コメディ・ライト小説(新)
- Re: 空に輝く二つの月。【オリキャラ超募集中!】 ( No.45 )
- 日時: 2016/12/31 01:56
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
〜part2 神崎つくし〜
──「また」授業ノートのページの紙はちぎり取られていた──……。
「あれー……?」
隣の席に座っているゆえちゃんに机を覗き込まれてしまいました──。
「つくしちゃん、ノート忘れたのー?──じゃあ私のノートのページあげる! このまんまノートに貼ればいいもんね!」
自分のノートから一ページ分、紙をちぎり始めるゆえちゃんを私は慌てて止める。
「わ、私のこと気にしないでいいんだよ。気にしてたらゆえちゃんまで……」
誰にも聞こえないように、そっとゆえちゃんに言って紙をちぎる手を止めた。
「気にしたら、私が──どうかす……る?」
俯きながらゆえちゃんの言葉を聞いていたら、あまりにも違和感の感じる間があり、ガバっと顔をあげると案の定……。
クラスの数名かの女子の、私に対する態度の違和感を察知したみたいだった。
「なんで……こっち見てるの?」
授業中だということさえも気にせずにゆえちゃんはただただ続ける。
「井筒さーん、どうかしたのー? 」
立花さんだ──。
多分私のノートをちぎったりしている人の1人だと思う。
立花さんは、ふわっと結んだ髪の毛先を指に絡ませながら「せんせー、授業中断になっちゃってますよー」ともちろん先生の方なんて見向きもせずにそう言った。
なんでよりによって、こういう時の授業担当の先生が若い新人の先生なんだろう。
……全然先生なんて悪くないのに、そのせいにしてしまっている自分に嫌気がさす。
「つくしちゃん、あの立花さんがつくしちゃんのノート破ったりちぎったりしてるの?」
あまりにも直球で聞いてくるから、グッサリと刺さる。
「もっとオブラートに包んだら?──」
多分最初から私達のやり取りを小耳に挟んでいたであろう小貫さんが、私達にそう言ってきた。
「オブラート必要だった?」
──再び直球な質問。
……「ううん、そんなことないよ」と私は嘘を吐いた。
これ、とゆえちゃんは私にノートの一ページを差し出した。
「いいの?」
「いいの、ってなかったら困るでしょ? 横で困ってるのに放っておけるわけないじゃん!」
目頭が少しだけ熱くなる。
ありがとう、と私はその一ページを受け取った。
……それからを境に──ピタっと。
私への嫌がらせ、は無くなった。
──でもそれは。新たに起こる嫌がらせの前触れ……前兆だった。