コメディ・ライト小説(新)
- Re: ハツコイ【❁*.コメント募集中୨୧*。】 ( No.854 )
- 日時: 2018/03/18 17:40
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~雄太サイド~
「夏海、おはよう」
後ろから夏海の横に立って顔を覗き込んでそう言った。
今の言い方は、声は──言葉は変じゃなかっただろうか。
「……お、おはよ」
もしかして緊張してる? もしそうだとしたら、変に沈黙を作らない方がいいか。
「今日寒いな」
ここ数日で一気に冷え込んだ。
夏海も今日はマフラーをしている。
俺は卒業まで夏服で過ごす!……なんてバカなことを言っていた奴らもさすがにここ数日で冬服へと衣替えを済ませている。
「ほんとだよー。 でもちょっとマフラーは大袈裟だったかも」
結び目に手を伸ばしながら、ほんの少しだけ空いた俺との隙間を埋めるように夏海がぴたっと横についた。
きつく結んだのかほどくのに戸惑っている。
「ん、俺やる」
後ろだと夏海には見えないから、きっとほどきづらかったんだろう。
終わってからマフラーを渡すと、夏海の頬が若干赤くなっていた。
夏海の恥ずかしさがなんだか伝わってくるような気がして、俺まで赤くなりそうだ。
「ありがとう」
ふんわりとした優しい笑顔。
「おう」
だから俺も笑いかけた。
夏海はいつも緊張してたりして、表情が硬いことが多いけれど俺は夏海には絶対笑顔が似合うと思う。
こんな風に言ったら、ただの独占欲の塊野郎になってしまうけれど夏海の笑顔は多分俺以外の誰かにも向けられていて、それが俺はすごくすごく嫌だ。
横目で隣にいる夏海を見てみると、遠くの先をじっと見つめながら時折眉をひそめたりしている。
「……なんか考えてた?」
いたずらっぽく聞いてみた。 結構気になったから、本気で聞いてみようかとも思ったけど。
夏海は驚いてから、少し悩んで……
「教えなーい!」
ちょっと優しくないいじわるな笑顔。 きっと俺への仕返しだろう。
俺は気になる、としばらく言っていたけど夏海がこれだけは言えない……と頑なに言うから、仕方なく諦めた。
俺は少しだけ歩くのをやめて、前に進んでいく夏海の背中に向けて
「夏海」
と言った。
「んー?」
……多分いつもと違う表情をしていると思う。 自分で自分の表情は分からないけど、夏海の反応で何となく分かる。
頑張れ俺。
自分の思っていることを目の前の相手に伝えるんだ──。
「あのさ……クリスマス会いたい」
言えた。 あとは、夏海の返事を待つ。
もちろん会おうって言ってくれたら、一番いいけれど言ってくれなかったとしても……
「会おう!……私も一緒に過ごしたいよ」
夏海は真剣な表情で俺にそう言った。
──もしかして俺の今の表情ってこんな感じなのかな。
夏海と俺の宣言。
残りわずかな高校生活をどう過ごすのか……多くの時間を一緒にしたい、っていう気持ちはきっと同じなんだろうなって今感じたよ。
【続く】
先日卒業式がありました。
もう本当に寂しくて寂しくて(´;ω;`)
今回は迷いましたが、雄太サイドでも書いてみました。
前回の更新と一緒に読んでみてください(どこか矛盾あったら遠慮なく教えてください( ºΔº ;))
byてるてる522
- Re: ハツコイ【❁*.コメント募集中୨୧*。】 ( No.855 )
- 日時: 2018/03/29 03:00
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
そのあと、私は雄太と一緒に教室へ入った。
「おふたりさん、おはよー」
「一緒にきたの?」
「お仲がよろしいようで」
美佳、瑞希、百合の順番で私たちに向けてそう言ってくる。
戸惑って思わず雄太の方へ視線を向けると、バッチリ目が合った。
「おはよ。 夏海とはさっきそこで会ったから」
ね?と同意を求められ私は頷いた。
*
休憩時間──。
「えー! じゃあクリスマスの予定もう決まったんだ」
いいなー、と美佳に肩を揺すぶられてそう言われた。
「クリスマスに向けて、今の時に頑張っておかなきゃ……ってことか」
「そうそう」
楽しいことをするには、辛いことも乗り越えなきゃいけない。
「道理で夏海も佐野も幸せそうなオーラが出てるなぁって思ってたんだよね」
瑞希がニヤニヤしながら、私と少し離れたところにいる雄太を見比べれ言った。
「私だけじゃなくて、雄太も出てる?」
「出てる」
「うん、出てるね」
「幸せ全開!って感じ」
なんか本人に聞いたわけじゃないけど、それを聞いてやっぱり安心する。
「夏海は何かと心配ばっかりだけど、佐野は大丈夫だよ。 だって夏海のこと大好きだと思うもん」
「いや、えっ?」
突然のことに対する驚き、照れ隠し……色々な感情が溢れてきて変な反応をとってしまう。
「傍から見ててそう思うんだから大丈夫だってこと!」
「夏海も佐野をもっと信用してさ、とりあえず勉強だとかピアノだとか思いきりやりなって」
やっぱり3人にはバレてたか。
……頑張る、と言いつつもなかなか進んでいないこと。
自覚はなかったけど、どこかで引っかかってた雄太のことが原因……なのかな。
「受験終わったら、佐野とも一緒にいれるし……私たちとも遊べるじゃん?」
3人の笑顔。 私も自然に笑顔になる。
「残りの高校生活、満喫しつつも自分の将来に向けて一緒に頑張ろう」
頑張ろう宣言はもう何度目かになるけれど、多分これが最後になると思う。
やっぱりずっとこうして笑っていたい。 でも頑張りたい。
このあといくらでも、笑い合うことはできるけど今頑張るのは今しかない。
「今を大切に」
「……いい言葉だね」
独り言が口に出ていた。
隣にいる瑞希も今を大切に、と同じ言葉を口にした。
視線を雄太の方へ向ける。
──目が合った。
離れてるけど、見える。 雄太は笑いかけてくれているということ。
雄太のその笑顔も、他も全部全部……好きなんだって思えるんだ……──。
【続く】
グッダグダです(((;°▽°))
本当に申し訳ありません(((;°▽°))(((;°▽°))
おやすみなさい笑←
byてるてる522