コメディ・ライト小説(新)
- Re: ハツコイ【❁*.コメント募集中୨୧*。】 ( No.858 )
- 日時: 2018/04/03 16:00
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
最寄り駅に着いた。
あまり人はいなくて、朝のように早歩きや駆け足気味で改札を通らなくてはいけないという心配もいらない。
──帰ったら何をしようか。
勉強をするか……いや、基本毎日は当たり前。
でもやっぱり勉強の前に少しだけ、ピアノに触れたい。
鞄を肩にかけ直してから、私は家で何を弾こうかと考え始めた。
やっぱりショパンの曲がいいかな……。
*
家に帰り、私は楽譜を何冊も引っ張り出した。
たくさんの曲の中から私は──「革命」の楽譜を開いて、ピアノに乗せた。
ハ短調でショパン自身の怒りの感情をぶつけたと言われているこの曲。
革命のエチュードと呼ばれているが、作曲された当初は全く革命をテーマに書かれてはいなかったという話があるらしい。今の私には怒りという感情は生まれていない。
けれど激しく鍵盤上を駆け巡る左手の旋律。
曲が進んでいくにつれて、リズムや音が複雑になっていくこの曲。
弾いたことはあるものの、あくまでも弾いただけで弾き込むや弾きこなすまでは届かないレベルで他の曲に移ってしまった。
初めて聴いた時の印象は、ただただ怖いだった。
「……怖さの中にある悲しさや絶望」
楽譜の上に書き込まれたその言葉。
中学生くらいの私にはまだ少し理解できていなかったけれど、今なら意味がわかる。
家のピアノ、教室のピアノ、学校のピアノ、コンクールや発表会で弾くホールのピアノ。
全部が全部同じピアノではない。
特にコンクールや発表会はみんながみんな同じピアノを弾いているのに、音色が全然違うのだからとても不思議だ。
……今はあまりないけれど、ありったけの不満や怒りストレスを指先に込めて鍵盤を力強く押した。
やっぱり左手の動きがぎこちない。無理やり動かすと明日に支障が生まれるだろうか。
弾きながらそんな思いが頭をよぎるが首を左右に振って思いを吹き飛ばした。
自分の音はけして満足のできる音ではないけれど、それでもショパンの書いたこの革命の旋律はすごくかっこいい。暗さと悲しさも兼ね備えていて、非のない曲。
──ピアノを弾ける。 そんな環境においてくれた、今はもういないけして代わりのいない両親に感謝をしたい。
【続く】
短めです(((;°▽°))
今年の9か10月に私自身もピアノの発表会があって、ショパンの「華麗なる大円舞曲(Grande valse brillante op.18 )」という曲を弾きます(*ノдノ)笑
雰囲気がコロコロ変わり、転調もあるので弾いていても聴いていても飽きないです←
「弾きこなせる」ようになりたいと思いますᕕ( ᐛ )ᕗ
byてるてる522
- Re: ハツコイ【❁*.コメント募集中୨୧*。】 ( No.859 )
- 日時: 2018/04/17 17:32
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~夏海サイド~
やっぱり他の人のピアノの演奏はとても心を揺さぶられる。
──自分と弾き方が似ている、異なっている、真逆。
──感情の込め方が激しい、抑えられている。
──テンポは本来の設定されたものとほとんど同じ、速い、ゆったり。
……聞いていて色々な部分で自分と比較したりする。
比較しつつもいつの間にかそんな気持ちも消えて、聴くことに集中させられてしまう。
「ピアノの音には本当に不思議な力があるのよ」
お母さんやピアノの先生の口癖。 数え切れないくらい言われたと思う。
最初は意味が分からなかったけれど今なら分かる。
たくさんの感動をくれたピアノで私もこれから先、もっともっと色々な人に感動を伝えたい。
──きっとこれから何があっても、私はピアノから離れようとは思わないんだろうな。
*
朝、目を覚ましたら机に突っ伏して寝ていた。
急いで着替えて朝食を済ませる。
夢中になって昨日家に帰ってきてからずっとピアノを弾き込んだあとに、勉強をしたらそのまま寝てしまったらしい。
私のこれからの課題は勉強とピアノ、どっちも同じくらい頑張れるようにしないといけないということだ。
どっちかに偏ってしまう──それではダメだ。
「いってきます」
しんとした部屋。 返事が帰ってこない家に「いってきます」や「ただいま」を言うのも慣れた。
寂しさも……ふと感じる時はあるものの、ないに等しい。
毎朝通る改札。何となく毎回同じところを通ってしまう。
タイミングはピッタリでほぼ待つことなくやってきた電車に乗り込む。
人が密集していて暑苦しい。
──でも少しの辛抱。
ようやく駅に着いて、押し出されるような形でホームに降りた。
私と同じ制服に身を包んだ人、近くの学校で別の制服に身を包んだ人。……ここら辺には学校が多いのだ。
距離によっては駅から学校までバスの使用が必要な人もいるけれど、私の場合は必要ない。
改札を通って西口を出ると、「ここまで来たんだなぁ」ってすごく感じる。
……と、前に雄太を発見した。
一瞬──躊躇う足を無理やり1歩、また1歩と前へ前へと進ませる。
「雄太、おはよ!」
パッと雄太が私の方を振り返って、吹き出した。
……え、何か変なものでも顔についてる? いや、もしかして私の顔そのものに吹いてる……?
「おはよ。 なんか嬉しそうだね、いいことでもあった?」
そんなの朝から雄太に会えたことに決まってるよ──言いたかったけど心にしまい込んでしまう。
「……ちなみに俺は夏海に朝昇降口より前で会えたってことにすごく嬉しさを感じてるかな」
負けた。 ほんとに雄太はいつも私の気持ちを見透かしているかのようなことばかり言う。
──叶わないなぁ。
「私も、私もそうだよ!」
朝から幸せだって感じられる1日の始まり。
──今日もまたかけがえのない1日になりそうだ。
【続く】
ご無沙汰です(((;°▽°))(((;°▽°))
悪戦苦闘してやっとこの1回の更新を書ききれました_((Ф(・ω・`)
今、学校で仮入部期間なのですが1年生が合計で30人近く来てくれてすんごい嬉しいです笑
私含めて今の2、3年生は14人だけなので(´;ω;`)
今日もテストがあったり今度も大会があったりでバタバタですが時間見つけて更新進めていきたいと思いますᕕ( ᐛ )ᕗ
byてるてる522