コメディ・ライト小説(新)
- Re: 空に輝く二つの月。【イラスト掲載(*´꒳`*)】 ( No.114 )
- 日時: 2017/09/02 10:40
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
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「今日1日、応援ありがとうございました! 明日もよろしくお願いします!」
試合メンバーだった人達が、私達の方へとそう言って頭を下げた。それに答えるように 、私達も拍手を送る。
──私達は勝った。
明日の試合も参加できることが決まった。
今日参加した学校の、1/4が明日もまで進める。(※小説ではカットしましたが、1日目では2試合行っていると思ってください)
「今日私達は勝つことができたから、明日の試合も今日以上に自分たちのバレーができるように頑張りましょう! ここであぐらをかかずに、ひたむきに明日も頑張って、ベスト8まで残ろう!」
七瀬先輩が全体にそう呼びかけた。
……ひたむきに、か。私には七瀬先輩のこの言葉が1番心に残っていた。
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「今日は応援してくれて、ありがとう」
ふうちゃんが、ようちゃんと私へ帰り道にそう言った。
1試合目の2セット目、サービスエースを取ったふうちゃんはそのあと連続で4回サービスエースを取ったのだ。
上からようちゃんと私は手を取って喜んだ。
「ううん! ふうちゃんすごかった!」
「ほんとにねー! やっぱすごいなって思ったよ」
「……今回のチャンス、自分のモノに出来てよかった。明日も今日以上にできたらいいな」
やっぱりふうちゃんは、同い年だけどバレーに対する思いが私達とは圧倒的に違う。
この場面で「ようちゃんもそうだよねー?」とか聞けないから、あくまでも私の考えになってしまうが、恐らくようちゃんも同じだと思いたい。
「明日も応援するね!」
「ふうちゃんと学校の活躍、勝利を願って!!」
笑顔でふうちゃんは頷いて、「じゃあね」と行って帰っていった。
「明日はさ……誰よりも早く駅に着こう?」
「もちろん! 今日の待ち合わせ時間の30分前でいいかな?」
「うーん、早過ぎるかもだけどその分には問題ないしそれで行こ!」
「了解」
私達が歩いているうちに、だんだんと太陽が沈んであっという間に空が暗くなってきた。
もし明日負けたら、この時間の何倍も前に帰ってくることになる。
明日もこのくらいの時間に帰ってこれるように、私は直接試合の勝敗に関わっているわけではないがコートのいい雰囲気を応援で作り出せるように精一杯頑張ると心に誓った。
静かに吹いた風が、そっと横にいるようちゃんと私の前髪を撫でた。
──バレーボールは、どちらかがボールを落としたら……またはどちらかが決められた場所以外にボールを出してしまったら負けてしまうスポーツだ。
落としてしまったら、ほんの一瞬で勝ち負けを決められてしまうが、たとえボールがどんなに別の場所に飛んでいこうと、自分が飛ばしてしまおうと、足を止めずにボールに食らいつけば、相手のコートに落とせることだってある。
バレーボールは、ボールを落とさずに諦めさえしなければ勝てるスポーツである。────
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