コメディ・ライト小説(新)
- Re: 空に輝く二つの月。【コメント募集中!】 ( No.97 )
- 日時: 2017/05/11 20:19
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
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「……それでは以上の12名を春大の選手メンバーとする」
キリッとした顧問の先生と共に私達は返事をした。
もちろん私は選ばれなかった。──まだバレーボールの「バ」の字も分からないような私がいきなり選手に抜擢されるはずが無いと今回は諦めていたが……。
実力差はあるものの、同じ1年生が憧れの先輩の横に立ち、同じユニフォームを着ているのだと思うと少し悔しい気持ちになるのだ。
──……ふうちゃんは、春大の選手メンバーに選ばれた。
そして実里ちゃんも。
先生は1年生を2人選手メンバーにする代わり、2年生の先輩を1人だけ選手メンバーから外した。
「実力が同じ者が2人そこにいたなら、私はこれからこのチームでの活動期間が長い者を選ぶ」──と先生が言っていた。
悔しそうにしていたその先輩もけして、下を向いたりはしていなかった。
「明日の春大、私達が選手メンバー足を引っ張らないように精一杯サポートしましょう!」
もし私がその先輩の立場だったら、同じように後輩達に対応出来るだろうか。
ふと顔を上げた時、目に入ったのはユニホームを手にして嬉しそうにしているふうちゃんと実里ちゃん──みのちゃんだった。
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次の日。
私は大会の会場に向かうため、先輩達や先生との集合場所である駅にようちゃんと2人で向かっていた。
「まだ待ち合わせ時間まで15分くらいあるよ!……丁度ぴったりくらいに着くかな」
「そうだね! それなら安心だ~」
腕時計を確認しながら、私とようちゃんは歩き続ける。
持ちなれないボールのバッグが私の肩に一気に重さをかけている。
「……え」
駅に着いた時、待ち合わせ時間丁度。
……私とようちゃん以外全員揃っていた。
「待ち合わせ時間ぴったりじゃ遅いの。特に1年生は30分前には着いて選手メンバーを待つようにして」
先生に私とようちゃんはギロっと睨まれてしまった。
こんな事まで気を使うんだなぁ、単に私の意識が低いだけなのかな。
昨日あんなに2年生の先輩が「精一杯サポートしましょう」って言ってたのに、早速破ってしまった。
これじゃあ合わせる顔がない。
……恥ずかしくて、私はその場にいることが辛かった。
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