コメディ・ライト小説(新)
- Re: ハツコイ【コメント募集 ⸜( ᐛ )⸝☆*゚】 ( No.846 )
- 日時: 2018/01/21 15:05
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~百合サイド~
夢をはっきりと見つけていて、それに向けて頑張ると心を決めた夏海とは違って私はまだ何となく自分の未来図を想像できないでいた。
けれど勉強はそんなに嫌いではないから、大学進学を目指している。
……医療に関わる職に将来は就きたい。学費は安くないから中途半端な気持ちで行くのはどうなんだろうと悩んだ。
「大学に行って、自分の気持ちを確かめてきなさい」
お母さんに相談したら笑顔でそう言われて思わず泣きそうになった。
……きっとうちは私が思っているほど、余裕があるわけではないしお母さんもこの歳まで仕事を辞めたことはない。
私のせいでまたもっと、仕事を頑張らなくちゃいけなくなるんだったら行かない方がいいんじゃ──。
「大丈夫。 百合はとりあえず合格できるように頑張ること。優一にも相談してみなさい」
お兄ちゃんは今、大学生だ。
大学に行くことが大変なことだっていうのは、お兄ちゃんの様子をみて感じた。
学校の先生にも大学受験を勧められた。
──はっきりと夢を持っていて、そこに行く道が決まっている夏海は羨ましい。
*
「私だって、まだ悩んでるよ」
瑞希が苦笑した。 夏海の話を聞いて私は、と自分のことを考えた時あまりにも生半可な気持ちでイライラした。
帰りは夏海が「ピアノがあるから」と先に帰ってしまい、美佳は「学校に残る用がある」と言い、瑞希と2人になった。
中学生の頃は自分は誰かと仲良くしたりこうして一緒に帰ったりする友達なんてできないと思っていた。
……1人の方が気楽。
そう思っていたけれど、強がっていただけなのかもしれない。
「でも百合は幸せ者だね。私も応援してるから、一緒に頑張ろうよ?」
「そだね。……どっか寄っていかない?」
何となくそういう気分。
「いいよ。あそこ入ろうよ!」
瑞希の視線の先には先週できたばかりのカフェが。……実は私も行きたかったけれど毎回見るたびにすごく混んでいたから避けていた場所だ。
今日は偶然なのかあまり人がいないからすぐに入れそうだ。
「ここいつも混んでて、行きたいなーって思ってたけど行けてなかったんだよね!」
「そうなの? じゃあ行くしかないね」
瑞希がに腕をぐっと引っ張られる。
最初出会った頃は瑞希も私と少しだけ似ていて、誰かと一緒に行動なんてするタイプには見えなかった。
──けれど私も瑞希も変わったんだよね。
変わったきっかけはもちろん夏海。
……夏海は、気づいていないかもしれないけど私達に知らない見たことない世界を教えてくれたんだよ。
【続く】
百合サイドです( ᐛ )و
次は瑞希サイドの予定です( ᐛ )و( ᐛ )و
……ちょっと高3の雰囲気とかがうまく表現できなくてあまり現実味がないかもしれません(((;°▽°))
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集 ⸜( ᐛ )⸝☆*゚】 ( No.847 )
- 日時: 2018/01/28 16:37
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~瑞希サイド~
百合は、自分の将来について悩んでると言っていた。
夏海みたいにしっかり見据えてる人を目の当たりにしちゃうと、どうしても自分と比べちゃうんだ。
「私だって、まだ悩んでるよ」
苦笑してごまかしたけれど、内心私も焦ってるし苦笑でごまかせることじゃない。
「でも百合は幸せ者だね。私も応援してるから一緒に頑張ろうよ?」
百合はまだちょっと悩んでるみたい。私のたった一言で解決できないのは分かっているけどやっぱりちょっと申し訳ない気持ちになる。
── 一緒に頑張ろう、とか簡単に言っちゃったけど頑張れるかな。
百合が嫌とかそういうんじゃなくて、自分がついていけるか分からないから怖いんだ。
誰かと一緒になんて、まさか自分が……って今でもたまに考えることがある。
口にはもちろんしない。
移動教室とか、放課後とか休憩時間のトイレとか……。
何かしらにつけて、誰かと一緒に──っていう人を全否定してた。
でももし、ずっとあのままだったら今頃潰れちゃってたんじゃないかなって思う。
今だから分かるけど私はきっと、自分が仲のいい人がいなかったからそういう人達に嫉妬してたんだと思う。
