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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 空に輝く二つの月。【コメント募集中!】 ( No.67 )
- 日時: 2017/03/12 14:23
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~part4 小貫陽~
「小貫陽です。井筒さんと同じ小学校で、部活はバレー部に入るつもりです。……よろしくお願いします」
あぁ、きっと今の私の顔……すごい固いんだろうなぁ。
それになんとも言えないくらい個性が感じられない、自己紹介だったと思う。
──ほら。先生も私の方を見つめてなんだか頷いているし。あっちにいる人何人かに指さされてる気がする。
そう思ってて違った時はすごく恥ずかしいけど。
「ようちゃーん。井筒さん、なんて他人みたい!……普通にゆえ、で良かったのにー」
「いやいや。そうかもしれないけど一応自己紹介だし、しっかりしといた方がいいかなって思ったのー」
「ようちゃんってば、真面目!」
「そんなことないって」
ゆえが首をブンブン振った。……あまり強く振りすぎて心配になるくらいに。
「多分あっちに座ってる子達も、ようちゃんのこと噂してると思うよ?……美人とか、しっかりしてて頭良さそうとか。美人だししっかりしてるし、頭良いのはずっと一緒にいる私が一番よく知ってるけどねー」
まさか、と思った。
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「小貫さん」
先生だ。私、何かまずいことでもやらかしたかな、とソワソワしながら返事をすると……。
「学級委員、やってみない?」
と聞かれた。
「私もいいと思っているし、後日決める予定なのだけれど誰もいなかったら推薦したいの。考えておいてね」
……突然すぎる。
「いや、私にはそんな……」
「まだ決まったわけじゃないから、そんなに気を詰めないで!」
でも私に言ってきたのだ。
……気を詰めないで、というか気にしないわけがないだろう。
そんな話を聞いた後だ。
下校中。横で、ゆえが色々と話しかけていたかもしれない。
でも私の耳に確かに聞こえていたのは、仄かな風の音だけ──。
謝らないとなぁ。
でも、今度少し相談してみようかな。
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