く】

お久しぶりです!!!
5月ですね、GWですよね(((;°▽°))

更新停滞していてすみませんでした!(((;°▽°))(((;°▽°))←

なかなかモチベーションが上がらず、手が進まなかったのとちょっとだけ部活が忙しいのと、塾と……←←

言い訳を並べたらキリがないのでこの辺にします。

また更新再開するので、よろしくお願いします(*゚▽゚)ノ

byてるてる522

Re: ハツコイ【コメント募集中(o´罒`o)】 ( No.804 )
日時: 2017/05/31 23:13
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://From iPad@

~夏海サイド~

雄太とお墓参りをした次の日──。
いつもよりゆっくり起き、カーテンから差し込む太陽の光が一層眩しく感じられた。

「もう夏休みも結構経ったなぁ」
小学校からずっと続いている「夏休み」──……時が過ぎるのが早く感じるのは毎年変わりません。


とりあえず、朝ご飯とお昼ご飯は一緒に食べることにして勉強を進めよう。
カーテンを閉めてエアコンのリモコンに手を伸ばす。

少し古さを感じさせる音がエアコンから鳴り、鼻にツンとする臭いを部屋に漂わせた。

「く、くさい……」
やっぱりエアコンはやめにして、外気と扇風機で乗り切ろうか──いや、それはなかなか大変なことだ。

暑さには負けてしまう。集中なんて出来やしないんだから。

参考書や英語辞書、ノートなどをドサッとテーブル広げて座った。
……これから勉強との戦いが始まる。

1日中ぶっ通しで勉強は無理だから、途中で息抜きにピアノを弾こうか。……何も決めずにピアノを弾くと今度はそっちばかりになってしまって勉強する時間が削られてしまうから、あくまでも息抜き程度にしよう。


シャーペンを手に持ち、イヤホンから流れるクラシックを聴きながら私は勉強を開始した。
勉強する時は、歌詞のない音楽を聴きながらやると集中できると聞いたことがある。



*

「疲れたー……」
首を回して、大きく伸びをした。
ちょうどキリがいい。──今から30分くらいピアノを弾こうか。

テーブルの上の勉強道具を端にまとめてから私は立ち上がって、ピアノの方へと向かった。
手に取った楽譜はもちろん……「悲愴」

でも、と考え直して私は一度悲愴の楽譜を元の場所へ戻して下の方にしまってあった「ツェルニー30」の楽譜を取り出した。

小学生の時、弾いていた曲と準備体操みたいなのとの間の曲だ。
そんなに今の私からしたら難しくないはずだからサッと見て1から30まで通して弾いてみよう。
30分間で全部弾ききるのは難しいからとりあえず弾けるとこまでで──。

そう決めて楽譜を開くと、目に入った音符が頭の中で音を奏で始めた。
この曲を弾いていた時のことが鮮明に蘇ってくる。

30という曲数の中で、様々な曲調の曲が詰まっているこの楽譜は今思うとすごく面白い楽譜だと思う。

弾いていた当初はそんなこと考える余裕すらなかったけれど……。

手が止まることを知らないかのように動き続ける。
手が疲れることを知らないかのように弾き続ける。

今の私の演奏は自由だ──……。
悲愴を弾く時も、こんな自由で縛りのない音が奏でられたらいいのにな。

私らしい、私の音で弾けた瞬間が言い表せないくらい気持ちいいんだ──。


【続く】

お久しぶりです!!!

本当に本当にすみません(((;°▽°))
いきなり時が進んでしまって……(((;°▽°))(((;°▽°))

byてるてる522