行くところはそれぞれバラバラだったとしても、一緒に支え合える仲間がいるというのを頭で分かっているから私は今までそのことに対してどれほど救われただろうか。
でも今は、そのことで少し……というか、だいぶ不安になっている。
「……ずき、瑞希」
「えっ!?」
「大丈夫? 何だか考え事でもしてた?」
「ううん。 ごめん」
「どれにする? 決めよ」
カフェに入って、そのまま意識がふわーっとどこかへ飛んでしまっていたらしい。
百合が差し出してきたメニューには、美味しそうな写真と共にたくさんのメニューの名前が並んでいた。
私は悩んだ末、メープルシロップと生クリーム、バナナが乗ったパンケーキを注文した。
「瑞希って結構、甘いものとか普通に好きだよね」
「うん! 多分普通の人よりも食べると思う」
甘いものは好きだ。
食べるだけですごく幸せな気持ちになる。
「さっきだいぶ色々と考えてたみたいだけど、瑞希も私と同じように悩んでたりするんだね」
「まぁね。 あんまり自分から誰かに言ったりできないからついついね……」
「聞いたあげようか?」
いたずらっぽく百合が笑った。
誰かに自分の弱いところを知られたり、見られたりするのがすごく嫌だったけれど百合なら……3人なら大丈夫って思ってる自分がいるからすごく不思議なんだ。
【続く】
もうすぐテストです( ºΔº ;)
……勉強しなきゃな頃なのに、最近はすごく「荒野行動」にハマってます笑⸜( ᐛ )⸝
いつかやってる方とフレンドとかに、なりたいなーと思っているんですがちょっと弱すぎて恥ずかしいのでもう少し腕上げたいと思いますᕕ( ᐛ )ᕗ
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集 ⸜( ᐛ )⸝☆*゚】 ( No.848 )
- 日時: 2018/02/03 16:12
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
すっかり学校周辺の木の葉の色は緑から、赤や黄色にと変わってきた。
秋は過ごしやすくて、1番好き。
木からひらひらと舞う、色とりどりの葉を見ていると自分の中にある悩みも全部全部どこかへ行ってしまう気がするんだ。
もうすぐ試験がある。
……合格しようがしなかろうが、私もみんなもバラバラになる。
華の高校生──なんて思っていた時期が私にもあった。
日常の中で起こる色々なことに、笑ったし涙した。
「こんなに過去を振り返ると、何だか今日が卒業式みたいだなぁ」
葉を1枚、また1枚と踏むたびに葉が粉々になる。
でも音が好きで、私は何枚も何枚も葉が落ちている上を通るようにいつもよりも大股で歩いた。
まだ時間はある。──もしかしたら、このあとに起こる何かが私の今までの1番の思い出を超えるかもしれない。
今日は近所の公園に来ている。
──休日の昼間だからか、たくさんの人がいる。
ここは紅葉スポットとして少しだけ有名な場所なのであと1ヶ月くらいしたら今の倍くらいは人が来るだろう。
犬の散歩……日課としてここに来る人や、親子で来る家族や、男女2人で来る人。
公園1つでもその中にたくさんの人がいて。
もちろんそれぞれが、きっと何かしらの悩みを持っていると思う。
けれどそれについて詳しく知らない私から見れば、今悩んでくよくよしているのは自分だけのような気がするのだ。
上を見上げると、私よりも何倍もずっとずっと高い木が立っていて思いきり手を伸ばしても届かない高さで。
ただただ私やほかの人を上から眺めている。
……眺めているなら、この心のモヤを吸い取って欲しい。
右手を上に上げてみた。
手と重なって見える葉を掴めそうで、強くギュッと握った。
──もちろん手の中には何も入っていない。
携帯を出して、私は木の写真を撮り……百合と瑞希と美佳のグループに送った。
──『来年、今よりも1ヶ月先くらいに4人でここに来よう』
私達の間にはたくさんの約束があって、それを叶えるには今目の前にあるすべてのことを行わなければいけない。
「簡単じゃないって、分かっててもそれでもやるって決めたなら」
やるしかない。
──くよくよしているよりも、最大限のことをしておいた方がいいはず。
時が経つのは信じられないくらい早いもので、けして取り戻せないもので、ほかの何にも変えられないものだ。
……大切なことは、今をどう生きるか。
どこかで誰かの言っていた言葉だ。
【続く】
テストです( ºΔº ;)( ºΔº ;)
byてるてる522