コメディ・ライト小説(新)
- Re: ハツコイ【コメント募集中(* ॑꒳ ॑* )】 ( No.817 )
- 日時: 2017/09/18 16:42
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
電車を乗り継いで、降りたこの駅は少し離れたすぐ近くに海がある場所だった。
そこから花火が上げられるらしい。
「もう結構人いるんだね」
腕時計は丁度15:00をさしていた。
「もう少し暗くなったら、屋台とかも出るらしい。でもまだ当分暗くならなさそうだし……ちょっとこの辺ぶらぶらしてるか」
「そうだね!」
そう言って、雄太の横に並んで歩き始める。──ぎゅっと握られた手。意識すると急に恥ずかしくなっちゃうのだけれど、やっぱり嬉しいなとか思ったり。
……やっぱり、幸せだ。
*
「なんだか私達の近所では見ないお店ばっかりだね」
「今度別の機会にここ来てみてもいいかもな!」
「たしかに! いいかも」
あぁ、自然に次の約束ができるまでになったんだな。
──きっと次は、大学生になってから……になるんだろうか。
案外そう離れてない自分の未来だというのに、全く実感が沸かない。
私達2人の間に沈黙が生まれた。
……けれど、雄太がぎゅっと手を握ってきたので、私も握り返した。
「……花火楽しみだなぁ」
「それまでに疲れちゃわないようにしないとだね」
お互い慣れない格好をして歩く。
もちろんそれはすごく楽しいことだし幸せなことだ。……けれどやっぱり楽しくて幸せなことには、疲れがつきものだということを、忘れてはいけない。
「辛くなったら無理すんなよ?」
「ありがと! ……でも花火見るまでは、もし辛くなっても無理しちゃうかも」
「それは心配です」
聞き慣れない雄太の口調に思わず吹き出した。
空は少しずつ、ほんの少しずつ日が落ちていって──花火が綺麗に見える舞台を作りだしていた。
*
「屋台が出ている!」
一通りぶらぶらした私達は再び駅前に戻っていた。
さっきまでは人ばかりだったここ周辺に、ズラッと屋台が並んでいたのだ。
──いくつになってもお祭りや花火大会の屋台は、見たらはしゃいでしまうしたくさんお金を使ってしまう。
本当に不思議だ。
「買いに行こーぜ」
「うん! 私は焼きそばの方並んでくるわ」
「了解」
買い終わったら、またこの同じ場所で待ち合わせることにした。
鉄板に広がる麺や野菜、それが煙と共にいい匂いを放ち、私の食欲をとんでもなく掻き立てるのだ。
「いい匂い~」
思わず鼻でその匂いを吸ってしまう。
前にも後ろにもたくさん人が並んでいる。
でもきっと、この時間なら花火が上がるまでには間に合いそうだ。
あと1時間で花火が上がる。
──1番大事な人と一緒に見る花火は、どんなふうに見えるだろう。
【続く】
もうすっかり花火シーズンじゃなくなってしまったのに、すみません(((;°▽°))
私は花火見る場所の近くのスーパーでいつもなにか買ってから友達と見たりしてます( ᐛ )و
花火大会いいですよね……笑
私も夏海みたいに好きな人といきたい(白目)
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中(* ॑꒳ ॑* )】 ( No.818 )
- 日時: 2017/10/05 22:21
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
──なんかいいな。
今自分がしていることは、すごく危険で怪しくて不審的なことだと理解している。
待ち合わせ場所から、少し離れた場所で私は雄太の方を見ていた。
……なんか今日口にしてないかもしれないけど、「かっこいい」──。
「夏海ー!」
いきなりさっきまで、別の方向を見ていた雄太が私の視線を感じたのか声をあげて手を振ってきた。
「ごめん! お待たせ……」
「もう、早く来いよな。 ちょっと1人で2人分の食いもん持ってるの恥ずかしいし……」
「そ、そうだね」
口調を聞く限りでは、そんなに怒ってなさそうだ。
「いい感じの場所空いてるかな?」
「おう! それならさっき、俺が行った屋台のおじさんにいい場所教えてもらったぜ!」
「ほんとに? すごい!」
こっちこっち、と雄太が力強く私の手を引っ張るから恥ずかしがる間もなくただただ引っ張られっぱなしだったよ──。
着いたのは神社の鳥居の前。 丁度2人でくっつき気味で座れば入るようなところがあり、腰をかけた。
さっきまですぐ近くにあった騒ぎ声があんなに遠く聞こえる──。
上を見上げると、何もない……ただただどこまでも広がっているような空があった。 あとはそこにパァっと花火が上がれば完成するのだろうか。
いちご味のかき氷をそっと、口へ運んだ時だった。
ピューっという高い音が聞こえ、一瞬でそれが花火の上がる音だということがわかった。
私と雄太が見上げていた場所に丁度花火があがり、開いた……。
「きれい……」
もっとほかの言葉で言い表したかったけれど、私にはこの一言以外考えられなかった。
「俺ら以上に、今の花火をきれいに見れた人っていないんじゃね?」
「そうかも」
屋台のおじさんに感謝だ。
「ラストが、すごいって有名なんだよな。 初っ端からこんなにすごいんだからラストはどうなるのか想像つかねーよな」
「一発目でこんなに興奮しちゃったもん!」
ここからはじまる、っていう合図の一発目は私達にとてつもなく大きい感動を与えた。
もう1回、かき氷を掬った。
──心地いい冷たさと甘さが、じんわりと口の中で広がる。
目の前には、次から次へと花火が上がっては広がって、すっと消えていく。
……花火が上がったあとの空には、煙しか残らないけれどその色の鮮やかさと美しさは私達の記憶に深く刻まれるものがある──。
今日の花火も、もちろん私の記憶に深く刻まれる思い出の一つであることに間違いはない。
でも若しかしたら1番この世で大事な人と一緒に見ているからかもしれないというのもあるのかもしれない──。
【続く】
明日から秋休みです( ᐛ )و
ようやく前期が終わり、中2も半分が過ぎました。
時が経つのは早いのに、なぜこんなにも更新が遅いのだろうか←
過ごしやすいこの季節に便乗して、少しでも進められるようにします(((
byてるてる522